五節句を楽しむ会 -民家の活用
河本家に到着した朝、門前の看板がいきなり目に入った。そこには「五節句を楽しむ(七夕の会)」と書いてある。節句ごとに河本家では催しを開催しており、ちょうどその一つの節句、七夕にあたってしまったらしい。なぜ、8月の終わりに七夕とはこれ如何に。旧暦の七夕はおよそ一月遅れなんですね。
実測や写真撮影に熱中していると、奥様が来られ、「人数が思ったより少ないからあなたたちも参加しときなよ。お昼もご馳走するから」と言われ、タクオさんと2人ホイホイと会場(母屋)のほうへ。本当は調査に専念するべきなのでしょうが、「民家の活用」を学ぶのもまた大切でして、ありがたく参加させていただくことにしました。
参加者は15名程度。後半にはテレビ局まで取材にやってきました。山陰歴史館の職員の方が七夕の意味や由来などを解説され、住民の方から地域独特の七夕の風習がないかなど質問がありました。最後のほうには、ドレスアップした女性がきれいな歌声で「たなばたさま」と「赤とんぼ」を歌われ、『たなばたさま』はみんなで合唱しました。その後、お昼をご馳走になり、食後には抹茶までいただきました。ありがとうございます。
今回、予想外の参加でしたが、初めて来たという若い女性からは「機会があればまた参加したい」とうれしい感想が聞けました。交流・情報交換の場としての民家の活用の一端を学べてよかったと思います。
河本家分家について
最後にタクオさんが調査した河本家分家について、簡単ではありますが、レポートしておきます。
この分家は現在、空き家になっており、隣家がこれを管理されているそうです。このままでは、解体することになってしまいそうなので、何とか保存できないか、活用できないかという危惧があり、わたしたちに調査を依頼されたそうです。
分家は旧街道を挟んだ本家の向かいにあり、棟を道路に平行にして町屋のようなたたずまいをみせています。享保2年(1801)に分家したという記録があるようで、所蔵の古文書には商工業者としての階層が伺える記載もあるようです。茅葺屋根を瓦葺に替えたのはだった40年ほど前。築200年とのこと。

これまで民家の調査はほぼ加藤家に限られていましたが、河本家と周辺の民家に触れ、大きく視野がひろがりました。卒業研究にむけての貴重なマイルストーンになったと思います。
お世話になった皆様に感謝申し上げます。
- 2009/09/04(金) 13:38:02|
- 建築|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0