FC2ブログ

Lablog

鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

神保町インターンシップ(Ⅱ)

「地震、雷、火事、親父」
 日常、人々の恐れるものをその順に列挙して言う語である。東京に来て早々、天候が悪くなり、大雨と雷に祟られた。その後天気は回復したが、まさか「地震」まで来るとは思わなかった。とりあえず「火事」は置いといて、「親父」だけには注意しなければ…。ちゃんと資料集めしています。

 文化財保存計画協会でインターンシップをさせていただいて、早一週間。最初の課題であった加賀の某温泉施設の復原軸組模型も期限とされた3日以内に無事完成した。同インターンシップ中の狩人と上手く作業分担が出来たためか、指導してくださったKさんより、作業ペースおよび完成度ともに良好という評価をいただいた。個人の模型ではなく会社のものであることからその責任は大きく、手を抜くなどもってのほかである。しかしながら、何をおこなうにも当然期限といものは存在する。この板挟みの緊張の中、私も狩人も黙々と作業に集中していた。
 後にKさんから「模型は美しく作ることも大切ですが、そこから問題点を導き出すことも大きな役割の一つです。ここをこうしてみたらより良くなくなるというイメージをすることも必要なことです」とインターンシップ日誌の所見欄にコメントをいただいた。これを読んだときには赤面してしまった。確かにその通りである。たとえどのような責任があったとしても模型は目的を果たす為の手段であり、それ自身が目的ではない。もちろん作品としてのクオリティーも重要だが、模型を通して何が表せるのか何が良くて何が悪いのかを試行錯誤する為の物であり、あくまでも過程なのである。会社の物だという意識があったとは言え、少なからず表面上のできばえに満足していたのは確かだった。インターンシップとは会社の補佐ではなく、一社員として業務をこなし、その問題点を発見し改善しなければならないことを感じた。

P1010439.jpg

P1010440.jpg

P1010441.jpg





 後半の2日間は東京都M市にあるK家住宅の実測調査をおこなった。
 K家住宅は元茅葺民家で、現在は茅屋根の上にトタンを被せている。建築は18世紀前半にさかのぼると考えられているが、明治30年に大改修がおこなわれており、部屋の増築や材の入れ替えが激しい。1階においては当初の様子を残すところが少ない。平面においては、現在は田字型の平面をしている。田字型平面といえば、関東圏特有の平面配置であるが、前身建物は広間型三間取りと考えられている。現在の特徴としては、明治30年の大改修の際に1尺角の大断面を持つ大黒柱を新たに挿入している。下屋部分の増築による規模拡大で、大屋根の叉首上部を転用材(貫の痕跡あり)を用いて台形状に繋いだ後、茅を葺いている。これにより現在大黒柱とされている柱のラインと棟木のラインは大きくずれている。柱や梁に加工痕や溝が多数残っており、これをたどれば前身建物の規模が想像できる。
 2日間に分けて、総員5名(社員3名、学生2名)で主屋の平面図・立面図・断面図・各部屋展開図・天井伏図・配置図を取っていく。私と狩人は展開図・天井伏図・配置図を任され、実測していった。1日目に展開図を取り終えたところで、社員の方々の実測図を見せていただいたが、全体のバランスが取れており、図面の線はぼぼ直線である。また、最小限の数値で実測をしているので大変見やすい。なによりレイアウトが美しく、A3の方眼紙に綺麗に収まるようにスケッチされている。私は実測の腕に自信があったが、これには完敗した。
 翌日、社員のRさんに実測方法について指導していただき、実際に天井伏図で試してみた。スケッチの正確さとスピードは申し分ないとの事だったが、やはりレイアウトと採寸に無駄が多いと指摘を受けた。天井伏図ではこれを考慮し、レイアウトではずいぶん時間を取ってしまったが、今までより採寸のスピードは格段に上がった。Rさんからの「なんだ出来るじゃん!」という一言をいただいたときは、最高に気持ちよかった。

 大学では知識に先走りすぎて、どうしても表面上の意味を捉えがちになってしまう。それをそのまま使っているようでは駄目なのだ。職場はカタチだけではなくその奥を読み解く力が必要であり、さら発展していかなければならない。いかに大学で得た知識をフルに活用できるか、残り1週間を全力で取り組んで、自らを発展させていきたい。(Mr.エアポート)

  1. 2008/08/11(月) 00:39:29|
  2. 研究室|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:1
<<若桜を往く(Ⅲ)-屋堂羅の棚田と建築- | ホーム | 若桜を往く(Ⅱ)-若桜城下の町並み->>

コメント

「大学では知識に先走りすぎる」って、だれのこと?
  1. 2008/08/10(日) 03:11:48 |
  2. URL |
  3. asax #90N4AH2A
  4. [ 編集]

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://asalab.blog11.fc2.com/tb.php/1511-cf7b88e4

asa

05 | 2020/06 | 07
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Archives

Category

Links

Search