
兎にも角にも、半年ぶりの六弦倶楽部練習会です。昨年10月の
第9回練習会以来、人前でギターを弾いていない。このあいだ、チョトロク代表も忙しかったでしょうが、わたしも忙しかった。おまけに冬の
下宿は寒くて、練習できない。出張先にギターをもっていく「
渡り鳥」なんて阿呆なこともやらなくなりました。新曲はといえば、この6ヶ月、ロラン・ディアンスの「タンゴ・アン・スカイ」だけじっくり取り組んでいましたが、他はすべて「復習」に時間を割きました。六弦倶楽部に参加して2年あまり、それほど緊張せずに演奏できたのは、昨年6月、ここカフェサースで「ムーンタン」を演奏した
第7回練習会のときだけです。
それ以外の練習会は、なにより「アガル」ことに苦しみ、本来の力がだせなかった。にもかかわらず、毎回、新しい3曲に挑戦し続けたんですが、会が変わって別の曲にトライすると、前に練習した曲をすぐに忘れてしまう。これを深く反省しました。
目標を変えたんです。人前で演奏できる曲を10曲仕上げよう。簡単な曲でも、きちんと弾くのは大変なことです。だから、弾きやすいと思っている曲でも、その完成度を高めて、人が聴いてくれるレベルになんとか仕上げたい・・・

もう一つ決めたことがあります。練習会の準備にやっきになるのはやめよう。選曲をどうするのか、曲にあわせてギターとチューニングをどう替えるか、サムピックを使うのか使わないのか、弦をどのタイミングで張り替えるか、バンジョーとフラマンの調弦をしっかりしておこう、なんてことを放棄したのです。
もとより、わたしたちには時間がない。邪魔くさいことはしない、考えない。こう決めました。その結果、今回使用するギターはホセ・アントニオのみ。チューニングもすべてスタンダード。サム・ピックなし。新曲は1曲のみで、他の2曲は復習。
今回のわたしのソロ演奏曲は、以下の3曲です。
1.ボルサリーノ Borsalino (インストルメンタル)
2.メドレー: スィート・メモリー~少年時代 (インストルメンタル)
3.なめし皮のタンゴ Tango en skaï (インストルメンタル)
以下、2曲めまで説明します。
1.ボルサリーノ Borsalino 前回(
第9回)ではグレコのフルアコにサムピックで演奏しましたが、コピーに苦しみ十分消化できていませんでした。あれから、おもにエレガットで練習し続けたんです。最初はサム・ピックを使ってたんですが、そのサム・ピックがみあたらなくなり、肉弾きか爪弾きで弾くようになりました。じつは最後の最後までモーリスS92でサムピックを使おうかどうか悩んでました。サムピックを使うと、4~6弦を親指付け根の「腹」でミュートでき、ラグタイムらしくなるんですが、爪弾きだとミュートしにくい。このとき頭に浮かんだのが埼玉で「
ドリフティン」を弾き語りしたクラプトンです。クラプトンは反復ベースをミュートせず、親指をものすごく跳ね上げていた。ああいう奏法もあるのだから、ガットギターに爪弾きでもいいだろうと判断しました。サムピックについては、もう一つ問題があります。トミー・エマニュエルの奏法に倣うならば、サビの部分でサムピック弾きおろしが連続するのですが、そこはフラメンコっぽい処理に替えました。人差指・中指・薬指の爪の表面を少しずつずらしながら弾きおろすのです。ガットギターにはよくあった奏法だと自分では思っています。

2.メドレー: スィート・メモリー~少年時代 2007年9月の
第3回練習会で演奏してぼろぼろ・・・ワイフをおおいに落胆させた曲です。大山ウッドデッキでは今回と同じホセ・アントニオを使ってますが、続く10月の
学祭ではヘダウェイを使いました。学祭の出来も良くなかったですね。あのころは、本当に凄くアガッて、まともに指が動かなかった。
アレンジは2年前と同じで、松田聖子「スィート・メモリー」が並木健司(Dキー)、井上陽水「少年時代」が吉田次郎(Aキー)をベースにしていますが、今回は前回以上に手をいれてます。じつは、ここだけの話なんですが、今年のもう一つの目標は「ジャズ」でして、なんとかコードワークとアドリブ・ソロを組み合わせた演奏ができるようになりたい。その出発点として、このジャズバラードに立ち戻った次第です。テンポはルバート、できるだけシンコペーションを効かせて、ドミナント・モーションのソロを工夫する!
6月の練習会ではスタンダードのメドレーに挑戦する予定です。
さて、3曲めの「タンゴ・アン・スカイ」は明日に回すことにして、月太郎さんについても一言。月太郎さんから今回は伴奏のオファーがありませんでした。わたしが
研究科長になって忙しそうだ、と危惧されたようです。大阪在住の同級生が帰省され、お二人で3曲を披露されました。ただ、わたしが「ボルサリーノ」演奏前のMCで「フラマンとバンジョーはもってきていたんですが・・・(ギターは1台だけ)」と告白すると、驚いた顔をされ、3曲の演奏終了後、「今夜、1回練習しましょう!」ということで、練習会の修了間際に、急遽「ブラザー軒」のセッションとあいなりました(↓)。
高田渡3部作の最後の1曲です。いや、メタメタでしたね。3コードの曲なんですが、進行がうまくつかめなかったのと、なによりチューニングができてなくて、なにをやってるのかよく分からなかった。キーがDというのもとまどいました。いつもはCかGで演奏してるので、3コードのポジションがあやふやでした。
次回までにちゃんと練習しておきます! (続)

*いつものことですが、今回の連載には、六弦倶楽部の
サイトから何枚かの写真を転載させていただいています。また、わたしの演奏写真はmakotoさんに撮影していただきました。チョトロク代表、makotoさんに御礼申し上げます。
- 2009/05/01(金) 00:15:20|
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