
卒業して就職してはや9ヶ月。どういうわけか、また就業の地でブログを書いている。先週の土曜日(6日)の夕方、荒れ狂う空から予定より30分遅れで鳥取空港に着陸した。天気のせいか
『父の暦』のような感慨にふけることもなったが、4年もの記憶の蓄積が、確実に鳥取を異国の地ではなくしていた。表向きは連日ブログを賑わせている
第1回「文化的景観」研究会への参加だが、故郷が恋しかったのではないかと問われれば、首を縦に振らざるを得まい。銭がなければ、君、やっぱり帰ったほうが身のためなのです(帰るのにも銭がかかったのだけど)。7日(日)は某大学院生様のお陰?で普通の休日を過ごし、8日(月)は研究会開始まで大学内で旧交を温めていた。私にとっての就職課の花がいなくなっていたのはちょっとショックだった。箱は変わっていないのに、中身はいろいろと変わっていた。でも教授室は相変わらずだったなぁ…あぁ、中身が変わってないからか(笑)←ごめんなさい。
研究会開始の1時間前に現地に到着し、「ご無沙汰です」と「はじめまして」のご挨拶。いちおう社会人らしく名刺を出してはみたものの、自分に不釣合いな肩書きがいっそうちぢこまってしまいそうな方たちばかり。それでも楽しく過ごせたのは、皆さんが寛大なお心をお持ちだからで…いやはやなんとも。そして寒空の下、板井原の集落を散策し、「野土香」のコーヒーで体を暖め、いざ研究会へ。

正直なところ、文化的景観に関しては不勉強なところが多く、気の利いた言葉ひとつ浮んでは来ない。学生時分同様、必死でメモを取っていた。発表が終わり、討論に花が咲き、粛々と研究会が進む中、ひとつの言葉が頭をよぎった。
「せっかくなんだから、ホームスティとかしちゃえばいいのに」
先生の胸のうちにもそれはあったらしく、帰りの車でその話にもなった。実際におこなおうとすれば越えなければならない関門は多いと思う。なかなか難しいことは百も承知である。ただ、ここはベトナムではない。ましてや修復中の加藤家でもない。足がないのなら住んでしまえ。自分が学生の頃ならこういうことは考えなかったかもしれないが、学生から社会人になった今だからこそ、言えるのだと思う。こうして自由に浸っていられるのは学生時代だけだということを。利害を抜きに飛び込めるのは、学生時代だけだということを。(チャック)

人間万事塞翁が馬。祝言間近だった許婚が手の平を返すように去っていく世の中である。火間土の壁に掛けられた古時計が、諸行は無常と鳴り響いている。人として、「
草」として、いったい私に何が出来るのだろうか。無力さだけを心に秘めて、9日早朝、私は鳥取を後にした。
〔番外編〕薬研堀の着兵衛 とまぁ調子に乗ってかっこつけたこと書きましたが、実際はこんなもんです。こりゃ正月は実家に帰れませんな。おばさんに顔向けできません。生まれてくるんじゃなかった…。ただ、帰京前夜に先生と食べたうどんは本当においしかった。九州の母の味がしました。生まれてきてよかったなぁ。
- 2008/12/11(木) 12:07:08|
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コメント:1
うどんの「味蔵」に「うさぎとかめのふたりごと」が貼ってあったのには驚いたね!
お疲れ様でした!!
- 2008/12/11(木) 16:32:58 |
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- asax #90N4AH2A
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