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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

第3回「限界集落」アンソロポロジー

 教授が北京に出張中のため、15日(木)のプロジェクト研究はゼミの4年生と大学院生が1・2年生を引率し、夏休みにさんざん調査をおこなった若桜を訪れました。以下はじゃんけんで負けた1年のHくんと2年のYさんの感想文です。

三百田で説明

 今日は若桜町に行ってきました。まず、屋堂羅地区にある「若桜郷土文化の里」の三百田氏住宅、若桜町歴史民俗資料館、無動山永福寺の山門に行きました。三百田氏住宅は県の保護文化財で、とても綺麗で落ち着く民家でした。若桜町歴史民俗資料館の中にオルガンがあり懐かしく思いました。楽しかったです。無動山永福寺の山門は京都にある阿吽堂みたいでとても迫力がありました。
 次に屋堂羅地区の奥にある棚田を見に行きました。田んぼの周りにはイノシシの電気柵がたくさん設置してありました。あと、近くには相撲の土俵がありました。周りを山に囲まれていたので、田舎で森林浴をしている気分になりとても気持ちがよかったです。聞いた話によると、斜面に沿って作られている、整備していない棚田だから文化的価値が高いそうです。
 次に若桜橋に行ってきました。若桜橋は昭和9年7月31日に完成した、鉄筋コンクリートでつくられた長さ83.3m、道路幅5.5mの、国登録有形文化財・土木学会選奨土木遺産のアーチ橋です。昭和20年までにつくられた橋で若桜橋のようなアーチが3つあるものは鳥取県内では例がないそうです。
 最後に若桜宿・鬼ヶ城周辺に行きました。カリヤ通りや蔵通りやお寺を周ってたくさん歩いたので疲れました。若桜の道の駅でアイスクリームをおごっていただいて食べました。僕はバニラ味でした。とてもおいしかったです。(環境政策学科 H.M)

縁側でひと休み

 今日は若桜町の文化財の見学に行ってきました。最初に訪れた三百田氏住宅は、立派な茅葺き屋根がどっしり構えられていて、ひと目から圧倒されました。今建っている敷地はもともとは八頭高校若桜分校の校舎跡で、建物自体は因幡最奥の山村「吉川」の集落から移築復元したそうです。
 中に入ってみると、一見すると先週訪れた加藤家住宅と似た印象でした。この三百田氏住宅は「広間型三間取り」という最初の建築当時(17世紀)の一般的な農家のつくりです。修復されていることもあるのかもしれませんが、木材などがとてもしっかりしていて、頑丈に見え、とても何百年も前の建物とは思えない安定した感じを受けました。現在の「リフォーム」と同じく昔の人々も生活や家族の変化に合わせて家をつくりかえていたそうで、修復当時は「広間型三間取り」ではなくなっていたようですが、修復に際してもともとの形に戻されたそうです。内部には当時の生活の一部を教えてくれるような昔の道具などが置いており、それを見て回るのも楽しかったです。二階にもあがりました。わらじを編む機具が置いてあったのですが、昔はそれぞれの家で作っていたのでしょうか?
 三百田住宅の隣には無動山永福寺の山門がありました。無動山永福寺は、県の保護文化財に指定されている大日如来像(胎蔵界、金剛界)を本尊とした寺として知られており、現在廃寺となっていますが、山門の方はここに移転復元されました。白木もそのまま残っており、趣があります。
 三百田住宅との間に山門を挟んで建っているのが、若桜町歴史民族資料館です。山陰合同銀行若桜支店の社屋だったもので、明治40年頃に創建されました。若桜支店の社屋新築にあたってここに移転復元したものです。耐火のための白壁で、明治時代の典型的な土蔵造りです。銀行らしい…というかとてもどっしりとした、なんとも言えない風格がありました。安心してお金を預けられそうな威厳のある面差しをしていると思いました。銀行だったことから内部には金庫もあり、今は展示場となっていますが、やはり銀行の面影が残っています。昔のオルガンなども残っており、まだ音は出るようです。それもそれですごいことだと思います。
 上記の三つの建物は若桜町屋堂裏地区の「若桜郷土文化の里」内にあり、ここからはかつて鶴尾山に構えていた鬼ヶ城も見えます。屋堂羅という地名の由来には諸説あるそうですが、一説によると、鬼ヶ城から放った矢がこの地区にあったお寺のお堂まで届いて刺さったことから、「屋」はもともと「矢」だったのではないか、と言われているそうです。文章では表現できませんが、結構な距離なので、本当にそういうことがあったら地名にもなるかと思います。屋堂裏地区の棚田も見てきました。比較的ゆるやかな斜面に作られた棚田で、すでに稲はかりとられていましたが、雄大な景色でした。

