先月の中旬に珍しく弥生町で飲んでいて、3軒めに「カナイチヤ」というショットバーに連れていかれた。ガイナーレをサポートしているお店だとのこと。いつか
述べたように、最近はどこもかしこもBGMにジャズを流している。ジャズと言えばバーボンだ。ロックで注文した(どうしてジャズじゃなくて、ロックなんだろう?)。しばらくして、女性ボーカルの歌声が聞こえ始めた。ジャズっぽいバラードが続き、ときにアコースティック・ギターを刻む音が聞こえる。声は大人っぽくて、アンニュイな色香を漂わせていた。歌い手はおよそ想像がつく。
「これ、ノラ・ジョーンズでしょ?」
と、マスターに訊ねたところ、かれは首を横に振って、CDのジャケットをもってきた。ちょっと神経質っぽい目つきをしたアジア系の美人の顔が大写しになっていて、そのボーカリストの名は
ジョアンナ・ウォン(王若琳)、アルバムのタイトルは
『スタート・フロム・ヒア』(2008年6月)となっている。さっそく、携帯メールにメモして、自分のパソコン・アドレスに送信しておいた。
ジャケット裏の値段をみると、税込2,548円と記してある。
「わたしはかなりなペースでCDを買うほうの人間ですが、
こんなに高いCDを買うことはめったにないですね」
マスターは驚いた顔をした。実際、アマゾンでCDを検索する際、
輸入盤や中古品を物色すれば、1,000円以内で相当良いアルバムが入手できる。
「たぶん、このCDも半額近い値段で手に入りますよ」
とそのとき豪語した。いまアマゾンの購入記録を確認したところ、1月21日に注文していて、中古CDの価格は1,680円、送料340円をあわせて2,020円なり。わたしにしては大枚をはたいたCDに属するだろう。
それもそのはず、日本語の詳しいライナーノーツ、対訳付きの歌詞カードブックに加えて、日本版ボーナストラック2曲付き。ボーナストラックはさておき、ライナーノーツや歌詞カードなんてあってもなくても同じようなものだ。オマケなんてなくていいから、単価を安くしてほしい。
でも、まぁせっかくだから、内本順一氏の書いたノーツを引用させていただくと、ジョアンナ・ウォンは1988年8月1日、
台湾に生まれて、生後まもなくロスに移住したのだという。録音時で19歳、という若さにまずは驚かされる。大学で言えば2年生なんだからね。それで、これだけ大人っぽい音楽を作れるのか、とただただ脱帽している。
最近は
選挙の関係もあって慌ただしかったのだけれども、夜も深まり一人になると、
籐のソファに横たわり、ずっと彼女の声に癒やされていた。決してお世辞ではなく、わたしはノラ・ジョーンズよりも、ジョアンナ・ウォンのほうが好みですね。もちろん容貌が、ではなく、音楽が、ですよ(いや、容貌もかな??)。
少し値段のはるCDだけれども、日本版のボーナス・トラック2曲はありがたかった。「レッツ・スタート・フロム・ヒア」と「ロスト・イン・パラダイス」の中国語バージョンで、前者は「迷宮」、後者は「有ニィ的快楽」と題されている。いや、良いですね。英語バージョンとは違った魅力がある。不思議なことに、英語バージョンの対訳は許可されているのに、中国語バージョンの対訳は「アーティストの意向により掲載しておりません」と附記されている。へへへ・・・ここに訳して掲載してやろうか、なんて思ったりしたんですが、著作権法違反で訴えられるのでやめときます。
それにしても、こういう凄い新人ボーカリストのCDをお店で流している「カナイチヤ」はアドレナリン、じゃなかった、あなどれませんね・・・また、行ってみるかな・・・日本対オーストラリア戦のライブが視られるかもしれんもんね。
- 2009/02/08(日) 03:52:20|
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