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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

第10回「古民家のリサイクル -カマド復元と蕎麦打ち-」(Ⅱ)

01蕎麦挽き03縁での作業03採用


18日のカマド修復活動についての1、2年生の感想文をお届けします。

コーヒーミルの魔力

 ぼくは、初めはカマド復元班として活動しました。カマドの本体は修復接合部分が新しくみえるので、古色塗りをしました。囲炉裏にある木炭で色をつけました。それでこすったあとに軍手で広げて程よい色にしていきました。先輩たちと1年のAくん、Nくんは土台設置班として活動しました。重い土台を気をつけて運び、不安定にならず平行になるように頑張っていました。土台を設置した後に、土台の上にカマドのパーツを置いて行きましたが、組み立ては順調には進みませんでした。これについては、「続き」を読んでください。カマド修復が調整を残すだけになった後、調整班と蕎麦班に分かれることになりました。
 蕎麦の実は、1年半前のP2&P4「歩け、あるけ、アーケオロジー」の際、岩手県の御所野縄文博物館長さんが送ってきてくださったものだそうです。これをどうしたら蕎麦粉にできるのか思案にくれていましたが、先週のぼくの発表でコーヒーミルが有効であることが分かったので、先生がわざわざ奈良の家からミルをもってきてくださいました。持ってきてくれたコーヒーミルを用いて行いました。自分が調べてきたとはいえ、そば粉を作った事なんてあるわけもないので、少し不安でした。今回は実験のつもりでおこなおうとしたのですが、コーヒーミルがすごい威力を発揮し、二袋あった蕎麦の実が短い時間で蕎麦粉と蕎麦殻に分離されてしまいました。

01蕎麦挽き01コーヒーミル01

 先生もこれには驚かれていました。先生は、ミルを使うと蕎麦の粒と殻が一緒に粉砕され、黒っぽい粉ができるだろう、とイメージされていたようです。ところが少量の蕎麦の実をミルで挽いたところ、殻と粉が分離したのです。先生は篩にかけて粉と殻を分離しましたが、殻の中にはさらに実を含むものがあるかもしれないと心配され、さらにもう一度殻をミルにいれて攪拌されました。すると、たしかに、少量ではありますが、粉がミルのなかにたまりました。これを再び篩にかけて殻と粉を分離しました。この実験により、ミルによる一番挽きで70~80%、二番挽きで10~20%の製粉がなされることが判明し、ミル挽きと篩かけは必ず2度おこなうことが決まりました。
 作業前は、あまりうまくいかないのではないか、と不安に思っていたのですが、結果は上々でした。殻が残ったので、この殻も砕いて出雲そばのような黒っぽい蕎麦も作ってみたいです。先生に教えられて初めて知ったんですが、蕎麦粉に加える「つなぎ」によって麺の切れやすさなど、麺に変化を与えることができるということでした。
 01蕎麦挽き02篩01 01蕎麦挽き02篩02 01蕎麦挽き02篩03

 最後に、プロジェクト研究の発表について話合いました。自分が考えてきたことと他の人との意見交換は大事だと改めて思いました。先輩は1・2年生7人分に割り振る目次をちゃんとまとめられていましたが、僕は内容を考えただけで、目次にまとめられず残念でした。先生にプロジェクト研究は自分で問題を見つけ、アイデアを考え、それをもとに先生からアドバイスをもらうものだと言われました。考えることの大切さを改めて感じました。次に、二年生と一緒に次までに用意するものなどを話合いました。ソバは十割、二八、出雲ソバ風、乾麺を作って食べ比べてみる方針にしました。そして、どこの項目を発表するかも話ました。このプロジェクト研究ももう少しで終わってしまうので、最後の発表は過去の先輩と引けをとらないように頑張りたいです。(環境マネージメント学科1年 H.R)


カマド正面


 

02カマド本体03いったん割った


カマド、ついに完成!!

 最近何もしなくても汗がでてしまうような暑い日が続いていますね、これも温暖化のせいなのでしょうか??
 そんなことはさておき、なんと今回の活動でカマドの復元が完成しました。
 木枠をはめこんだ土台を板間床板の上に設置し、その上にカマド本体のパーツを組み上げていきました。先週、板間の枠が外れてしまうというアクシデントがあり、板間の上にのるのも怖かったのですが、月曜日に先輩方が床下を補強したということもあって、みんながのってもビクともしないぐらい丈夫になっていました。土台を6名で持ち上げ、カマドが置かれていたという当初位置に設置しました。しかし、今回も持ち上げたときに土台の石がずれてしまい、浮いている部分を上からたたいて表面を水平にしました。この場合、必ず木材をアテギにして、アテギの上から金槌でこんこんと叩いていきます。叩いては水準器で水平を計り、また叩いては水準器・・・そうして、土台板石の上面がまんべんなく水平に近づいたと判断した後、土台の上に砂を撒きました。砂は、土台板石の裂目に流し込んだモルタルを隠し、なおかつ、土台の上に載るカマド本体パーツの高さ調整に役立つそうです。
 このとき、カマド本体修復班は炭を使用し、本体接合部分のモルタルの古色塗りをしていました。その後、古色塗りしたカマド本体のパーツを土台上で組みたてる作業に移りました。

02カマド本体02モルタル注入01 しかし、実際に組み立てが始まると、土台パーツの接合部が微妙にあわなかったり、カマドの上端が水平にならなかったり、なかなか上手くいきません。その原因を調べてみると、割れた部分をくっつける際に使ったモルタルの部分が厚くなっていることがわかりました。仕方がないので、接合部分を一度割ってモルタルを削り、再度くっつけるという作業をして、なんとか納まるようにしました。微妙な「ずれ」については、下側では砂の厚さを調整し、上側ではアテギをあてて金槌や玄翁(ゲンノウ)で叩きました。こうして調整を繰り返すのですが、どうしても接合部分に隙間ができてしまいます。接合部はあらかじめ水で湿らせ、薄目のモルタルを両側に塗るのですが、それでも隙間ができるです。kの部分については、ナオキ先輩が「ケーキのクリームを塗るようにしたらどうか」と提案され、先生ほかみなが感心しきり。さっそく、ビニール袋に固めのモルタルを詰め、袋の下の隅を小さくカットして、モルタルを隙間に流し込んでいきました。
 仕上げは土撒きです。修復前に土台板石の上面を覆っていた三和土(タタキ)のような土を、カマド本体が載っていない板石の上に敷き、カマドは完成しました。思ったより時間が掛ってしまいましたが、カマドの完成したときの達成感はなんともいえないものがありましたね!

 今度はこのカマドを使って蕎麦を作って食べる予定なのでとても楽しみなんですが、カマドに火を入れると、発生した熱でかまどが壊れてしまわないかが、とても心配です。かまどを使うと周囲が暑くなると思うので、その日が少しでも涼しい日であることを願っています。 (環境政策学科2年 T.N)

02カマド本体01接着面01


02カマド本体05アテギ


  1. 2009/06/24(水) 00:02:45|
  2. 食文化|
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