
ピヴォです。新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
年末の
31日、加藤家住宅で修復活動に携わりましたので、ここに報告させていただきます。
12月
20日に研究室OB1期生の岡村さんに現地指導を受けた後、
23日には工務店に勤務しているわたしの同級生とともに大引の解体を始めました。そして、大晦日に「欄干の仮組」をおこないました。

午前8時、エアポート君とともに加藤家に向かって出発。しばらくしてホカノさんも応援に駆けつけてくれました。まずは、問題になっていた大引の仕口部分について検討を始めました。
すでに大引を内法寸法に切断していることに対して、岡村先輩と教授から注意されておりまして、教授からは「
ステンレスピンによる雇いほぞ」の使用を可能性の一つとして検討するよう指示されていました。しかし、欄干のタテザン(大引に接合する材)がヤトイを阻むため、仕口が複雑なものになる事が考えられるます。エアポート君から加工案をいただいたのですが、この方法でいけば、加藤家住宅での手加工による制作は難しいため、学校の木工室にて後日加工する必要がありました。
しばらくして、京都から再び帰省された岡村先輩が到着されました。岡村先輩にも仕口についてお話し、検討していただきましたが、やはりこの場での加工は時間がかかるため、仕口については考えず、金物・束によって大引を支える方法で装飾材・大引の仮組作業にとりかかることにしました。

まず、以前の大引解体で顕わになったほぞ部分をカンナで若干削ります。長年クサビの利いた状態により、左右方向への反発がひどいためヒジキ、装飾材を受けている材の取り外しができなかったのです。ヒジキ(状の材)、装飾材を取り外し、新たに制作した正面右側部分の装飾材を挿入し、さらにヒジキが収まる角材(現状部は欠けて失われているため)をテープで仮留し、取り外した材を戻していきました。続いて、新しい大引を挿入していこうとしたのですが、事前に加工しておいた欄干のタテザンのほぞ穴が合わないことが分かりました。急遽、ほぞ穴を加工し直し、何とか大引をほぞ穴に収めることができました。しかし、大引自体に多少のたわみがあり、先端部と柱とがツライチとはなりまsんでした。そこで床下に潜り、床板に角材を打ちつけ、クランプで絞る事により大引の面を合わせる事にしました。
次に束を挿入しました。大引の左右両端に仕口を設けていないため、L字型のプレートを大引と柱のあいだに入れて接合し、そこにプレートの厚み分を削りだした束をかませた。本組では、さらに裏側にに加え、根太と大引もL字プレートにより接合し補強をする予定です。つまり大引は両側の束と、大引と柱、大引と根太に接合した2枚のプレートにより縦横の動きに抵抗することになります。
そして、仮組が完成しました。本組の際には、各根太と大引とをビスまたは釘によって打ちつけます。さらに、床板からの荷重を軽減するため、根太と大引の接合部分に棚がけの金具、もしくは材を足し、補強する事を考えています。

岡村さんの技術により、これからの修復作業の道筋を立てて頂くことができました。年末のお忙しい中、本当にありがとうございました。エアポート君、ホカノさん、朝早くから駆けつけてくださり感謝いたします。
次回はいよいよ本組み作業に取り掛かります。(ピヴォ)
- 2009/01/02(金) 01:00:02|
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コメント:1
大晦日にみんなお疲れさまでした。とくに、2回も指導してくれた岡村くんには感謝します。金具をたくさん使うことになりそうなことについては残念だけど、まぁ、仕方ないかな・・・・文章のなかでは、どうも「挿入」という用語の使い方が気になるなぁ・・・
- 2009/01/02(金) 13:23:13 |
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- asax #90N4AH2A
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