大根と植林杉の関係 11月20日(木)。 智頭町の板井原に行ってきました。1年生は2回目の訪問です。まず初めに「火間土」まで挨拶に行きました。その後、紅葉や植林などの板井原の景観を写真を撮りながら歩いて観察しました。板井原の紅葉は葉っぱが真っ赤に染まっていてきれいでした。とくに喫茶店「野土香」の茅葺屋根にツララができていて、近くの川に紅葉の葉っぱが流れていた光景には秋を感じました。ただ、周りを山に囲まれて太陽の光が少ないのでとても寒かったです。

歩いている途中、大根を外に干している民家があって、その光景も「文化的景観」のひとつだと思いました。自分が想像していたのと比べると、大根は半分くらいの大きさで、小さくてかわいかったです。かつては、山林を焼いた焼畑に大根を植えて、できた大根を土がついたまま干したそうです。そうすると、非常にコクがあってとてもおいしい「
板井原ごうこ」ができると聞きました。
現在は、もちろん焼畑をすることはなくなりました。しかし、焼畑という生業と現在の山林景観には関係があります。かつて山を焼いて畑にしていた土地が杉の植林地に変わっていったのです。板井原の紅葉は、神社近辺をのぞくと、谷間には多くありません。谷間の斜面はほとんどが杉の植林地となっていて、緑が一面にひろがっているのです。杉の植林地の向こうに落葉広葉樹の紅葉を遠景としてとらえることができます。

板井原の少し奥まで歩いて行くとススキがたくさんあり、夕暮れ時に揺れていてとても秋っぽかったです。前回来たときに咲いていたきれいな群青色の
リンドウの花はすでに刈り取られていましたが、茎や葉は紅葉に色づいていました。赤波川の支流にあたる板井原川の上流には「板井原の名水」と書いてある看板があって、階段をおりていくと、水が飲めます。郡家の保険所で検査したことがあって、人が飲める水であることがすでに立証されています。


景観の観察が終わったあとは「火間土」で、
保存会の会長を務めるおじいさんとおばあさんの話を聞きながら、カマド飯を食べました。
メニュー ・煮物…大根、椎茸、人参、ふき、里芋、竹の子
・天ぷら…ホド、ムカゴ、コンフリ
・ナメコ汁
・手作りコンニャク ・黒豆
・酢ズイキ ・栗
・おろし大根
・板井原ごうこ
お米は自然乾燥させており、釜で炊いたご飯はなんともいえぬ香りがあって、おまけに、おこげがついていて、とてもおいしかったです。こんにゃくは手作りでやわらかく、はじめて食べる味でした。おろし大根、大根の煮物、板井原ごうこ、と大根料理が三つもありました。おろし大根には紅葉が添えられていて季節を感じられる料理でした。板井原ごうこは前から食べたいと思っていた板井原の有名な漬物です。植林の景観が、じつはこれら大根のための焼畑地だったことを先生やおじいさんから教えられ、とても驚きました。

ホド、ムカゴ、コンフリは山菜です。ホドは小さな芋みたいで、一つひとつがつながっています。花はピンクっぽくてきれいでした。ムカゴは灰色で、黒豆みたいな大きさですが、山芋の一種だそうです。コンフリは紫っぽい花が咲く植物で、細長い葉っぱを天ぷら(↑右)で食べました。パリパリしてとてもおいしくて感動しました。また、お水がとてもおいしくて、7杯も飲んでしまいました。板井原に流れている水をそのまま汲んできているそうです。自分は椎茸が苦手なのですが、「火間土」ではおいしくてちゃんと食べられました。料理は全部おいしかったです。もちろん、完食! おこげご飯は3杯、ナメコのみそ汁も3杯いただきました。
「火間土」のおじいさんとおばあさんが優しい方なので、その姿を眺めているだけで笑顔になれました。(環境政策科1年 H.M)

コンフリの葉(と柿) コンフリの花

ホドの花 ホドの実 ムカゴ
- 2008/11/26(水) 19:57:45|
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