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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

公開ワークショップにむけて(Ⅶ)

01左官01道具014点


 まず、最新のニュースから。二人のOBが公開ワークショップに参加します。これまで、そういう「噂」はあったのですが、本日、正式に二人から連絡が入りました。一人はホカノくん(現日本住宅**組合)、もう一人は山田講師(現京都大学)です。ワークショップはさておき、二人の顔がみたいという方はぜひ加藤家住宅まで足をお運びください。
 ・・・リンリンリン、あらら・・・今また電話のベルが・・・そうかいな、京田辺の岡村(数寄屋大工)も来るそうです・・・「弥生町の夢」もう一度!!

左官工程のためのミーティング

 8月22日(土)、盆休みもあけて、いよいよワークショップにむけて本格的な準備が動きだしました。
 午前中はロフトにあがる階段の修景作業をピヴォさんとしました。簾を購入し単館の外側に取り付けるのです。簾は220cm×88cm。これを縦に2つ繋ぎ合わせ、長さ440cmの簾にして3枚並びで上から吊しました。
 午後から、池田住研の社長さん、左官のSさん、建築家のKさんがいずれも倉吉から足を運んでくださいました。ここでいきなり教授からお目玉を・・・当然、まずはワークショップ当日の流れ(時間配分)を話し合うべきだったのですが、「次第」を書き込んだポスターを大学におき忘れてしまったのです。すぐさま私のミスをカバーしてくれたのがエアポートさんでした。エアポートさんは愛車(バイク)で大学までポスターを取りに行ってくださったのです。エアポートさん申し訳ありません。ポスターが届くまでのあいだに荒壁塗りについてお話を伺う事になりました。

 はじめに、私たちが練り上げ発酵させた「土」が使えるのかお聞きしました。「使えない」と言われたらどうしようと不安でしたが、Sさんは「大丈夫です。十分使えます」と言って下さいました。この発言で私は少し安心。しかし、「でも、土の量が少ないかもしれない」と追加のひと言に私はドキり。私は、土練りの段階で、荒壁塗りする面積をみて土量は十分足りると考えていたのですが、Sさんによりますと、土壁は外側より内側を厚く塗らないといけないそうで、本当はもう少し量を増やさないといけなかったのです。これについては、池田住研の社長さんから「まだ旧土壁の解体土が残っているので、その土を足せばいい」というご指示をいただきました。私はまたしてもホッと胸を撫で下ろしました。

02視察状況02小舞壁01

 二番目に荒壁塗りの手順について話し合いました。まず、壁土が接する柱のマスキングをする必要があります。マスキングテープとポリマーカーを用いて柱を保護するのです。もちろん土間にもブルーシートを敷かなくてはいけません。以上の準備は、もちろん公開ワークショップ開催の前までに済ませておかなければなりません。
 三番目は道具です。これについては、Sさんがお手持ちの道具を実際にみせてくださいました。鏝(コテ)は思っていたより多くの種類があり、どういったものが適当なのかを詳しく教えてくださいました。ほとんどの材料はホームセンターで揃えることができることがわかりましたが、練土を盛る木製の台については、ピヴォさんのおじいさんに製作を依頼することになりました。
 四番目は「貫伏せ(ヌキブセ)」に必要な藁束の問題です。「貫伏せ」とは、土壁を塗る位置にある貫とその上下部分に荒壁施工後に貼り付ける藁のことです。あるいはその作業をさすと言ってもよいでしょう。貫の上面は土の塗厚が小さいため、後々ひび割れが生じやすいため、藁を被せて土でとめておくのです。「貫伏せ」の材料としては、藁以外に麻布や棕櫚(シュロ)なども使うそうで、地域によってまちまちです。「貫伏せの藁」は一握りの藁束の先端10cmを切り落とし、次に切った部分を持ち、長さ30cmに切り揃えます。それでも長さがまちまちの場合があるので、切り終えた後、叩いたり、振ったりして、長さが30cmのものだけになるようにします。これで一つの「貫伏せの藁」が完成します。これをワークショップまでにとりあえず10~15個作っておかなければなりません。「貫伏せの藁」を丁寧に作っておくことで作業がしやすくなるとのことなので、頑張って用意したいと思います。

01左官01道具03台の表

 五番目は荒壁塗りの現場確認です。荒壁塗りをする箇所は主屋の北側(妻壁内側)だけでなく、南側(ナンドと廊下の境の間仕切り壁)にもあります。南側は廊下の床が不安定で危険なので、左官職人さんに任せることになりました。現場をみてまわっている間、教授は荒壁のままでいいのか、中塗りまでしなくてもいいのか心配されていました。これについては、まず経費節約の問題があり、さらに因幡地方では荒壁仕上げの民家・土蔵が少ないこと、加藤家住宅においても荒壁仕上げでとめている部分があることなどから、今年度は荒壁までとすることになりました。
 六番目の問題は「隙間」です。2006年におもに外側の荒壁塗りを終え、内側を放置した状態だったのですが、木の部材と壁土のあいだに隙間ができているのです。この隙間を埋めていく作業は素人では難しいので、やはり左官職人さんにお任せすることになりました。ワークショップ当日、Sさんみずから実演してくださるそうです。乞御期待!

01左官01道具02台の裏






 ここまで話し合いが進んだところで、ポスターが届きました。その次第をみながら時間配分を決めました。当日は午前9時集合。午前中は、おもにSさんから学生に左官のテクニックを教授していただきます。公開ワークショップに、どれだけの市民が来場されるのか分かりませんが、接待係の学生が左官技術をまったく知らないのは困ったことですから、とりあえず一通りの基礎技術をお教えいただくわけです(もちろんすぐに習得できるわけではありませんが)。
 公開ワークショップでは、来場者を3人1グループに分けることになりました。3人一組のローテーションで土練り、泥だんご作り、壁塗りを20分ずつやっていただこうというわけです。短い時間ではありますが、これで左官仕事の全工程の概要が理解できると思います。
 すでに、会場での役割分担も決まりました。このブログがアップされるころには会場を大掃除していると思います。

02視察状況01軒01


今後の修復について
 ミーティング後、他の修理箇所についても視察しながら、今後の対処を検討しました。以下、箇条書きで記録しておきます。

 1)建具の表装については、裏込めの古文書等史料の保存を重視するならば、学生が表面の画・書を切り抜くべきではなく、すべてを表具屋さんに委託するほうが良いだろうとのことで、鳥取市内の業者さんを2軒紹介していただきました。
 2)奥座敷とナカノマの境で、鴨居が中ダレしている部分については、天井裏からターンバックルでつり上げる方法が有効ではないか、とのこと。天井裏にはロフトから入れるようになっています。
 3)主屋外側の床束で傷んでいるものについては、柱兼用(通柱)のものは添束を新設、単純は床束は差し替えという方針を定めました。
 4)竹樋については、樋を支える金具を半円形ではなく、大きめの箱形のものとしないと竹が納まらないだろう、とのことです。主屋の全体に竹樋をまわすのは大変なので、まずはツノヤ(便所・風呂)の入隅部分で実験的に製作し、それを少しずつひろげていくことになりました。
 
 池田住研の社長さん、Sさん、Kさんお忙しいなか、公開ワークショップの準備のために加藤家まで足をお運びいただき、本当にありがとうございました。(ガード)

  1. 2009/08/25(火) 15:01:13|
  2. 建築|
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