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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

『紅楼夢』第1章

 大学院授業の『紅楼夢』(絵本版)翻訳輪読会が始まりました。初回は文法や発音の基礎などを教えながら、翻訳を進めていったので、結局3時間かけて2章の途中までしか進みませんでした。まぁ、仕方ありません。最初はのんびり、じっくり、慎重に進めていくのでよいと思っています。これから読み終えた章はLABLOGにアップしていきます。『紅楼夢』のような長編小説を読破するのはなかなか大変ですが、ここに掲載される翻訳を呼んでいけば、物語の大まかな流れを理解できるはずです。ぜひともご活用ください。
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第1章: 賈宝玉と林黛玉の出会い
p.6-11:岡垣訳

1. 伝承によれば、天上にいます「女媧」という神様が、36501個の5色に彩られた石を練りあげて
   天上世界を補修しようとしたが、1つだけあまった石を使わず、そのまま青挭峰へ投げ捨て
   てしまった。いつのまにか、この石は修練を経て、霊性をもつようになった。

2. その石は、他のすべての石が天を補修することができたのを見て、ただ、自分だけが選ば
   れなかったと、一日中ため息をついて嘆いていた。

3. ある日、石が嘆息していたまさにその時、僧侶と道士の二人連れがやってきた。彼らは、
   石の縁に腰掛け、人間界の栄華と富貴について話し始めた。

4. 石はこれを聞き、自分を人間界に連れて行ってほしいと二人の大師に頼んみ込んだ。
   二人の仙人はその石をただちに美しい玉(ぎょく)に変えて、人間界に投げ入れた。

5. この石は男児に生まれ変わり、京城(北京)にある賈家の大邸宅「栄国府」で生誕した。
   出産のとき口の中に一個の美しい玉をくわえていたので、賈宝玉と名付けられた。
   宝玉は聡明活発で、祖母である賈おばあさん(賈母)の深い愛情を得た。

6. 宝玉の生誕1周年のとき、父親の賈政がいろいろな物品をならべて宝玉に「周」(一周期
   記念の品?)をつかませたが、宝玉はただいくつかの白粉(おしろい)と髪飾りをつかんだ。

7. 賈政はこれを見たあと腹を立て、「将来きっと酒色の輩になるだろう」と言った。
   こういうことがあったので、必ずしも宝玉を十分に可愛がらなかった。

8. 賈母の娘、賈敏は遠く離れた林如海のもとに嫁ぎ、林黛玉という女児を生んだ。
   林如海は黛玉の家庭教師として賈雨村を招聘した。

9. ほどなく賈敏は病で亡くなり、賈母は孫の林黛玉のことが気が気でなく、黛玉が入京
   するための迎えの船を出した。林如海は雨村を黛玉に同行させた。

10. 林黛玉は父親の林如海との別れを惜しんだ。林如海は「おまえが、おじさんの賈政の
    家に住むのなら、私は心配しなくて済む」と言い聞かせた。黛玉は仕方なく涙を流して
    別れた。

11. 林黛玉は「栄国府」に到着し、外祖母(賈母)と面会し跪拝の礼をしようとした瞬間、
    賈母にいきなり抱き寄せられた。賈母は大きな声を出して泣き始めた。

12. 泣き終えたあと、賈母は林黛玉を長男の賈赦の妻である邢夫人、次男の賈政の妻で
    ある王夫人に拝謁するため連れて行き、従兄の妻である後家の李恕l、および迎春、
    探春、惜春の従姉妹の3人は、お辞儀の礼をして互いを認知しあった。

13. このあと、林黛玉の従兄にあたる賈の妻、王夫人の(父方の)姪にあたる王熙鳳が
    部屋に入ってきて、黛玉の手を引きながらものすごく誉め称えた。

14. 食事をしたあと、廟での焼香からもどってきた賈宝玉は、林黛玉とはじめてあったの
    だが、二人とも以前から知り合いのように感じた。

15. 賈宝玉は「きみは、玉を持っているのか?」とたずねたが、黛玉が玉を持っていないこと
    を知ると、宝玉は(首飾りから)玉を外してただちに投げ捨て床に落としてしまった。
    長い時間の後、ようやくなだめられた。

16. その夜、黛玉は用意された「碧紗橱」という寝室で眠った。彼女は宝玉が玉を
    床に落とすという騒動を引き起こしてしまったたので、ひとり心を痛め涙を流した。


 絵本版『紅楼夢』の翻訳シリーズは以下でご覧いただけます。

  『紅楼夢』翻訳 オリエンテーション
  『紅楼夢』翻訳 第1章
  『紅楼夢』翻訳 第2章
  『紅楼夢』翻訳 第3章
  1. 2009/05/13(水) 00:17:11|
  2. 小説|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
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