ナガルコットの朝焼け バクダプルから段畑をぬけて標高2100mのナガルコットまでやってきたのは、ひとえにエベレストを遠望するためであった。電気も水もないダマン族の村は、エベレストの眺望地点として人気を誇っている。
3月11日早朝5時起床(日本との時間差3時間15分)。ロビーの集合時間は5時15分なんだけど、いつまでまってもツアー同行者の2名があらわれない(以後、毎朝同じパターン)。今回のJツアーは、なんと申しましょうか、馬場抜きの全日本プロレスに高山善廣が参戦してるって感じかなぁ・・・3年前の
スリランカとはえらい違いや、ホカノ、助けてくれぇ・・・

5時半すぎ、バスは展望台に向かって出発した。車窓に映るは満月のみ。満月は人の心を刺激するのだとヒンドゥー教徒たちは言う。
10分ばかりで展望台に着いた。みるみる夜があけていく。月は白みはじめ、その真反対にヒマラヤの雪嶺が朝焼けとともに姿をあらわした。感動的な風景である。
「Mの字をした山頂がみえるでしょ?」
とガイドのシュリさんが説明を始めた。たしかに、Mの字の形をした頂がみえる。
「その左横にちょっとだけ雲がまきついた頂があるでしょ?」
「はい」
「あれが、エベレストです」
もちろんシャッターを押し続けた。わたしはエベレストの頂をみたのだ。もう思い残すことはない。なんちゃって大袈裟にしても、人間とは欲深い動物でございますよ。
「19人乗りの小型飛行機でエベレストを上空からみるツアーがあるのよ、
参加しなさいよ」
と人生の先輩が命令してくるのです。
「えっ、200ドルもするんですか。もったいないなぁ・・・」
「なに言ってんの、昨夜はワインをがぶ飲みしてたでしょ? あぁいう酒代を
飛行機代にすればいいのよ」
前日知り合ったばかりなのに、なんでこんなに馬場さんは馴れなれしく、しつこいのだろうか。宝塚の方だと自己紹介されたが、ほんとは「大阪のおばちゃん」じゃないのかな??
わたしはまだ死にたくないので、最終的には「高所恐怖症ですから」と言って飛行機ツアーのお誘いを丁重にお断りした。
朝焼けのヒマラヤのなかにエベレストの頂をみた。それだけで十分だ。
わたしは朝焼けのエベレストを遙拝したのだ。
- 2009/03/13(金) 13:24:03|
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