古民家修復プロジェク委員会メンバーとの打ち合わせ 第2回ワークショップが18日(日)に迫りつつある。残り一週間を切った13日(火)のゼミの時間を利用して、古民家修復プロジェク委員会の委員を招き、最終的な打ち合わせをおこなった。
7月12日の
プレ・ワークショップにお越しいただいた研究室OBのオカムさん(大工)、ヤンマーさん(建具師)に寸法データを提供し、鋭意、打物を作成いただいている。当日もお二人には、建具につける打物の貼り付けと調整に専念していただくことになった。

現在、加藤家住宅の建具に係わる問題は打物だけではない。アイノマ・ヒロマ間の板戸(←)、板間・囲炉裏間の明かり障子(↑)などは、2006年の柱の矯正によって鴨居・敷居間の内法寸法が変化し、建具が納まらなくなっている。
そこで、ワークショップに参加される池田住建の大工さん(2名)には板戸・障子の高さ調節を担当していただくことになった。問題の建具を見ていただいたところ、建具の上下框を削ることで何とか納めることができるようになるだろう、とのことである。
ワークショップ当日の流れ ワークショップの流れは、以下のようになるだろう。
1.開会挨拶
2.趣旨説明(建具の問題点を総括的に述べる)
3.打物の加工と貼り付けの実演(オカム&ヤンマー)
実演後、二人は実務作業に専念。
4.建具上下框削りの実演(池田住研2名)
実演後、二人は実務作業に専念。
5.襖表装の張り替え実演(小林さん)
-ここで昼休憩(芋煮・漬物・ご飯)-
6.来場者・学生はA班とB班に分かれ、一方は襖・障子の張り替え
をおこない、他方は建具修理見学および加藤家住宅見学
7.浅川・文化庁調査官・文建協主任技師等は軸部の構造補強に
ついて検討(時間に余裕があれば、裏門復原、竹雨樋についても
意見交換)
8.ワークショップの最後に講評(文化庁調査官・文建協技師等)
古材倉庫の解体と古材・単管パイプの選別にむけて 土地所有者の要請により解体・撤去することになった古材倉庫を視察した。敷地には背丈をこえるほどの高さに成長したススキなどの雑草が生い茂っていたが、事前にナオキさんが草刈りしておいてくださったので、上の写真のようにその全貌を把握することが(ようやく)できた。古材倉庫は、2007年のプロジェクト研究(山田班)で建設され、古材・廃材置き場として活用してきた。懐かしい鉄板被覆屋根の
原寸模型もここに保管している。
古材倉庫の解体にあたって、以下のリサイクルをおこなうことが決まった。
1)裏門(
裏木戸)の復元に再利用できる古材を選別・保管
2)古材倉庫の建材である単管パイプと鉄板についても、一部は裏門建設の
素屋根の材料に転用。残りの単管パイプは大学で保管。
2)に示した裏門の素屋根は学生自ら設計・建設することになった。4m×4mの平面規模で裏門の設置場所と加工場を覆う予定。
古材倉庫の撤去は18日の公開ワークショップ以降、10月末までにおこなう。
エクササイズ2-表装張替え・障子紙の張替え 古材倉庫視察メンバーをのぞく7名で、
先週に引き続き、襖の表装替えと障子紙の張替えの作業をおこなった。
1.楽しい表装張替え 後半戦
表装替えは先週、「ふちおこし」などを使い、襖の縁を取りはずし、画や書を切り取り、両面の表装を剥がすところまで終えていた。今週は襖1枚の表装替え全工程を完結させた。
まずは「裏張」。表具屋訪問時を思い出しながら、前回ワークショップのチラシやレジメなどの古紙で下地の穴埋めをおこなっていく。とくに問題はなく、スイスイ進んでいった。
次は表装面のデコボコをなくすため大きな和紙を張る「うけ」の作業。大きな和紙を襖に貼り付ける作業になかなか困惑・・・貼り付けがズレてしまい、真っ直ぐ貼り付けられないなど素人丸出しの失敗が目立ったものの、何度か作業を繰り返した結果上達し、すんなり進んでいくようになった。
最後は「表装紙貼り付け」。今回は、裏張りはなく、両面に表装紙を張るようにした。これは大変で、しっかり濡らしているのに皺が残ったままになってしまう。何とか皺を伸ばしながら張っていくのだが、斜めにずれる、糊が弱いせいなのか、紙が剥がれてしまう。おそらく、糊を水で溶かして使っていたのだが、その水の分量が多かったのだろう。両面張り終えるまで時間がかかりすぎてしまった。
先週までにかかった時間が1時間余り、今回の作業が2時間弱。全工程で3時間程度かかっていた。学生が表装作業の説明・指南をするとなれば重荷だが、ワークショップ当日は表具店の方に指導を受けることになっているので、来場者はご安心を!
2.以外と苦戦!?障子紙の張替え
一方、3年男2名と部長さん(障子張り替え経験済み)で障子紙の貼り替えをした。加藤家納戸の障子の1枚を使って貼り替えしたのだが、古い紙を剥がす作業は大変で、しっかりこびりついており、きれいにするまで時間がかかってしまったようだ…いざ張る作業になると、次は紙が張り付かない…糊が弱いのか、時間の経過で糊が乾いてしまうのか分からないが、困難な作業だったようだ。
しかし、なんとか、1枚きれいに張替えが成功し、障子が輝きを取り戻した。
ワークショップ当日は、予め古い障子紙を剥がしておくほうがよいかもしれない。
みんな、お疲れ様でした! (黒猫)
- 2009/10/16(金) 00:18:54|
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