『ためしてガッテン』で知ったスロージョギングを奈良で実践し、その効力に驚嘆したわたしではあったが、鳥取でスロージョギングをしたことは一度もない。しかし、スロージョギングのコンセプトは、わたしのサイクリング、すなわちビアンキ走行の方法を大きく変えてしまった。「スロージョギング」が有効ならば、「スローサイクリング」が有効でないはずはないからだ。
『ためしてガッテン』をみるまで、わたしは寺町の下宿から環境大学までの約6キロを25分前後かけて自転車通勤していた。たとえば授業前だと、開始40分前に自転車をスタートさせる。すると、授業開始15分前に大学に着く。ちょうど良い時間と言えばそうだけれども、最後の急傾斜の
環大道路でへとへとになるので、講義開始時でも結構息があがっていた。これを改めた。授業開始の1時間半前に家をでる。それからゆっくりゆっくり自転車を漕ぐ。急傾斜の環大道路でも、シフトを思い切り軽くして、ゆっくりゆっくり上がっていく。こうすると、自転車での通勤時間は45~50分になる。この走行はやはり楽だった。あせらなくてよいし、坂も苦にならない。ジョギングにしても、サイクリングにしても、「苦」になっては意味がない。楽しく快適であるからこそ反復意欲が湧いてくる。反復性のある運動を続けることによって、体重は減り、健康が維持されるはずだ。
ここで話はサッカーにまで拡大する。「スロージョギング」「スローサイクリング」の延長線として「スローサッカー」があってもよいではないか。若い学生たちはガチンコ勝負をしてもらってかまわないが、わたしにとってのサッカーは「スローサッカー」でなければならない。瞬発力ではなく、持久力をベースとするサッカーである。スローサッカーはわたしのポジションとよくあっている。わたしのポジションはリベロだ。ゴール前で敵の攻撃を防ぎながら、ルーズボールをひろって攻撃の基点となり、前線にボールをフィードする。リベロにとって、もっとも重要な能力はその「ポジショニング」である。局面にあわせて適切なポジショニング(位置取り)をしていれば大きな間違いは犯さない。スピードで若者に負けるのは仕方ない。しかし、スピードにまかせた若者たちの攻撃をポジショニングで摘むことはできる。とりわけ、ASALAB駐車場ミニサッカーでは「トラップ・シュート」や「ドリブル・シュート」が禁じられている。シュートは「ワンタッチ」すなわち「ダイレクト」でゴールしたときにしか得点とみとめられない(明日述べるように例外もある)。要するに、いちどトラップした選手はシュートできないわけで、他の選手に必ずパスしなければいけない。これならポジショニングで十分対応できる。
さらに、パス・サッカーに徹することが肝心だ。サッカーにドリブルなど必要ない。少なくとも、わたしのスローサッカー辞書にドリブルという文字はない。ボールは疲れない。しかし、人は疲れる。ドリブルして、相手を抜き去るためにはスピードが必要であり、速筋を使わなきゃならない。そんなサッカーをわたしはしない。パスをつなぎ、適切なポジショニングをしていれば、十分サッカーになる。サッカーになるどころか、世界最高峰のサッカーに近づける。ユーロを制したスペイン代表が証明したように、パス・サッカーこそがサッカーの心髄なんだ。
学生たちは言うまでもなく俊敏でパワーがある。わたしにはそれがない。ただ、スロージョギングとスローサイクリングで蓄えた持久力(とボールタッチ能力)だけが取り柄である。だから、前半にポジショニング中心の守備に重心をおいて運動量を抑えておくと、後半になってわたしの運動量は学生を凌駕し始める。ここで攻撃に転じればよいはずだ。

さて、謎が一つ解けたでしょう。ASALABミニサッカーで
二つのチーム名を「アソックス」「スローソックス」としたことをお知らせしましたが、後者は「スローサッカーのチーム」を意味しているのです。サッカー(soccer)の語源には2説あり、一つは「socks→soccerの転訛」説、いま一つは「association football(蹴球)の association→soccerの転訛」説ですが、ここでは前者をとり、「socks」≒「soccer」としたわけ。
- 2009/07/04(土) 00:00:26|
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