新しい襖によって生まれた寸法の誤差 10月6日(火)。前日、K表具店から搬入された修復・新調の襖9枚を研究室のメンバー全員にお披露目しました。みな驚愕のひと言です。ピヴォさんのアイディアで表装の紙をベージュ色にしたため、襖に貼ってある書画の汚れがそれほど気になりません。ところで、新しい襖が入ったということは、建具の納まりが以前と変わりました。座敷の4枚襖は上框に打物をされましたし、仏間の3舞襖は上下の框を削ったりされたからです。このため、大急ぎで寸法の変更箇所を実測しました。京都のオカムさん、倉敷の山本さんに変更点を示すデータを送らなければならないのです。
納まりが変わった箇所の襖と柱の空き寸法は以下のとおりです。番号は下の平面図と対応しています。
(13番)幅17mm、高さ1752mm、柱1755mm
(14番)幅30mm、高さ1750mm、柱1747mm
(16番)幅13mm、高さ1743mm、柱1750mm

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風庵の建具に関する検討 次に「風庵ギャラリー」で撮影した板戸と障子の写真を全員に見てもらい、購入するか話し合いました(今回探した板戸と障子の位置は上の平面図に色づけで示しています)。その結果、土間・イロリ間境の板戸1枚(緑で印した箇所)は、寸法・デザインとも申し分ない物だったので購入する事に決定しました。台所・板境の板戸2枚(青で印した箇所)とイロリ間・板間境の障子4枚(赤で印した箇所)は加藤家住宅内に収蔵されている他の建具で代用できないか、候補を探すことになりました。障子は高さの調整は必要ですが、なんとか納まりそうなものをみつける事ができました。板戸は風庵でみつけた板戸と同じぐらいの高さの物を見つける事は出来ましたが、風庵の板戸と同様、やや背が高すぎるので今度のワークショップでプロの方にアドバイスをいただこうと思います。以上から、風庵で購入する建具は土間境の1枚(緑色)のみとなりました。
今後の方針 一方、ミーティングでは、第2回公開ワークショップにむけてスケジュールを煮詰めていきました。以下、要点を箇条書きにします。
1.今日決まった事や変更があった箇所、建具の状態についてオカムさんとヤンマーさんに早急に連絡する。以後もこまめに連絡をとり、ワークショップ当日に混乱がおきないよう努める。
2.風庵で板戸1枚のみ購入。
3.13日(火)午後3時から、倉吉の委員とともに最終の打ち合わせをおこなう。
4.襖と障子の張り変えの練習と会場設営。
5.当日、4年生は襖の張替え、3年生と部長さんは「芋煮鍋」など昼ご飯の障子の張替えを担当。
さて、問題は駐車場です。前回イベントの真っ最中に区長さんがやってきて、「倭文西交流館 しずおりの郷」の駐車場を利用していることに苦情を示されるというトラブルが発生したので、今回は教授が区長さんほか集落の役付きの方と話をしてこられました。その結果、第2回ワークショップでは、
江山小学校近くの「鳥取市立大和地区公民館および体育館の駐車場」を利用することになりました。「倭文西交流館 しずおりの郷」には絶対駐車しないようお願いします。

エクササイズ1-襖の表装替え ミーティングと建具納まりの調査が終わったところで、襖の表装変えの練習をすることになりました。この時わたしたちは、先週K表具店で表装変えの実演を見せていただいたので、簡単に出来るだろうと思っていました。しかし、すぐにそんな甘い考えが吹き飛ぶことに・・・・
まずタクオさんに寄付してもらった襖を出してきて、襖の縁(框)を外すことからはじめました。K表具店の方は「
ふちおこし」を使ってすいすい外していきましたが、実際にやってみると、なかなか外れません。轟君はかなり苦労していました
次に取っ手金具を外そうとしたのですが、またしても苦戦をしいられました。TO.YOさんと武内君が協力して頑張るのですが、外れない。作業をはじめて30分、ようやく縁と片面の取っ手を外すことに成功。すぐさま残りの面の取っ手外しに取り掛かります。しかし、ここでもやはり苦戦。開始後40分でようやく縁と取っ手の外しが完了(↓)。
最後に、汚れた表装をはがします。下地に穴が開かないようにゆっくりとはがしていきます。表装をめくると、下から昭和の新聞や会計文書が何枚か出てきました。それをみて全員が「面白いなー」と盛り上がりました。第2回ワークショップでも盛り上がるかも、と期待がもてました。そして、開始から1時間後、ようやく全て取り外すことに成功。
さて、これから、新しい表装だ!っというところで、本日はハーフタイム。後半の楽しみは来週に残しておくことにしました。(ガード)
- 2009/10/10(土) 00:09:35|
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