
お待たせしました。全国25万人を超えた
ザコツリストのみなさん、大好きな8月になり、いつもの川辺に戻ってきましたよ。
今年は梅雨のあがりが早かったからか、川の水量が少なくて、水温がたぶん上がっており、岸辺のすぐ近くで
クロカワムシがたくさん獲れた。いつもは餌集めで結構苦労するのだが、この日は浅瀬で石をめくれば必ず川虫の巣があり、すぐに20匹ばかりの餌が集まった。
そうそう、そういえば、もうひとつ優れものをゲットした。ビーチサンダルがみあたらないので、旧国道53号線の「リーバー」で買おうとしたのだが、そこでサンダルの横に「ビーチシューズ」なる商品を発見。これは川釣りには最適ですね。これまで何足、ビーサンを川に流したことか。ビーチシューズは川底の石にも滑らないし、水にも流されない。余分にもう1足買っておいてもよかったぐらいだな。
この日は、ときどき雷はなったが夕立はなし。午後3時から6時過ぎまで、川風に吹かれながら、極楽の時間を過ごしましたね。近くの岸辺で子ども連れの若夫婦がいて、奥さんのほうが声をかけてきた。お馴染みの問いかけである。
「なに釣ってるんですか?」
「雑魚ですよ、ハエとか、ウグイとか」
「アユじゃないんですか?」
「アユを釣るとね、遊漁料8,000円とられますからね」
「アユ釣りと他の釣りで区別はつくんですか」
「アユは餌では釣れないんですよ。こういう餌の流し釣りでは、
アユは釣れません」
彼女は千葉の出身で、「お嫁さんになってこちらに来たんです」という。小さなお子さんを二人釣れていて、途中から旦那さんも会話に加わった。
「釣りデビューしたいんですよ」
と、その若夫婦は言う。もちろん、雑魚釣りを薦めたりはしない。

わたしは「釣り」という遊びにこだわっているわけではない。ハエが釣りたいわけでもなく、ハエが食べたいわけでもない。ただ、子どものころ、夏になると毎日川遊びをしていた、その世界に一年に1度か2度戻りたいだけなのだ。そこに戻ると、懐かしい風景に包まれるだけでなく、夏の猛暑からものがれられる。大袈裟だと思われるだろうが、ふと、母の胎内に戻っていくような錯覚をおぼえる。わたしは、この、年に一度か二度の川釣りのために故郷に戻ってきたのではないか、と思うことすらある。
おもしろいことに、兵庫にいる兄が同じことを言うのだ。定年よりも早く職場を辞めて故郷に戻り、民家を買ってリフォームし、川釣りをして暮らすんだ、と。わたしは、いつでも「辞めとけ」と兄を諭す。故郷は遠きにありて思うもので、実際はそんなに良いところじゃない、必ず幻滅するから、と。この日、釣りを終えて、兄の家に寄った。一時退院していた母を見舞うためだ。兄に釣った雑魚をみせて、「要らない?」と訊いたら、「要らない」と言われた。兄もハエが食べたいわけではないのだ。
深夜、奈良に戻り、フライにして食べた。この日の収穫は、シラハエ4尾、チンカー4尾、ウグイ1尾、アブラハエ16尾だったのだが、俎板に並べたところ、チンカーが1尾消えていた。小さいチンカーだったので網の目をくぐって逃げたのだろう。チンカーというのはドッカーの小さいやつでしてね、因幡以外の人にはわからんでしょうが、よそではゴリというのかな? ともかく、ハゼの仲間だからなかなか美味いんです。
夫婦でフライをつまんでいたところ、デブがあらわれた。大きなアブラハエを1尾やったらよく食べた。そして、すぐに寝てしまった。
- 2008/08/13(水) 00:01:50|
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コメント:4
この章、実に秀逸です。
昨今の田舎ブームに対する先見性にみちた洞察。(いずれ地域社会学の問題になっていくでしょう)
奈良のデブ君、生のゴリ?ハエ?を見ると、
きっと、ハエの周辺を回り、生命への畏敬のDNAを表すダンスを踊り、それからおもむろに食べだすでしょう。デブは山陰の清流の魚の夢でも見ているのかも。
スーパー夏休みの日記。少年の眼と感性とその解析力にエール。
- 2008/08/13(水) 09:33:46 |
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- ならねこ #-
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毎年、おなじようなことを書いている気がするんですがね・・・
うちのデブは生魚に興味を示さないんです。
元飼い猫の野良猫が我が家にいついて十年。
育ちがよいのでしょう、調理した魚しか食べません。
- 2008/08/13(水) 18:08:53 |
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- asax #90N4AH2A
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門永です、もうすぐ大山ですが気になったので・・
デブさんは何キロほどあるのでしょう?
うちら浜っ子にとっての雑魚はギラとゆうことになるのでしょうか。降海型のイトヨでもう見ることはできません。それでも宍道湖ではすこし網にかかるようなので、まだ境水道を通っているようです。
- 2008/08/13(水) 22:22:11 |
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- 門永哲郎 #-
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