ボルサリーノ さて、今回のわたしのソロ演奏曲は、以下の3曲です。
1.ボルサリーノ Borsalino (インストルメンタル)
2.メドレー: プライド~元気をだして(インストルメンタル)
3.レッティン・ゴー Lettin' Go(インストルメンタル)
今日は、ボルサリーノについて説明します。
1.ボルサリーノ Borsalino 前2回はハワイアン・スラッキーをトップにもってきました。スラッキーギターは易しいとはいえないけれども、難しいというほどでもなく、なにより和声やメロディやリズムが新鮮で、とても楽しめました。おそらく
ケオラ・ビーマーの教則本が初心者向けだったのでしょう、3日ばかり練習すれば、人前で演奏できるレベルにはなるから、今回もその程度のインストをトップにもってこようと決めていて、なんとなく、チェット・アトキンスの「ボルサリーノ」が頭に浮かんだのです。
チェット・アトキンスはすでに「わたしの好きな3大ギタリスト」の殿堂入りを果たしております(残りの2名については不確定)。ですから、もちろん、ビデオもDVDもCDも楽譜も結構たくさんもっています。たしかどこかの映像で「ボルサリーノ」がテーマソングのように使われる演奏をみた記憶があるのですが、思い出せない。なにより、わたしたちを魅了したのはトミー・エマニュエルとの共作『the day finger pickers took over the world』(1997)のトップにでてくる「ボルサリーノ」ですよね。天気の良い日に、あのアルバムを聴きながら運転すると、ほんと気分がよくなる。

で、「ボルサリーノ」を聴いている限り、そんなに難しくはないだろう、という先入観を抱いてしまい、これが致命傷になりました。まずタブ譜がない。ネットを荒らしまわって、きわめて簡略的なタブ譜(http://www.allguitartabs.com/t/186700/tommy-emmanuel--borsalino--tab)を発見しました。
でも、このタブにはまいった。間違いだらけでして、「ないほうがマシだ」とまでは言えないけれども、ほんと解読に苦労しました。なんとか正式なタブ譜を入手したいと探し回り、果てにはプー横丁にまで探してもらったんですが、結局入手出来ず仕舞い。3日間ぐらい、もう全然弾けなくて、あとはユーチューブを必死で目コピーして、練習会間際の10日間は「ボルサリーノ」の訓練に圧倒的に時間を費やしてしまい、それがまたしても「レッティン・ゴー」の不出来をもたらしたといえなくもありません。
口では表現しにくいので、ともかく挑戦してみてください。ほんと、やっかいな曲です。トミー・エマニュエルの演奏はユーチューブとDVDの両方で確認しましたが、ちょっと上手すぎて参考にしにくいですね(やっぱり大柄で手の平の大きな人は有利だな)。むしろ、素人さんたちのコピー映像が大変役にたちました。


さてさて、練習会本番では客席に向かい、「これは、チェット・アトキンスの曲でいいんですか。それとも、トミー・エマニュエルがアトキンスに捧げた曲なんでしょうか?」なんて質問をして、無知をさらけだしてしまいましたが、さきほどまでネットで情報を集めてまして、ようやく理解できましたよ。
まず、ボルサリーノとはイタリアの帽子のブランド名ですね。19世紀中頃に、ジュゼッペ・ボルサリーノがアレッサンドリアで創業した帽子メーカー。ウサギの毛皮を使った高級な帽子だそうでして、一つが5万円以上するらしいです。
ボルサリーノの名を一躍世界に轟かせたのは、アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドが主演した映画『ボルサリーノ』(1&2)です。やはりユーチューブで、映画の主題歌を聴けますが、その画面には二大スターがボルサリーノ帽子を被った映画のポスターが使ってあり、ようやく、あぁそういうことかと分かった次第です。作曲はクロード・ボラン。つまり、たぶん1970年代の大ヒット映画『ボルサリーノ』の主題曲をまずアトキンスがアレンジし、それを後にエマニュエルがアレンジし直したというわけですね。やっと分かった・・・
練習はずっとアコギでやってました。が、本番ではグレコのフルアコを使いました。六弦倶楽部でエレキを使ったのは、おそらく最初でしょうし、インストを立ち姿勢でやったのもこれが初めてではないか、と思います。このフルアコ&立ち姿勢は、言うまでもなく、チェット・アトキンスに対する敬意を示すものです。ただ、いきなり立ち姿勢は怖かったので、最初は坐って、指の動きが安定したころから立ちました。写真をみていただけば分かりますが、表情がごっついでしょ。自分でも写真みて、びっくりしてるんですが、悪戦苦闘し続けてきたプロセスを映し出しているとしか言いようがありません。なお、当日はギターの音が悪く、アンプを床においたせいかな、とも思っていたのですが、写真をみればあきらかなように、スイッチが下にさがってまして、ギターマイクの一方しか使ってなかったんですね。こういう不測の事態は本番でまま発生しますよね。まだまだ場数が足らんということです。

「ボルサリーノ」は、ともかく凄い曲です。そのひと言のみ。演奏後、「六弦倶楽部の課題曲にして、全員が練習してきて、だれがきちんと弾けるか競ってみたらおもしろい」と発言しました。ほんと、フィンガーピッキングの基礎が満載で、しかも信じがたいようなコード進行とメロディをしていて、なにより楽しい音楽であり、みなさん是非とも挑戦していただきたいですね。わたし自身、今回の演奏は100点満点の30点ぐらいだと思っていまして、もっと練習を重ね、いずれアコギで再度パフォーマンスを披露してみたいと考えております。
ボルサリーノ、チェット・アトキンス、トミー・エマニュエルに脱帽、敬礼!!
- 2008/10/29(水) 02:00:58|
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