その後、「
遠くはなれて」の記事をブログアップしたことをクンベーにメールで連絡すると、
『GUITAR SOLILOQUIES』というテープならあるけど・・・
という返信があった。これだ、このテープのトップに大学時代に録音した「火の鳥」が入っている。そう再返信すると、再び音源が2曲ずつ送られてきた。そのメールの冒頭には、以下のメッセージがついていた。
『GUITAR SOLILOQUIES』と題されたテープはあの当時、
イーグルスやドゥービーブラザーズの曲のように明快な
ロックンロールが大好きだった私には、ジャズの要素が
非常に強く、特に「SOLILOQUY1・2・3」は難解な印象があり
「火の鳥のテーマ」が録音されていたことをすっかり忘れて
しまっていた。
たしかにテープを聴いて、驚いた。フリージャズへの指向が顕著な即興演奏を主体としており、しかも、全曲インストルメンタルになっている。全体の構成を以下に示そう。
A面 1.「火の鳥」のための前奏曲
2.マイ・フーリッシュ・ハート
3.ソリロキー1
4.ソリロキー2
5.ソリロキー3
B面 6.哀しみの恋人たち
7.マイジ
8.ソサエティ・アイランド 【1978.04.11.トラックダウン】
このうち、3・4・5はソロギターもしくはソロベースの完全な即興演奏。格好だけデレク・ベイリーの真似をしようとしたものでしょう。8は大学の仲間を集めてやった集団フリー演奏で、みんな山下洋輔が大好きな時代だったから、こうなっちゃったんでしょうね。2はビル・エバンス好きだった証拠。『ワルツ・フォー・デビー』をよく聴いたから。ガット・ギターのソロ演奏だが、6弦のチューニングが狂っている。6はジェフ・ベック『
ブロウ・バイ・ブロウ』のコピー譜を使って、アコギ2本のダビングで処理している。7はラルフ・タウナーを意識したモーダルなオリジナル曲。テーマは設定しているが、途中からドリアン系の即興演奏に移行。まず、ガット・ギターで演奏し、それに12弦ギターの即興演奏を重ねあわせている。
で、肝心の
1.「火の鳥」のための前奏曲 は、高校時代とおなじ6弦&12弦のダビングになっていて、途中に7と同じモーダルな即興演奏のダビングが挿入されている。

「遠く離れて」からわずか1年半しか経っていないのに、よくもまぁこれだけ音楽の指向性が変わるものだと、30年ぶりに自分の音楽を聴いて呆れてしまった。前作の「青さ」とは質の異なる「青さ」が露呈していて、それは「背伸び」に近いものだと感じとれる。1は別格で素晴らしい(自画自賛!)。「火の鳥」は、わたしにとっての「
タンゴ・アン・スカイ」なんだ。そのほかの曲は、残念ながら駄目ですね。6と7は我慢すれば聴けるけれども、他はお話になりまへん。
背伸びして青かった時代ですが、こういう録音をしていたころはまだ人生が楽しかったな・・・大学院に進んでからの20代は滅茶苦茶だった。とても苦しく、いま20代に戻してやると言われても、わたしはヤだ。30代もヤだな。戻してくれるなら、18歳がいい。18歳が人生最大の分岐点だった。あとは、ライク・ア・ローリン・ストーン・・・
ギターだけが救いですね。
- 2009/06/07(日) 00:04:10|
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