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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

伯耆巡礼(Ⅱ)

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円仁の風景(Ⅹ) -蒼天に描くスカイライン

 伯耆巡礼1日目に訪問した密教寺院について黒帯くんが語ってくれましたので、わたしは山岳信仰に係わる山嶺の景観についてお話しします。メインの大山については、今日は裾野からみた外観のみを対象とします。肝心の大山登山については、部長さんがレポートしてくれますので、お楽しみに。

 鳥取を出発する8時半ころ、ポツポツと雨が降り始め、先行きを不安視させましたが、倉吉に入るころに雨はやんで、ほっと一息。集合場所の円形校舎から離れ、まもなく田園が広がる道ばたで大きく視界が開け、大山とそれに連なる山嶺の全体像が一望できました。
 下の2枚の写真の左端に見える山々が蒜山山脈(上蒜山、中蒜山、下蒜山)、蒜山から右に向けて一気に低くなり突出している山が烏ヶ山(からすがせん)で。その右隣に大山(だいせん)、甲ヶ山(かぶとがせん)が連なっています。大日寺と転法輪寺はこの麓に境内を構えています。
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【↑蒜山山脈 左側から上蒜山、中蒜山、下蒜山】【↑大山山脈 左側から烏ヶ山、弥山、甲ヶ山】

 山道を走り続けて広瀬廃寺、大日寺、転法輪寺を駆け足でまわり、ちょうど、お昼の時間となり、船上山手前の「三本杉」でお昼を頂きました。この頃には空も快晴、夏の気候を感じながら昼ご飯をいただきました。こんな景観の良いところでのお昼は格別で、皆リフレッシュできましたね。

10船上山ダム01
【↑船上山】

 お昼をすませて、赤碕の船上山がいちばん綺麗に観賞できるダムまで移動しました。ここでも皆から歓声が湧き上がりました。船上山は「屏風雨岩」とも呼ばれ、数キロにも及ぶ断崖絶壁が雄大さを放っています。鎌倉時代末期、隠岐を脱出した御醍醐天皇を、地元の豪族、名和長年が船上山頂に陣を敷いてかくまい、幕府軍を打ち破って、後の「建武の新政」の起点となった場所です。船上山の山並みにみな酔いしれ、教授も「鳥取とは思えないね」と仰っていました。まさにその通りで、ボク自身、20年近く鳥取に住んでいて、このような素晴らしい景観があること自体知らず、首都圏にはない古代の景観が息衝いていることにただただ感動しました。

10船上山の滝
【↑船上山の滝】



11車からの眺望

 天気が最高だったので、大山の北壁を観賞したくなり、大山山麓のお土産屋で北壁を眺めながらソフトクリームをいただきました。北壁の荒々しい山肌が大山の雄大さを物語っています。「山こそが神」という信仰は世界中にありますが、大山の北壁をみていると、同じ想いにかられます。鳥取の絵画展に足を運ぶと大山を描いている作品をよく目にします。偉大な大山に多くの人が心を奪われていることが良く分かります。私も絵画を多少嗜むのですが、すっかり北壁に酔いしれてしまいました。
 さて、いよいよ次の日は大山登山です。どのような素晴らしい景観や植物があるの楽しみです。

 伯耆に来ても、めったに大山の全容を望むことはできないそうです。しかし、この日の天気は最高で、大山の裏表のスカイライン、そして山麓から望む海岸や伯耆の景観の変化を観賞できました。翌日の登山を前にして、これ以上の成果はないと思いす。

 それにしても・・・、長昌寺のご住職の「大山四季折々のフォトコレクション」には驚嘆しました。どの写真も素晴らしく、大山の雄大さや神聖さが伝わってくる写真でした。ご住職のような素晴らしい写真が撮れるようにボク達も修行せねばなりませんね。【アシガル】

12車からの眺望


  1. 2009/08/28(金) 13:13:24|
  2. 景観|
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