
東京で働いてる長女が4月23日から29日まで奈良に帰省していた。なんでもGWの前倒し休暇なんだとか。28日夜に新任教員の歓迎会が鳥取で予定されていたのだが、「親馬鹿で長女に会いたいから」と公言して歓迎会には出席せず、六弦倶楽部の翌日(26日)、車で奈良に向かった。姫鳥線が河原までつながって便利になったが、インターチェンジの脇には「道の駅」がある。いまや「道の駅」では、どこでも朝取れ野菜を売るようになっている。河原の「道の駅」はとくに値が安くて新鮮だ。一袋が100円前後で、菜っ葉をかごいっぱい買っても千円ちょい。こごみ、うど、わらび、ふき、葉たまねぎ、クレソン、椎茸などを多めに仕入れ、二袋に分けた。一袋は我が家の分、もう一袋は山菜好きの母のためのお土産である。
長女とは3日間一緒に過ごした。とくに長女が好きということではなく(もちろん嫌いというわけでもない)、3人の姉・妹・弟がそろってじゃれあっている姿をみるのが楽しい。帰宅した夜はみなで
鮨屋に行き、二日目は長女と家内を連れて母(娘の祖母)を訪ねた。亡き父が最も可愛がった孫が長女だった。なにはさておき、仏前にて焼香、合掌。それから、娘と家内と母は楽しげに会話を続けた。わたしは一人外へでた。近くにスポーツショップがあったこと覚えていて、そこまで歩いていったのだが、すでに店はなくなっていた。そこから1キロほど先にあるもう1軒のスポーツショップをめざすことにした。
そのショップは開いていて、おめあてのフットサルシューズも4足おいてあった。しかし、高い。
「こりゃ、ネット通販のほうがはるかに安いですね・・・」
と思わず本音が口から漏れた。店の主人はよい気がしなかっただろう。ネットの通販は小売り店におおきな打撃を与えている。1軒めのショップも、ネット通販によって閉店においこまれたのかもしれない。
結局、フットサルシューズは買わなかった。

翌日、河原の「道の駅」で買いこんできた山菜類を天麩羅にすることになった。天麩羅の具材となるのは、「こごみ」「うどの葉」「葉タマネギ」「椎茸」だけだったので、庭の野草を採取した。「ゆきのしたの葉」と「どくだみの葉」は天麩羅の食材としてよく知られていよう。さらに、冷蔵庫にあった「茗荷」と「舞茸」を加えた。クセのある食材が多いけれども、揚げたてはほんとに美味しい。苦みばしった大人の味が衣の熱に和らげられて、焼酎のアテにうってつけだ。なにより「熱」を保つことが肝心だから、リビングの食卓ではなく、キッチンのサイドテーブルを食卓にして、順番に揚げたての天麩羅を食べていった。揚げる役と食べる役をローテーションしながら、熱々の天麩羅をたいらげたのだ。
29日の夕方、長女は東京に帰っていた。家族一同、高の原のサティまで送り、「ミラノ」というイタ飯屋で最後の晩餐をした。「そろそろ関西に帰ってこいよ」とみなが長女に言う。家内が脳内出血で倒れる直前の2006年秋に、長女は自ら志願して大阪の支社から東京の本社に転勤していった。こんどの9月でまる3年になる。家族はみな帰ってきてほしいと願っているのだが、この不況時に中途採用の就職先をみつけるのは難しい。次の帰省はお盆になるだろう。
- 2009/05/03(日) 00:05:10|
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