年末年始を費やして書き上げた
原稿が活字になり、公刊されました。
青谷上寺地遺跡出土の建築部材(弥生中後期)については、これまで2006年度講演記録(
最長の柱)、2007年度講演記録(
最長の垂木)、2007年度とっとり「知の財産」活用推進事業
報告書で成果を公表してきましたが、今回はそれらの成果を総合し、現段階での定稿としたものです。
報告書は7章構成となっており、研究室で担当したのは第4章で、題目は以下のとおり。
浅川・嶋田 「青谷上寺地遺跡出土建築部材による弥生建築の復元」
(巻頭図版1~8、本文p.27~72、図版1~14)

青谷上寺地の建築部材に係わる復元研究は、日本の考古学・建築史に画期的な成果をもたらしたと自負しています。おそらく、わたしがあの世に旅立ってから、評価が高まるにちがいない・・・
それにしても、われながら、よくここまで考古寄りの仕事をしているもんだ、と呆れてしまいますね。すでに何度かブログで告白してきましたが、今年度以降しばらく「考古」から離れますので(講演が二つ入ってますが、かなり前からの依頼だったので例外)。北海道・東北の仕事はガード君と黒帯君のおかげでなんとか片づいたし、この報告書で青谷上寺地もいったん打ち止めです。青谷と言えば、一生忘れられない出来事となったのが2006年11月10日の
記者発表ですね。あの日、ワイフは脳内出血で倒れて瀕死の状態となり、翌
11日、「楼観」報道が全国大手4紙の一面を飾って、それを病院の売店で買って読んだのが、もう二年半前か。その青谷の仕事も、しばらくお休み。その他、「考古」寄りの原稿や復元設計はもちろん、委員会もお休みの方向で調整するつもりです。
先週金曜日の初ゼミで、このことを学生諸君に告げました。新4年生は半年かけて竪穴住居の復元を学びましたが、みな「次は別のテーマをやりたい」と言います。卒業研究でもう一度「竪穴住居」をやりたい、という学生はいません。まぁね、気持ちはよく分かる。
今後、ASALABの研究活動は、以下の2つが軸になっていくでしょう。
1.木造建築・古民家再生(院生Aを中心としてハードな建築研究)
2.景観・町並み・集落の調査と保全(院生Bを中心としてソフトな「環境」系の研究)
話がそれてしまいましたが、肝心の図書情報をお知らせしておきます。
報告書名: 青谷上寺地遺跡出土品調査研究報告4 建築部材(考察編)
発行: 2009年3月30日
編集・発行: 鳥取県埋蔵文化財センター
印刷: 山本印刷株式会社
なお、この冊子は1000部印刷され、1部あたりの単価は1100円だそうです。頒布についてはどうなるのか知りませんが、いずれ鳥取県埋蔵文化財センターの「
新刊情報」サイトに掲載されるでしょう。
- 2009/04/14(火) 05:31:55|
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