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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

若桜を往く(Ⅰ)-鶴尾山鬼ヶ城-

二の丸西面の石垣


 8月7日(木)。午後から天候が崩れるらしいとことで、午前9時に大学集合、10前には若桜の「道の駅」に到着した。参加メンバーは教授、ノビタ&ホカノ、部長さん、ヒラさん、M君の6名です。この日の目的は、若桜鬼ヶ城の登山、旧城下町地区の町並みと周辺の棚田等の視察である。ここでは、鬼ヶ城について記す。

 若桜鬼ヶ城は、若桜宿の背後にそびえる鶴尾山(標高452m)に築城された。戦国時代16世紀から元和の一国一城令まで存続した山城の跡である。この城は山陰と山陽・上方を結ぶ交通の結節点にり、その重要性から戦国時代には山中鹿之助や毛利氏などがこの城をめぐって争った。鳥取城が秀吉によって落城する、と荒木氏が城主となり、関が原以後、山崎家盛が城主として入城した。しかし、家盛の死後、大阪の陣を経て、家治の時代に備中成羽に転封となった。一国一城令後、鳥取藩32万石の領主となった池田光政により、城郭や石垣は取り壊され、今に至っている。
 城郭の遺構は標高260~300mにあり、尾根の中腹から先端部分にかけてある「古城」地区と山頂一帯にある主郭部とに大別される。宿内からの登山口は2箇所ある。ひとつは町民体育館の裏手、もうひとつは若桜小学校の裏手で、それら2つの登山道は城山の4合目付近で合流する。

三の丸虎口手前の石垣
三の丸の石垣
 今回、上りは若桜町民体育館の裏手の登山道をつかった。登山道は整備されている。登山の難度としては鳥取城の中坂と同じぐらいで、西坂に比べればずいぶん楽だった。鶴尾山(鬼ヶ城)と久松山(鳥取城)では、植生の違いが明らかにある。鶴尾山は杉が裾野を中心にひろい範囲を占めている。一方、久松山は照葉樹と落葉広葉樹の混交林、すなわち原生林的な植生が広範囲に残っている。鶴尾山に杉林が多いのは、もちろん若桜が林業で栄えてきたからである。6合目辺りから、遺構らしきものが見えてくる。はっきり石垣と分かる遺構は山頂近くになって識別できる。そこはもう主郭のなかである。主郭には本丸、天守、二ノ丸の西面に石垣が観察できる。また、三ノ丸には2つの虎口(コグチ)が残る。主郭部分からの景観は、八東川に沿って田園風景が広がっている。それは主郭を中心とした放射状に谷間が広がっているように見えた。(ホカノ&ノビタ)

主郭からの景観

 主郭部分をぐるりと散策したのち、若桜鬼ヶ城を去った。下山後、「道の駅」に戻って昼食をとった。そこで、若桜鬼ヶ城と鳥取城の比較について意見を出し合った。鳥取城のある久松山のほうが、「文化的景観」としてみれば、高い評価をあたえうるとの教授のコメントがあった。上にも述べたように久松山は原生林が広範囲にひろがり、渓流や井戸などの水系も豊かで、そこにカスミサンショウウオなどの絶滅危惧種も残存している。しかも、中坂や西坂には数多くの石垣、郭の遺構があって、原生林的な植生と文化遺産として城跡遺構が複合化し、それだけで十分「文化的景観」を味わえる。一方、鬼ヶ城の鶴尾山の場合、水系が見当たらず、植生は林業の隆盛を繁栄して、杉の植林地がひろがり、原生林を体感できる場所がそれほど多くない。遺構の面でも、山頂付近に集中して登山道の近辺ではごくわずかに石がころがっている程度である。ここで注目されるのは、むしろ若桜の地場産業としての杉の植林地であって、それこそが鬼ヶ城の「文化的景観」の特殊性を示すものではあるけれども、山頂付近では杉の根っこが石垣を崩壊させている部分が認められるのは残念なことである。わたしは、人工的に為された植林は自然だと言えるのか、疑問に思ったが、教授からは「それは文化的景観」だと教えられた。
 若桜駅の近くに蔵通り、寺通りがあり、その名の通り、土蔵や寺が何箇所かあった。また、山に近い側の町中で堀にしては小さすぎるが、若桜鬼ヶ城の内堀かもしれない小川を発見した。護岸は古めかしい石積であったがけれども、かりに内堀とするなら、これは江戸時代以降のもので、当初はもっと幅の広い水路だったのかもしれない。この水路が内堀であるならば、外堀は八東川としか考えられない。八東川では、鮎釣りをしている人がいた。(環境デザイン学科1年 T.M)

若桜鬼ヶ城の杉林

  1. 2008/08/09(土) 00:30:19|
  2. 史跡|
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