ガンマナイフは、1968年、スウェーデンのカロリンスカ大学脳神経外科に勤めるレクレル教授によって開発された。201個に及ぶ放射線のビームを病巣部のみに集中照射する治療法である。ガンマナイフから発射された放射線は、頭皮、骨、脳、血管、神経を突き抜けるが、それらに障害をもたらすことはほとんどなく、照射をうけた病巣のみが徐々に凝固し、壊死する。ガンマナイフ治療が最も効果を発揮する適応症は、脳腫瘍と脳動静脈奇形である。
脳動静脈奇形とは、一部の人間がもって生まれた脳の内部の奇形である。細い動脈と静脈が絡み合って糸蒟蒻のような物体が脳の内部に形成されている。直径は3㎝前後。この血管奇形は、ときに脳内出血をひきおこし、また血管の膨張が神経を圧迫して、身体の一部に麻痺をもたらす。吹田の国立循環器病センターは、脳動静脈奇形の治療では日本有数の病院で、今日はここで半日過ごした。同僚の十倉教授が長年勤務された日本建築総合試験所が隣にあった。とても、天気がよく、病室からみる山並みが美しい。
もちろん、心配ご無用! わたしが脳動静脈奇形なのではなありません。ガンマナイフの放射治療は、わずか1~2時間の簡単な手術で、副作用などのリスクをともなわないわけではないが、ここは名医の腕を信じるほかなかろう。今日はこれぐらいで。
- 2005/10/24(月) 23:50:32|
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