これまで科学研究費で3年間(2007-09)、鳥取県環境学術研究費助成研究費で2年間(2008-09)、国内外の「文化的景観」に関する調査研究を進めて参りましたが、その集大成ともいうべき国際シンポジウムを下記の趣旨・日程・会場で開催する運びとなりました。国内の研究者だけでなく、中国建築史研究の第一人者、楊鴻先生を北京からお迎えします。
今回は予報の1回めということで、取り急ぎシンポジウムの概要を以下にまとめてみました。
---
シンポジウム
大山・隠岐・三徳山 -山岳信仰と文化的景観 趣旨: 鳥取県は三徳山に焦点を絞って世界遺産暫定リスト入りの活動を進めてきましたが、少し視野をひろげて山陰の密教寺院に潜む仏教以前の信仰や建築遺産、慈覚大師円仁の足跡、大山隠岐国立公園の自然と眺望景観などを包括的にとらえながら、その「文化的景観」の保全について考える国際シンポジウムを開催します。大山寺(伯耆)・三仏寺(伯耆)・不動院岩屋堂(因幡)・鰐淵寺(出雲)・清水寺(出雲)・焼火神社(隠岐)など山陰各地の密教系寺院の歴史と遺産について考察を加えながら、世界遺産の類例として国内は「紀伊山地の霊場と参詣道」「比叡山(古都京都の文化財)」「石見銀山」等、国外は世界遺産登録されたばかりの「五台山」(中国山西省)、世界自然遺産から複合遺産への脱皮をめざす「ハロン湾」(ベトナム)をとりあげ、遺産と景観の価値を相対的に検討します。
日時: 2010年2月27日(土)10:00~17:00
会場: 倉吉未来中心セミナールーム3(195席/予定)
〒682-0816 鳥取県倉吉市駄経寺町212-5 倉吉パークスクエア内
http://www.miraichushin.jp/
次第:
開会挨拶 趣旨説明 10:00~
第Ⅰ部 山陰の山岳信仰と建築遺産 10:10~ 司会:浅川 滋男
1.伯耆の山岳信仰 10:10~ 倉吉市教育委員会文化課長
眞田 廣幸
2.円仁の生涯と布教 10:45~ 天台宗典編纂所編輯長・長昌寺住職
野本 覚成
3.岩窟/絶壁型仏堂の分布と源流 11:20~ 鳥取環境大学浅川研究室
今城・大給
昼食 11:55~
第Ⅱ部 密教諸山と文化的景観 13:00~ 司会:中原 斉
4.中国五台山の仏教建築と文化的景観 13:00~ 中国社会科学院考古研究所教授・
中国建築史学会理事長・ユネスコ顧問
楊 鴻
5.世界遺産をめぐる現状と課題 14:00~
-「紀伊山地の霊場と参詣道」「石見銀山」「平泉」などの事例から-
奈良文化財研究所遺跡整備室長
平澤 毅
6.複合遺産としての大山・隠岐・三徳山 14:35~
-世界自然遺産ハロン湾との対比を含めて-
鳥取環境大学建築・環境デザイン学科教授
浅川 滋男
休憩 15:10~
討論・質疑 15:30~
閉会 17:00
懇親会 18:00~
*シンポジウムに関する質問等は事務局までお問い合わせください。
事務局: 鳥取環境大学 建築・環境デザイン学科 浅川研究室
(担当:今城・岡垣・大給)
- 2009/09/20(日) 00:40:27|
- 講演・研究会|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0