
虹の彼方には、やはり何もなかった。依然、連戦連敗・・いやいや今日は1回アガッたぞ。1翻だけだったけど、前にご紹介した両単騎待ちでツモりましたよ。でも、隣に坐っていた爺さんは、30ポイントも貯めていたな。あの台に坐りたいのに、昼下がりには必ずだれかが陣取ってる。
午後から、卒論公聴会の練習1回め。予想以上に時間がかかった。最初の二人は一人1時間以上を要した。夜の日豪戦に間に合うかどうか、心配になってきたのだが、3番目のエアポートから盛り返し、4番ピヴォの出来が思いのほか良かった。ここで6時だっただろうか、ピヴォに「サッカーを視にいこう」と誘った。キックオフまでの時間を利用して、院生の修論プレゼンも聞いたのだが、聞かなきゃ良かったな・・・あえなく撃沈です。
総じて言えることは、中途半端な勉強をして、余計なスライドを突っ込みすぎている学生は駄目ですね。ストーリーにあわせて枚数を圧縮しないといけない。そもそも、画面の文字を棒読みしているようでは話になりません。下書きの棒読みもいけません。

というわけで、7時過ぎに「
カナイチヤ」に入店。すでにサッカー・フリークで満席、坐る場所もないんじゃないか、と心配していたのだが、さすが鳥取、店内にはマスター以外だれもいなかった。おかげさまで、わたしとピヴォと院生(運転手)は大画面の正面カウンターにドガンと腰を下ろした。キックオフは7時20分。その前後に、客がぞろぞろあらわれ、「サッカー・サポーターの店」らしいムードに変わっていった。
日豪戦については、普段のアジア勢との試合に比べれば、たしかにレベルの高さを感じたが、それほどハートに訴えてくるものがない。試合開始前から「勝てない」と予想していて、実際「やはり勝てない」と感じながら画面をみていた。
日本代表のピークは過ぎた。「黄金世代」と呼ばれた日本最強の少年たちは30前後のオヤジになり、中村俊輔を除いて代表のピッチに立っていない。その中村が目立たない。中村がゲームを作れない、あるいは、中村にゲームを作らせないのが欧米の強豪たちであり、日豪戦もその通りになった。ゲームメーカーとしての中村が潰される場合、中田英寿のことが思い出される。
先日、BSのW杯予選特集で、ずっと岡田監督がインタビューされていて、アナウンサーが「最後に中盤に戻って、どうしてもはずせない選手がいますね?」と質問したとき、岡田はとっさに目をむいて、
「中田ヒデ、ですか?」
と答えた。アナウンサーは遠藤のことを聞きたかったのだ。それからしばらく遠藤の話題になったが、岡田の頭の中からヒデが消えていないことを物語る映像が瞼の奥に残ったまま消えなかった。


以前、ドイツW杯の観戦対談「
ヴェルトマイスターシャフト2006」シリーズでも述べたように、ハイレベルの試合においては「トップ下」に陣取るエースはみな潰される。ドイツW杯では、唯一ジダンだけがハイ・プレッシャーのなかで本来のプレーをしてみせた。ジダンは例外である。事実上、ゲームをコントロールするのはセンター・オブ・ミッドフィールド=ボランチであり、イタリアを例に取るならば、トッティは潰されて機能しないが、ゲームを巧みにコントロールしていたのは低い位置にいたピルロであった。そのピルロでさえ、前線に上がると仕事をさせてもらえない。日本も同じで、グループリーグでトップ下の中村はまったく機能せず、一列低い位置にいた中田がゲームの鍵を握っていた。
中村の機能しない日豪戦をみていて、だからわたしは、中田ヒデのことを思い浮かべていた。高い守備力をもちながら、低い位置から前線にハイ・スピードの縦パスを通せるボランチ。遠藤と長谷部も、もちろん悪い選手ではないけれども、物足りなさを感じるのはわたしだけだろうか。とくに遠藤の緩い球回しは、日本に必要不可欠だと高い評価を得ているが、「本番」では格好の餌食になる気がして仕方ない。
勝てそうにない試合で、次第に睡魔に襲われ始めた。ギネス1杯、バーボン2種がよくまわり、額がカウンターに落ちた・・・途端に、大嬌声に目をさまされた。後半42分、内田からのクロスに長谷部がボレーシュート。shot on goal ! と思われたその瞬間、そのボールは最前線にいた大久保にあたってラインを割った。「オウン・クリアだな」って声が後の席からあがっていたが、それは大久保に失礼というものだ。
ネットを検索すると、0-0の結果を両チームはとりあえず良しとしているようだ。しかし、オーストラリアは1日半前にようやく集合した時差ぼけ集団であり、この結果は事実上ホームチームの「負け」として受け止めなければならない。ヒディンクのいないオーストラリアにホームで勝てない。いまの日本代表は強くない。チケットが売れ残るのも当然だろう。
- 2009/02/12(木) 12:45:05|
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