帰ってきた襖 10月5日(月)。朝方、携帯が鳴った。携帯を開くと、表具店からだった。
前日の話し合いでは、襖の表装の張替えが月曜日に間に合うか分からないので、6日の火曜日に届けたいとのことだったのだが、「表装の張替えも終わったので、天気のいい今日届けたい」との電話であった。
午後2時から加藤家で搬入開始。依頼した9枚の襖はすべて新しい表装に張り替えられ、その上に書や画も張られ、見違えるほどに綺麗になっていた。先週、表具店でみた襖には画が張られていなかったので、こうして完成した姿をみると、プロに任せて正解だったとつくづく思う。

表具店の方が襖をはめようとしたところ、仏間の襖3枚は寸法が合わないことが判明。職人さんたちは道具箱を取り出し、建具の調整を始めた。柱が傾いているので、傾きを合わせるために下棧(シモザン)を削り、建具自体をやや傾けて調整された。上棧(カミザン)もカンナで削り、高さをあわせた。なんとか納まるようにはなったが、建具のすべりが悪い。敷居・鴨居ともに捻じれてしまっているようで、この問題を解決するには、もっと建具を削るか、敷居や鴨居の溝を掘るなどの必要がある、とのことでした。第2回ワークショップの課題がまた一つ浮き彫りになった。
アイノマ・奥座敷境の襖は、鴨居の中垂れを修正した際、端の部分は建具の納まりが緩くなってしまっていた。そのため建具が外れやくなっていたので、上棧に厚さ5~8mmの細い木材の打物をして納め直した。この結果、安心して襖の開け閉めがおこなえるようになった。
新調した奥座敷の押入の襖は柱の傾きが若干あり、その微調整を現場でおこなった。もともと、縦棧が長めに作ってあり、高さや傾きの調整は現場で削って調整することにしていたようだ。10分ほどでこの調整は終わり、修理・新調を依頼した襖がすべて設置された。
こうして9枚の襖が加藤家の座敷に戻ってきた。空間の質がぐんとあがったことは疑いない。襖だけでこんなにも変化があるわけだから、他のすべての建具の修復が終わった時、どれだけ加藤家のイメージが変わるのか、楽しみで仕方がない。

↑BEFORE(襖修復前の座敷)2枚


↑AFTER(襖修復後の座敷)2枚 *クリックすると拡大表示されますので、見比べてください!
建具を求めて 10月3日(土)。花園にある「風庵ギャラリー」で建具を物色した。店員さんの心遣いで、営業日ではないのだが、特別に開けていただいた。
現在、加藤家では土間・板間側の障子と板戸が不足しているため、中古の建具を購入し、不足箇所に設置しようとしている。まずは下見をし、6日のゼミで購入の可否を検討することになった。
必要な建具は、板戸(1003×1738)が1枚、同(930×1756)が2枚、明かり障子(980×1724)が4枚である。寸法がどんぴしゃの建具を探してるのは難しいだろうが、微調整により寸法誤差を修正できる建具を探しあてなければならない。
花園のギャラリーには、建具やタンス、机、屏風などが置かれていた。着いて早速、スタッフの方に、「襖や障子などの建具はありますか」と聞いたところ、「障子はつい先日売れてしまって、今は少ししかないよ。板戸もあまり入ってこないから、在庫は少ないのだよ」と教えられた。これは探し物が見つからないのではないかという不安が頭をよぎった。しかし、スタッフの方のご尽力で板戸(1003×1738)の類似品を見つけることができて一安心。しかし、板戸(930×1756)2枚と寸法の近いものがない。とりあえず、やや大きめのものを候補とし、写真撮影した。明かり障子は968×1736のものが寸法的には近いのだが、幅は短く、内法は高い。
問題は金額で、表具店の情報では1枚1000~2000円とのことだったが、ギャラリーで示された値段は板戸、障子ともに1枚5000円だった。これも次回のゼミで、購入の可否を検討しなければならない。(黒猫)

↑購入の候補とした板戸(左)と障子(右)
- 2009/10/09(金) 00:55:12|
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コメント:2
なるほどヤフーオークションですか。参考にさせていただきます。障子は加藤家住宅にあるものをできるだけリフォームしようということになりました。
- 2009/10/08(木) 21:39:40 |
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