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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

修士研究発表会を終えて

岡野プロレス

 19日(木)午後1時から、環境デザイン領域の修士研究発表会が開かれました。社会環境学領域と情報システム領域の発表会が前日に終わっていたため、当日の会場はデザイン領域の教授陣と学生が大半を占めていました。そんななか、研究室のエアポート君、部長さん、ヒラさんや研究室OGであるハルさんの姿がありました。
 発表会前夜、大学院生室では作品組が展示用パネルを慌ただしく準備していました。その様子を横目に、私はハロン湾クアヴァン村A期(1994年以前)復原CGの修正など発表準備に追われ、無事にプレゼンできるのだろうかと不安を抱えていました。果たして発表会は事なく終えることはできましたが、私の発表自体はなんとかかんとか切り抜けたという印象が強いです。なにせ、しどろもどろの発表で、たいへん聞き取りづらかっただろうと思います。奈良でのフリートーク式の発表で詰まりまくったので、発表用下書き原稿(カンペ)を作り、対策していたのですが、功を奏しませんでした。マイクで左手、マウスで右手がふさがり、カンペを捲る余裕がなかったのです。

発表会場(岡野なし) ところで奈良での講評の際、ご指摘を受けていた「5)過去の集落景観の家船数」ですが、根拠となる数字は結局不明でした。ハロン湾遺産管理局の論文によれば、漁民の親は子供が結婚した際に家船を贈る慣習があると述べています。これを参考にすると、現在の世帯数とほぼ同数の家船が存在していた可能性があります。しかし、漁民は停泊地-漁場-市場周辺の浜辺を漂海する生活を営んでおり、集落の世帯数は絶えず変動していたことがわかっています。そこで、過去のCG景観の家船数は、現状の筏住居の実数に近い100隻に推定・訂正しました。研究発表会では、その静止画を制作し、修正バージョンを披露しました。この点は詳しくご意見を頂きたかったです。
 さて、発表会が終わったこれからも、いろいろな予定が詰まっています。奈文研主催の文化的景観研究集会、25日から始まる卒業・修了研究展の準備もしなくてはいけません。そして、今月27日は修正した修士論文の提出〆切です。先日の講評会で指摘された諸点について、できるだけ拾いきれるようにはしたいものです。当分、一息つく余裕はなさそうですが、気力をふり絞り、のこり少ない学生生活を突っ走りたいと思います。(ホカノ)

主査講評: オロオロしすぎだね。とうとう7年間なおらなかったな・・とてもおもしろい研究をしているのです。副査の講評を読み上げた後、会場から一様に「厳しいなぁ」という嘆息が漏れ、それを庇うようにして、最後にN教授が「とても良い研究です!」とコメントされました。ありがたいことだね。わたしも同感です。本学の修士論文としてはかなり上質のものだと思っています。にも拘わらず、どうしてあんなにオロオロびくびくするのか・・・下書き原稿(カンペ)はピヴォも使っていましたが、両手をふさがれて読めなかったなんてことはまったくなく、とても良いプレゼンに仕上がってました。岡野の場合、ただ気持ちに余裕がなかった、ということでしょう。社会人になったら、なんとか自信をもって生きていってほしいですね。なお、A期修正バージョンについては、発表を聞いている段階では修正されているのかどうかさえ分からなかったので、何もコメントしませんでした。静止画を上の根拠で修正したのは結構ですが、そのアニメーションはどうなるんでしょうか。これがいちばん心配ですね。
 さて、岡野くんは7年間、ASALABに在籍しました。わたしがとくに評価しているのは、後輩の面倒見がよいことです。車もよく出してくれたし、パソコンもみんなに教えてくれました。加藤家住宅のホームページとブログも作ってくれました。測量のエキスパートにもなったし、体を使った大工仕事でも活躍してくれました。研究室を縁の下から支え続けた功労者です。研究室を代表して、深い感謝の気持ちを捧げたいと思います。
 最後の発表の場にはハルさんまで駆けつけてくれて(↓)、ほんとうに良かったね。ともかく良い修士論文に仕上げてください。あと一息です!!

ハルさんを含めて



発表会場(岡野あり)


副査講評

1.総評
 本論は、文化的資産の中でも特に「人と自然の共同作品」として国際的にも注目されている文化的景観の分野において、これまであまり取り扱われてこなかった水上の居住形態に関わる事例を取り上げ、その特質と保全の在り方を論じた点で高く評価できる。特に、チームで実施した建築学的又は民族学的な調査の成果を的確かつ十分に把握し、その成果を踏まえてさらに発展的な検討を行った点は注目に値する。また、現在の状況を分析し、その祖形及び将来像についてコンピュータグラフィクス等を用いて視覚的な検討材料を提案するなど、文化的景観としての特質を検討する上で独特な方法を検討した点も特徴的である。とりわけこの事例では、検討の基礎を成す現状の具体的な把握や記録の方法において、GPSとトータルステーションの併用を基礎としながらGIS上で結果を集約し、測量点対照票を考案してCGによるモデリングの手法と組み合わせるなど、測量における困難な状況を補足するいくつかの工夫が見られ、今後、類似の事例調査における手法のさきがけを成しているものと評価できる。

2.個別事項等
 全体としては上述のとおり、評価すべき点が多いものの、なお、以下の点については、論述上の問題があると認められる。
 (1)世界遺産の分野において相当程度検討されてきた文化的景観に関するレビューやそれらの成果との付き合わせについて、取り上げた事例の特質に即した整理が十分ではないため、今回の成果が国際的な観点からどのように位置付けられるのかが、いまひとつ明らかとはなっていないと思われる。また、世界自然遺産のハロン湾について、その包括的な保全の観点から、自然遺産としての保存管理の計画・方法・体制等との関連性について、さらに具体的な検討が示されると、なおよかったと思われる。
 (2)家船から筏住居に居住形態が移行したこと、また、漁撈から養殖に生業の形態が移行したことが確認された今回の事例において、継続して保持されている文化的景観としての本質についての検討が具体的に示されれば、なおよかったと思われる。
 (3)なお、全体にメリハリを整理することで、論旨の明快さや成果の重要性が引き立つと思われるところが、少なくなかったのは若干残念である。

  1. 2009/02/21(土) 00:38:58|
  2. 研究室|
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