
17日(金)の3・4年&院生ゼミは、前日に続き加藤家でおこないました。加藤家住宅修復の問題点を整理し、公開ワークショップにむけての活動を少しでも進めようとしたからです。まず、ゼミメンバー全員が問題点を共有するため、12日(日)に1期生のOB職人を招いておこなったプレ・ワークショップの録画ビデオ(圧縮版)をみました。1期生のお二人、オカムさんとヤンマーさんはどんな人でどんな技術をみせてくれたのか、ゼミ生と魯班営造学社のメンバー全員が息を呑んで画面に見入っていました。
17日のプレ・ワークショップで決まった今後の活動指針を以下に再録します。
1)まず、柱間すべての建具の納まりを再チェックし、エクセルの一覧表で示す。
とくに打物のサイズについてデータをまとめ、山本さんと岡村さんに送る。
打物は基本的に柱ではなく、建具に貼り付ける。
2)二人はそのサイズにあわせて打物の加工を職場でおこなう。この際の加工は
やや大きめにしておく。
3)一方、襖については県内の業者に表装の見積もりを依頼。高すぎるようなら、
山本経由で岡山の業者に依頼する。日本画や書の部分の切り取りについては、
学生でできないことはない。
4)第2回公開ワークショップ(9月中旬以降)で主任技師の指導を仰いだ上、
岡村・山本が打物の製作・貼り付けを担当する。
5)左官工事の公開ワークショップ(第1回)は8月中に開催し、学生主体で壁塗りをおこなう。
ビデオ鑑賞後、エアポートさんと3年生が1)の作業を開始しました。建具と柱の隙間にできている三角形の寸法を実測する作業です。この場合、3辺すべての寸法を測ります。隙間が直角三角形ならば、縦・横の2辺の計測で済みますが、現実には柱も建具も傾いており、3辺を計測し3平方の定理を用いて隙間三角形を図化する必要があるのです。今回調査した寸法データを一覧表にし、1期生の匠お二人にお送りして、2)打物の制作に移っていただく予定です。
また、3)の襖修理見積もりも同時に進めなければなりません。

屋根土の篩がけ 前日(16日)、加藤家の庭に置かれていた古い壁土を篩にかける作業をしたのですが、17日は庇の桟瓦の下地として使われていた屋根土を篩にかける作業をしました。古い屋根土は明治時代に増築されたという食堂跡地に置かれています。
壁土の調合配分について池田住建さんに詳しくお聞きしたところ、
①まず、古い壁土と砂を8:2の割合で混ぜ合わせる。屋根土は使わなくてもよい。
②その混合土を新しい壁土と少しずつ混ぜ合わせていく。混合土の量は、新しい壁土の粘性が運び込まれたときと同じくらいであれば問題なし。
③1ヶ月以上養生させる。
こうして、ようやく壁土が完成するそうです。

屋根土は前日から雨が降ったせいか、凝固しており、うまく粉状になってくれません。ただ、①②に示したように、屋根土の調合比率は0.2×0.2=0.04(4%)にすぎないので、それにみあう土量だけを篩にかけました。心配しているのは、壁塗りすべき面積と壁土量の関係でして、これについては早急に対応関係を調べなければならないでしょう。
屋根土篩作業を終え、壁土ドーナッツの中心に溜めておいた水がどうなっているのか気になっていたので確認してみると、見事に水がすっからかんになっていました。もちろん再度貯水したのですが、貯水作業を繰り返さないためにも、土練りの方法についてミーティングしました。
ミーティングの結果、22日(水)と24日(金)に集まり、土練り作業ををやり終えてしまおうということになりました。
また、来週以降、土練りをしながら、土台下(↓)空隙部分の石詰め作業もおこなっていく予定です。
- 2009/07/21(火) 00:10:59|
- 建築|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0