
6月11日。梅雨入り宣言があったのに、天候は「もう夏だなー」と思うぐらいの快晴で蒸し暑く、山や海に行きたくなる気分でした。お久しぶりの黒猫です。今回は私から活動報告させていただきます。
さて、本日のプロジェクト研究1&3は、全メンバーが加藤家で活動しました。先週、大学で加工していた木枠(板石土台を支える基礎)が古色塗りまで完成し、一方ではカマド本体の接合方法も決まりまして、プロジェクトもいよいよ佳境を迎えています。今回の報告はクライマックス序章とも言えるものです。まず、最初に庭に面する縁側で全員でミーティングし、あとはそれぞれ各自の分担作業に散っていきました。以下が本日の作業工程です。
Ⅰ.カマド復元班 カマド本体の接合をおこないます。先週の実験に従って、接合剤は「セメント、野焼き粘土、砂の混合物」と「セメント、水の混合剤」の2種類を併用。土台の板石に載せる前に4つぐらいにパート分けをして、それぞれの接合作業をおこなう。
Ⅱ.カマド土台設置班 土台接合のためのモルタル面が白んでみるので、バーナーで焼いて「古色化」する(実際にこれを試みましたが、まったく変色しなかったので実際には省略)。その後、先週完成した木枠を土台の下にはめ込み、台所の板間の隅に設置する(カマド土台を壊さないように気をつけること)。土台を設置し終えたら、土台の上に元々敷かれていた土を撒く。足りなければモルタル用の砂を使う(この工程は、カマド本体を安定させる意味がある)。
Ⅲ.建具実測調査班 先週に引き続き建具の設置、内法・建具の寸法の調査をする。余裕があるようなら、建具を今後どう加工すれば良いのか、補足調査もおこなう。早く終わるようなら、式台の残りの部材について実測する。
Ⅳ.蕎麦について 作業が一段落したら、1年生が調べてきた蕎麦の実を調理方法について発表する。


>
くりかえしになりますが、カマドの修復も佳境に入ってきました。2年生も1年生をサポートするなど、プロジェクト研究としてとても良い雰囲気になっています。今回の作業は3班に分かれておこなう予定でしたが、土台設置班の作業が大変だったため、いつもは写真係の先生まで土台をもったりおろしたりの作業に加わったため、建具班は土台設置班の写真撮影を受けもちました。
新たに発生した問題点 今回木枠を土台の下に嵌め込む作業をしました。設計寸法と施工寸法に結構大きなずれがあり、木枠を土台框の内側に納める作業は難渋をきわめました。それでも、なんとか木枠を納め、予定していた板間の隅にいったん設置したのですが、ここでアクシデントが発生しました。土台があまりにも重く、それを前後左右に動かす際、板間の大引・根太・框などがはずれてしまい、板間が沈みこんでしまったのです。そこで、木枠の納まった土台をいったん土間に下ろしました。このあと、板間の床板にテープをはって番付し、めくっていくと、床下部材の劣化や接合部分の粗雑さがあらわになりました。カマドを板間の上に再設置するためには、板間床下の修復・補強が急務となりましたが、教授が魯班営造学社技術員の2名に修復を命じました。修復にあたっては、できるだけ現状の部材を再利用しますが、接合部分については金具や釘を使わざるをえない、というのが教授や先輩たちの見解です。また、大引や根太を支える床束の数を増やす必要もありそうです。
今後の予定 1)次回までに魯班営造学社技術員の2名と協力し、板間の修復を完了させる。
2)土台を修理した板間の上に再設置する。ただし、今回の設置であきらかになったように、板間の隅に置くのは構造的に不安定であり、痕跡の残る当初位置に設置することにしました。教授によると、おそらくこの石づくりのカマドは石づくりのながしとセットになったもので、明治中期の食堂増設に伴うものであり、その歴史的意味からも当初位置への設置が妥当と判断されるに至りました。
3)土台の上に土を撒く。
4)土台の上で部分接合したパーツを組み立て接合する。
5)復元したカマドで蕎麦もしくは古代米を作って試食する。
6)今までの活動をまとめ、プロ研発表会用のパワーポイントとつくる。
①発表の目次と分担を決める。
②各自のパートのパワーポイントを作成する。
③発表練習を何回か行い、お互いに指摘し合い、内容を練っていく。
7)プロジェクト研究1&3発表!!
以上のうち1)~4を来週おこないます。5)~7)はそれ以降のスケジュールです。(黒猫)
- 2009/06/16(火) 00:04:41|
- リサイクル|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0