
【解体前のカマド】
お久しぶりです。新4年の狩人改め黒猫です。とうとう4年になって、就職戦線もたけなわ、学業と就活をともに頑張っていきたいと思います。
2009年前期プロジェクト研究1&3「古民家のリサイクル-カマド復元と蕎麦打ち-」では、2年ぶりに鳥取市倭文の加藤家住宅修復プロジェクトが再開されました。私とガード君は1・2年生7名のプロジェクト研究を指導する立場となり、それを卒業研究に結びつけることができれば幸いです。4年としての自覚と責任を持ち、このプロジェクトが成功するよう、うまく1・2年生をリードしていきたいと思います。
さて、2年半前の第1期修復工事の際、トオリニワの板間上におかれていたカマドを解体し、その部材を裏庭にブルーシートでくるんで放置していました。このカマドを、とりあえず原位置に復元しなければなりません。
ASALABのモットーは「セルフビルド&ゼロエミッション」。大学裏山の「ツリーハウス」「廃材でつくる茶室」に始まり、加藤家住宅でも「イロリの復元」「縁の修復」「ロフトのアトリエ化」などに受け継がれ、加藤家住宅の「ローコスト修復」に貢献してきました。今回も「セルフビルド&ゼロエミッション」のコンセプトを徹底してカマドを復元します。再利用できる材料はできる限り多く再利用し、修復の際に廃棄物となった材料を活用し、コストなしの復元をめざしています。

思い返せば、ぼくは1年の前期に「イロリの復元」に携わり、「セルフビルド&ゼロエミッション」のコンセプトで火棚の制作を担当しました。それが3年前のこと。時間がたつのは速いですね(そういえば、先日の飲み会ではあっちの話だけでなく、アインシュタインの「時間」についても講釈をうけましたよ)。入学した直後で、何も分からずにいきなり火棚の制作なんて無理じゃないかなあ…?と思っていたのにできちゃった。その火棚は今でも加藤家の板間に吊るされ続けています。そういう活動に携われたことは誇りであり、2年次の「ロフトのアトリエ化」では火棚制作の成果を発展させることができました。わたしはアトリエ班のリーダーでしたが、1・2年は当事の先輩方に依存しがちになってしまい、多くの面で手を貸していただきました。アトリエづくりは成功したのですが、本来「プロジェクト研究」とは自分たちで問題を発見し解決する事を目標としており、先生や先輩方にはあくまでアドバイザで、相談に乗ってもらったり、少しお手伝いをしてもらうぐらいにしなければならなかった。そのことをふまえ、1・2年生を指導していけたらと思います。

さて、カマドは解体された釜や土台がブルーシートに包まれていましたが、2年半のあいだ放置状態だったため、腐朽や劣化が進んでおり、材料が復元に耐えうるか、どれがどの部位に当たるのか、暗中模索の状態です。まるで、大きな土器を復元していく立体パズルのような作業がこれから待っているわけです。22日(木)は、ばらならになった部材を仮番付しながら、写真撮影し、さらに水で洗浄して板間のブルーシート上で乾燥させるところまでもっていきました。1・2年生は3班に分け、順次、解体部材を撮影・洗浄し、仮番付はガード君、板間での部材整理は院生の部長さんが担当してくれました。

一方、先生と先輩はまた別の大仕事に取り組んでいました。まず先輩たちがトオリニワの土間におかれていた荷物を片づけ、板床面を清掃しました。すると、かつてカマドかおかれていた痕跡がみごとにあらわれました。まるで発掘調査の遺構検出をしているようです。次に、カマドの土台を痕跡の真上に移そうとしましたが、カマドの土台部分は湿気で框の下端が腐りはじめています。なにより、土台は3~4名では動かせないほど重く、じつに6名の人が集まってきました。そこで、まず90度回転させて裏面をみたところ、セメントの床面を支える3本の根太が腐朽しており、セメントは陥没寸前の状態になっています。教授の指示により、3本のうち2本の根太をとりさり、かわりに角材をセメント床の中央に2本置き、その下から、板と鉄板でセメント面を支えることにしました。そして、6人で数十キロの土台をもちあげました。裏口から土間に入れれば良かったのですが、狭すぎて断念し、大まわりで表から土間に入りました。両開き戸を外して、なんとか土台をもつ6名が中に入っていけたのです。下にわたした板をもった教授はいつものごとく、「生まれてくるんじゃなかった・・・」を連発されていました。土台は、結局、原位置ではなく、トオリニワ板間の端部に角材で浮かした状態で仮置されました。これは乾燥のためです。


以下は今後の課題です。
1)乾燥した部材のスケッチと略測
2)正式に番付した部材の接合関係の検討
3)部材は足りるのか、どうか。足りない場合、何で補充するのか。
4)部材の接合に使う接着剤を何にするか
5)土台の修復・補強方法の検討。材料の収集。
大きな問題になるのは損失した部材の補填材と接着材でして、「モルタルかセメントが良いのでは」という意見が出ていましたが、もしどなたか情報をおもちでしたら、ぜひコメントを頂戴したくお願い申し上げます。5)のカマドの土台については、框下端と根太が腐朽しているので原位置に接置させるのは難しいですが、断面6×12㎝ぐらいの角材を転ばし根太として框の内側(72×99㎝)の内側に9~10本並べ、框を宙に浮かせるようにしてセメント床を支えてはどうかというアイデアを教授がだされました。連休中に、1・2年生がどのようなアイデアを考えくるのか、楽しみです。もちろん、4年生も頭を使って1・2年生をサポートしなければなりません。
最後にみんなでお茶を飲みながら今後の作業工程についてミーティングをしました。今日撮った写真データの整理をできるだけ早くすることと、G.W.明けまで授業がないのでその間にすることなどを決めました。【狩人 改め 黒猫】
不安と期待と 加藤家住宅での作業が始まりました。

最初の作業は剥がれ落ちた壁材の片づけでした。先日の強風で板間の小壁の一部が剥がれ落ちていたからです。壁を片付けてから、今日やることの説明を先輩にしていただきました。
まず、バラバラになっているカマドのパーツを記録すること。次に、汚れているので洗浄すること。そして、乾燥させ、再び記録し、実測することです。説明が終わり1、2年で3班に別れて作業をはじめました。私の班は1つのパーツを写真撮影した後はずっと洗浄をしていました。結構な数に加え、煤などの汚れもかなりあり大変でした。なので、すべて終わるころには少し日が暮れ始めていました。
今回作業をしてパーツの多さにとても驚きました。大きいものから小さいものまでおよそ30点ほどありました。各パーツを洗浄しながらどこの部分か考えました。しかし、どこがどの部分なのかほとんどわかりませんでした。だから、今、私自身はカマドが完成するのか不安です。ですがその反面、何とかして完成させたいという気持ちも生まれました。幸い、以前の状態の写真資料を先輩方が残してくれているので、それを参考にして完成させるために次回以降も積極的にがんばります。また、次の授業まで間隔が空くので、その間にやっておかなければならない宿題以外でも、自主的にカマドのことなどを調べておきたいと思います。【環境政策学科2年 K.I.】
- 2009/04/28(火) 00:00:25|
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