
『縄文時代の考古学』8巻「生活空間-集落と遺跡群-」が刊行されました。このシリーズの
内容見本を紹介したのは、遙か2年前のこと。遙か、というほどでもないか・・・
わたしは「居住の技術-縄文時代」(p.47-64)を分担執筆した。これが出来の悪い原稿でして、最終校正の段階で「もう廃棄処分にして欲しい」と編集者に訴えたほど悲惨な内容です。どこが気にいらないのか、というと、なによりいま頭で考えていることと書いていることにズレがある。書いてしまったことは10年前の情報に基づいていて、「もう使えない」とか「間違っている」とか自分でも分かっていることをまた書いてるんだから。なぜそれを修正できないのかというと、復元図や復元模型を作り直す余裕がないから。そもそも、研究所を離れて以後、東北・北海道・九州などの縄文遺跡と係わる頻度は著しく少なくなり、新しいデータをあまりもっていない。年が経つに連れ「縄文」という対象に興味は薄れていくばかり。今は執筆を受けるのではなかったと、一頻り後悔しています。
税込み5250円という高い本ですが、わたし以外の執筆者は新進気鋭の専門家ばかりですので、ぜひともお買いあげください。
以下、図書情報。
書名: 『縄文時代の考古学』8巻 「生活空間-集落と遺跡群-」(235p.)
編者: 小杉康・谷口康浩・西田靖民・水ノ江和同・矢野健一
発行所: (株)同成社
発行年月日: 2009年3月20日
定価: 本体5000円+税
ISBN: 978-4-88621-463-8C3321
- 2009/04/03(金) 00:05:42|
- 研究室|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0