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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

円仁の風景(Ⅱ)

勧請開山

 19日のゼミでは、黒帯君が中国での円仁の活動、私は日本での円仁の活動について発表しました。私の発表のテーマと構成は以下の通りです。

   慈覚大師円仁 -山陰地域を中心にみるその足跡-

      1.円仁の生涯の略歴
      2.日本での円仁について
      3.山陰での円仁について(分布とそれぞれの寺院について)
      4.年表と関わりのある年との比較
      5.勧請開山について

 慈覚大師円仁は延暦13年(794)に生まれ、貞観6年(864)に71歳で亡くなった天台宗の僧です。大同3年(808)に15歳で比叡山に入山し、最澄の弟子となりました。弘仁13年(822)のときに最澄が亡くなり、翌年から12年間の籠山(ろうざん=山ごもり)を始めました。しかし、多くの僧に要請され、天長5年(828)に籠山を6年で中断し、日本各地での布教に転じたのです。天長10年(833)、病に倒れて比叡山の横川で3年療養し、のちに恢復。その後、承和5年(838)から遣唐使の一団とともに唐に向かい、円仁は9年間を唐で過ごし、承和14年(847)に日本へ帰国しました。翌年、平安の都へ帰り、さまざまな仏教の行事をとりおこないました。仁寿4年(854)61歳のとき、第3代天台座主となりましたが、その10年後の貞観6年(864)、71歳でその生涯を終えました。死後2年経った、貞観8年(866)に「慈覚大師」の諡号を贈られました。

 円仁は東北地方との関わりが深いようで、東北や関東には円仁が開山・再興したと伝える寺院が数多くあります。有名なところでは、東京の瀧泉寺(808年)、山形の立石寺(860年)、宮城の瑞巌寺(828年)などがあります。とくに立石寺には、円仁の遺骸を安置すると伝える入定窟(にゅうじょうくつ)があります。
 一方、山陰で関わりがあると伝承される寺院は、摩尼寺(鳥取市)、三佛寺(三朝町)、大日寺(倉吉市)、転法輪寺(東伯町)、大山寺(大山町)、清水寺(安来市)、鰐淵寺(出雲市)があります。摩尼寺、大日寺、転法輪寺は円仁の開山と伝わり、三佛寺は円仁が堂宇を建てて三仏を安置。大山寺は円仁が入山し、山岳仏教の修験場として栄え、清水寺と鰐淵寺は円仁が立ち寄ったことにより天台宗に帰依しました。

 それぞれの関わりのある年代を円仁の生涯と比べると、

  入唐以前 834年 摩尼寺  834~847年 転法輪寺
  在唐時   841年 大日寺
  帰国後   847年 清水寺  849年 三佛寺
  逝去後   866年 大山寺
            ※鰐淵寺は円仁が関わった年代が不明

 円仁入唐時もしくは逝去後に関わったとされる寺院については、「勧請開山」の可能性がきわめて高いと言えます。実際に開山に係わったのは円仁その人ではなく、円仁の弟子にあたる僧たちだったということです。円仁が比叡山にいた期間に係わったとされる寺院についても「勧請開山」の可能性があるでしょう。上に述べた東日本の瀧泉寺や立石寺、瑞巌寺でも、円仁の弟子たちが開山に携わったという見方があります。この問題については、今後もっと詳しく調べる必要がありそうです。山陰の円仁ゆかりの寺院も、もう少しあるかもしれないので、これから夏に向けて調べていきたいと思います。先生から夏休みの調査計画を練るように命じられています。(部長)




参考文献

佐伯有清 『円仁』吉川弘文館、1989
五木寛之『百寺巡礼 第八巻 山陰、山陽』講談社文庫、2009
http://www10.ocn.ne.jp/~mk123456/
http://ja.wikipedia.org/wiki/
http://www.kaiun-goriyaku.com/


  1. 2009/06/26(金) 00:06:43|
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