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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

2バックシステムについて

 昨日ガードがレポートしたように、ソックスダービー第3戦はピヴォが加わったAソックスが9-3で圧勝した。ピヴォはハーフェイ・ラインの手前から2本の3点シュートを決めるなど7得点の大活躍で、中国フットサル・リーグ現役選手としての底力をみせつけた。今後、ピヴォが定期的に参戦するとなれば(彼は暇ではないだろうが)、Aソックスの優位は動かないなだろう。それほど衝撃的なデビューだった。
 試合後、おもしろい問答があったので、まずは紹介しておきたい。ガードが「3点シュートを2点にしてください。決められると、やる気がなくなります」と懇願してきたのだ。わたしは南海飯店でこう答えた。

  「あれは麻雀における跳萬のようなものだよ。残り5分しかない。ここで2-4で負けて
   いたとする。常識的に2点差を覆すのは不可能に近い。しかし、敵に攻めさせてカウンター
   から3点シュートを決めたら5-4の大逆転になるわけだろう。言ってみれば、麻雀の
   大ラスで跳萬をあがり、大逆転してトップをとるようなものさ。これがなければ、劇的な
   逆転勝利はなくなってしまうよ。」

と答えて、「なにか異論がある者は?」と全員に問うたが、とくに反論なし。

 さて、やはりガードが報告していたけれども、Aソックスの勝因はピヴォの大活躍に加えて、2バックシステムを徹底したことだとわたしは思っている。
 ここで駐車場ミニサッカーにおける「ゴール」の規則を再確認しておきたい。まずマーカーコーンの設置によって表現されるゴールの長さは約1.5メートル。シュートは1タッチ(ダイレクト)に限り、高さ30㎝以下のグラウンダー・シュートのみゴールと認められる。要するに、1.5×0.3メートルの範囲にダイレクトでボールを蹴りこむ必要があるのだ。守備側からみれば、この範囲にボールが入らないようにすればよいわけで、ときにわたしがゴール前に横たわるのも、その防御策のひとつにほかならない。
 ソックスダービー第2戦、3人対4人の数的不利のなかでの敗因(5-7)を分析した結果、2バックシステムの有効性を痛感した。ここにいう2バックシステムとは、5人のメンバーをただオフェンス3人、ディフェンス2人に振り分けることをさしていない。長さ1.5メートルのゴール前に二人のディフェンスが立つことを意味している。第2戦においては、いつものようにAソックスはわたし一人がゴール前を死守し、他の二人を攻撃専従にしたのだが、Sソックスはゴール前にエアポートとタクオの2バックがいて攻め崩せなかった。ゴール前に二人のディフェンスが並列することは「一人が横たわる」デイフェンス以上に効果がある。敵のシュートが自軍のゴールを割る確率はきわめて低いばかりか、こぼれたルーズボールを前線にフィードし、一瞬にして危険きわまりないカウンターを生じさせるからだ。しかも、二人のバックのうち1名が攻撃参加したとしても、まだゴール前には1名のバックが残っている。第2戦でわたしは攻撃陣のふがいなさに痺れを切らし、何度か攻撃参加を試みた。しかし、その攻撃参加がカウンターを招き、がらがらのゴールにシュートを許してしまったのである。

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 結果として言えることは、ゴール前1バックの場合、点をとられ易いが、2バックにしておけば点をとられ難い、ということである。圧勝した第3戦、Aソックスの2バックは、自軍が攻撃に移った場合、攻撃陣に近い2バックのうちの1名が攻撃に参加することと決めていた。ただし、攻撃が終わった瞬間、攻撃参加した1名のバックはダッシュでゴール前に戻り、2バックの防御柵を形成しなければならない。この守備はやや古典的である。本当は1バックにして、バックが攻撃参加したときは中盤の選手がゴール前に戻るというローテーション・フットボールを実践してみたいのだが、今のメンバーでは無理だろう。原則2バックで、攻撃陣に近いほうが攻撃に参加し、攻撃終了後ダッシュでゴール前に戻るというのがソックス・ダービーにふさわしい戦術であり、この戦術のおかげで第3戦、わたしは何度も攻撃に参加できた。「先生は守備しかしてませんから」というガードの辛辣な批評もこの日は口から漏れなかった。
 さて、Sソックスだが、第2戦ではみごとな2バックでゴールに蓋をしていたのに、第3戦はコートを少しひろくとったからだろうか、ポジショニングの分担が不明瞭であり、ゴール前には1名のバックしかいなかった。これがピヴォに3点シュートを2度も決められた最大の要因である。2バックシステムを堅持していたならば、こんなことにはならなかっただろう。

 それにしても、ピヴォは上手かった。ピヴォの技術の特徴は、ボールがへこむほど上から踏みつけ、敵のディフェンスがボールを奪いに来るや、待ってましたとばかりにボールを体に引き寄せ、左肩を前にだして敵をブロックしながらドリブルで前進するところ。
 わたしは人が良いので、Sソックスの面々にピヴォ対策を伝授した。

  1)ああいうスキルの高い選手に対してボールを奪いに行くのは無謀だ。
    2~3名の選手でやや距離をおきつつ「壁」をつくり、前に進ませないように
    することが肝心で、ピヴォが他の選手に横パスを出すようにする。
  2)スキルの高い選手のフェイントと言っても、結局、ボールはあまり動いていない。
    体の重心を移動させたり、足をさかんに動かしているが、ボールだけを注視
    していれば、そうそうフェイントにひっかかることはない。

 というわけで、以上の親切なアドバイスがSソックスを蘇らせるかどうか、次回が楽しみだ。

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【追記】 現在、オフサイド・ルールは採用していないが、数的不利が生じた場合、人数の多いチームのみオフサイド制度を適用することを考えている。人数が多いチームのゴール前での「待ち伏せ」を防ぐためである。あるいは、人数の多寡に拘わらず両チームにオフサイドを適用してもよい。この場合、GKは不在だが「いる」と仮定し、ボールの受け手にパスをだす瞬間、受け手とゴールのあいだに少なくとも1名のディフェンダーが存在しなければオフサイドとなって、ディフェンス側に(間接)フリーキックが与えられる。

  1. 2009/07/23(木) 00:07:15|
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