民族資料館より鶴尾山を見る



鶴尾山ふもと

 屋堂羅を離れ、若桜宿・鬼ヶ城周辺(若桜町若桜地区)へ行きました。若桜宿は、中世に鬼ヶ城の城下町として整備され、江戸時代以降は鳥取から姫路へ出るための宿町として重要な拠点となりました。若桜地区は一度の水害と二度の大火(明治7年と18年)に見舞われた歴史を持っています。そのため、町には耐火のための水路が張り巡らされました。水路は通りの左右に一つずつあり、どちらかが洗濯や歯磨き用、などと町内で取り決めて使用されていた資料が残っているそうです。建物自体も耐火のために漆喰が使われており、まぶしいくらいの真っ白がとても美しかったです。この地区にあるような庇の下の私道をカリヤ(借り家、仮屋)と言い、これは豪雪地帯の若桜宿独特の建造物で昭和初期まで多く現在しており、このような家が並ぶ通りをカリヤ通りと呼んでいますが、現在ではカリヤ通りにだけ見ることができる、貴重なものです。

蔵通り

 このカリヤの住宅の後ろには蔵があり、その後ろにはお寺が点在しています。蔵とお寺の間にも道と水路があり、ここを蔵通りと呼びます。かつて、若桜宿を訪れた人々は、カリヤで休憩を取り、荷物は後ろの土蔵に預けました。民家と同じくまぶしいほどの白壁の土蔵には、窓のあるものとないものがあり、これは蔵の用途の違いによるものです。窓のない部屋には食べ物などを保存し、窓のある部屋には武器など、食べないものを置いたのだそうです。古い建物や通り、町に漂う雰囲気にも昔の匂いが残されている町並みでそのような話を聞くと、本当に荷物を抱えてこの町に来る江戸時代の人々が目に浮かぶようです。蔵通りにある寺には入り口と建物の間に距離が取られ、これも耐火の一環だそうです。本堂を守るため、火が届かないよう距離があけられました。

カリヤ通り

 若桜橋も見に行きました。三つのアーチがある優美な橋で、国登録有形文化財です。土木学会選奨土木遺産にも選ばれており、文化遺産でもあり、当時の高度な文明技術を伝える土木遺産でもあります。
 最後の見学の先は若桜の鉄道施設です。平成20年7月23日、つまりつい最近に国登録有形文化財となった23件のこの一帯の鉄道施設のうち、若桜町内にあるのは9つの施設です。若桜駅は若桜鉄道の終点で、昭和5年に開業されて以降、80年の月日をこの地区とともに歩んできました。線路の向こうにSLが置かれていて、機関車転車台(レールの一部に機関車を乗せて人力で回転させ、機関車の方向を変える)も残っています。この転車台、二人の力で回せるそうです。いつか機会があったら自分の手で回してみたいものです。転車台の近くには給水塔もあり、これらがセットで今に残されています。駅舎とプラットホームも有形文化財に登録されているので、じっくり見学してきました。「若桜駅」と当時の古い文字で書かれた駅名には、なにか感慨を感じました。
 若桜鉄道施設を見終えた後、帰路につきました。若桜という地名は何度も耳にしたことがありましたが、この地区にこれだけたくさんの文化遺産があるとは知りませんでした。鬼ヶ城遺跡には登れなかったこともあり、まだ見ていないところは残されていて、まだまだ奥が深い地区です。抹茶ソフトクリームも美味しかったです。ごちそうさまでした。でもバニラ味にも興味があります、先生。チョコもあるらしいです。
 先輩方、たくさんの勉強になるご説明、本当にありがとうございました!おつかれさまでした。(デザイン学科2年 T.Y)

  1. 2008/10/17(金) 00:14:39|
  2. 研究室|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:1
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コメント

みなさん、お疲れさまでした。辛苦了!
2年生の文章、頑張ってますね。ぐ~です。
残念なのは、写真がね、ちょっと中途半端かな・・・
ただの見学写真ではなくて、なにを見学しているのかがもっとよく分かる写真にしてほしいですね。
人を写すのではなくて、なにかを見学している人を写してほしいわけです。その「なにか」がはっきりわかる写真にちょっとなっていないかな・・・撮影してくれたヒラさん、なにとぞよろしく!
  1. 2008/10/18(土) 20:53:49 |
  2. URL |
  3. asax #90N4AH2A
  4. [ 編集]

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