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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

ワークショップのあとに(Ⅰ)

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左官工程完了

 9月に入り、夏の暑さも和らいで秋の香りが少しずつ強くなってきました。
 食べ物のおいしい季節到来です!

 9月7日(月)。朝8時半に加藤家住宅に集合。第1回公開ワークショップの左官工程で塗り残した部分の荒壁塗りに取り組んだ。ワークショップ参加者が協働して塗りあげた荒壁はすでに固まっており、それを見た左官のSさんは「カビが生えることなくきれいに固まっている」と驚かれていました。夏の暑い時期に荒壁を塗るとカビが生えやすいという問題があったのですが、「この家は天井も高く、扇風機を回していたことで無事に成功したのだろう」とおっしゃられていました。
 今回は妻側内壁の残りと風呂、勝手口、西側廊下、アイノマ、ナンドなどの小舞壁を新たに塗ったほか、ひび割れ・隙間・剥落などの破損部分の修復もおこないました。今回、左官工事はSさんたちプロ2名に任せ、我われ学生、魯班営造学社2名はサポートにあたった。職人さんと学生(及びOB)の役割分担は、3年前の修復工事の時のようでもある。

P1040678.jpg 公開ワークショップの時と同じように準備を済ませ、いよいよ左官工程が始まった。ピヴォさんはSさんに付き、本格的な左官の修業モードに。脚立にのった塗師の鏝板に荒土をヤリでスッと渡すという作業(↑↑いちばん上の写真)。これがなかなか難しいようで、土がうまく離れなくて初めは悪戦苦闘していた。Sさんのアドバイスを一つひとつ真剣に聞き、小1時間たったころには、かなり早くできるようになっていた。この技を習得すると、高いところに土をパスできるようにもなるというのだから、職人さんの技はすごいものだとただただ感心するしかありません。
 一方、屋外では、荒土運びと藁を叩く作業が淡々と進んでいた。藁を叩いておくと貫伏せの作業効率が増すと教えられた。左官作業はものすごいスピードで進んでいき、1時間たったころには、東側妻壁を塗り終えていた。

 新鮮だったのは10時の休憩。ただ休憩を取るわけではなく、作業状況や次の作業について話し合うミーティングを兼ねていた。学生だけで作業する場合、こういった時間のとり方は今まであまりしなかったので、今後1日中作業するときは参考にしようと思いました。

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 午後3時までに残りの小舞壁もすべて塗りおえた。マスキングテープとポリマスカーを取り外し、柳刃鏝で捲れてしまった荒壁をおさえなおし、刷毛(ちりぼうき)で柱と壁の境をまっすぐにしていく。この工程は職人さんの腕の見せどころであり、水を切るときの音で職人の腕がわかるということ。「コツは刷毛をよく洗って、水をしっかり切ることだ」といわれ実際にやってみましたが、私では水が巧く切れません。時間もかかります。職人さんはトントンという甲高い音を立てて2回水を切り、スーっと柱をなでていく。この音とリズムが大切なようです。
 以上、荒壁塗り工程が7日でひとます完了し、一つの課題を終えたことにほっと安堵した。
 今後、中塗り作業をおこなうかどうかは、時間と経費の状況をみて判断することになりそうです。

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奥座敷 鴨居の吊り上げ

 1期生とのプレ・ワークショップでいちばんの課題になっていた奥座敷鴨居の中垂れについては、第1回公開ワークショップ終了後、池田社長と1期生のオカムさん(数寄屋大工)が直接話しあいをされ、小壁の中間にたつ束を天井裏から吊り上げることで全員が合意しました。
 7日は池田住建の大工さん2名ががロフトから天井裏に入り、まず構造を確認しました。予想どおり小壁中央の束は天井裏に貫き出ており(↑)、束の先端に短い貫を通して箱状の構造を造り、上側の貫を小屋梁の上にのせていました。この箱状構造物の全体が垂れ下がっていたです。そこで、小屋梁と箱状構造物上側の貫のあいだに楔を打って全体をかさ上げすることになりました。敷居の上にジャッキをおいて小壁全体をもち上げ、梁と貫の間に楔を挟みこんでいったのです。この楔で効果があるのかどうかやや不安でしたが、ジャッキを緩めても、小壁は下がってきません。これで鴨居が水平になり、これまで納まらなかった中央2枚の襖がすっぽり納まるようにはなったのです(↓)。しかし、その一方で、外側の襖の納まりは緩くなってしまいました。これについては、襖の上桟に打物をする必要があるかもしれません。
 今後は、オカムさんから依頼された建具の幅の寸法を測るとともに、この位置の建具の寸法すべてを計りなおす必要がでてきました。

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 刻一刻と変化していく加藤家を見て、修復の魔力に驚くばかりです。ちょっとした介入で、こんなに和の空間は変わってしまうものなのですね。卒業まで残りの課題を遂行していくとともに、鳥取の古民家の魅力をブログ上でアピールし続けていきたいと思います。(黒猫)


  1. 2009/09/11(金) 00:06:52|
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