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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

村治佳織ギターリサイタル

 10月20日(火)。公開ワークショップの2日後。疲れは依然消えない。パーティのホスト役というのは、こういうものなのですね。
 火曜日は演習4コマ。うち2コマは加藤家でゼミ。4年は卒業研究中間発表の最終練習で、他は残された最後の1枚の襖の表装替え。プレゼンの練習には時間がかかるのです。4人の発表だと3~4時間は覚悟しなきゃいけないところなんですが、梨花ホールでの村治佳織ギターリサイタルが開場18:00、開演18:45に迫っている。15時から始めたゼミを17:40ころに切り上げ、いざ出陣と思いきや、エアポートが「はい、これ」と封筒を手渡してくる。何度も書き直させている紀要の原稿(分厚いな・・・)。
 封筒を手にもって一路梨花ホールへ、と行きたいところですが、まずは寺町の自宅に寄った。週末の同窓会サッカーのために買い込んでいたユンケルが1本残っていて、家で飲んだんです。 
 すでにして眠かったのですよ・・・

 梨花ホールでは県埋文のCさんお待ちかね。かれもギター好きですが、一緒に村治佳織を聴いたわけじゃなりません。また別の校正を頂戴しました。こうして校正原稿2つをもってホールへ入場。「と」列までは指定席で、わたしは「ぬ」列の通路沿い自由席に腰掛け、少し原稿を読みましたが、うぅぅん・・・良くないなぁ・・・

 定刻になって、村治さん、ステージに登場。真っ赤なドレスがまぶしい。
 演奏曲目は以下のとおり。最新盤の『ポートレーツ』からの選曲で、言ってみればCD販売のためのツアーなのかもしれません。

第1部
 1.戦場のメリークリスマス
   (坂本龍一/佐藤弘和編)
 2.エナジー・フロー
   (坂本龍一/佐藤弘和編)
 3.ティアーズ・イン・ヘブン
   (クラプトン&ジェニングズ/佐藤弘和編)
 4.「ウェスト・サイド・ストーリー」組曲
   (レナード・バーンスタイン/ホルヘ・モレル編)
 5.組曲ホ短調 Bux WV.236
   (ディートリッヒ・ブクステホーデ)

第2部
 6.ハンガリー幻想曲
   (カスバル・メルツ)
 7.ノクターン Op.9-2
   (フレデリック・フランシスコ・ショパン/フランシスコ・タレガ編)
 8.トロイメライ~子どもの情景 Op.15
   (ロベルト・シューマン/フランシスコ・タレガ編)
 9.一億の祈り~映画「火垂るの墓」(実写版)
   (谷川公子・渡辺香津美)
 10.武満徹編『ギターのための12の歌』より
    「失われた恋」「シークレット・ラブ」「サマータイム」
    (ジョセフ・コスマ/クリス・ハイネ/ジョージ・ガーシュイン)
 11.ジョンゴ
   (パウロ・ベリナティ)
 12.イントロダクション~サンバースト
   (アンドリュー・ヨーク)

アンコール
 13.アルハンブラの想い出
   (フランシスコ・タレガ)
 14.タンゴ・アン・スカイ
   (ロラン・ディアンス)

 1・2の坂本龍一はまずまずの滑り出しでしたが、3はどうかな?・・・クラプトンを愛聴してきたファンの一人として言わせていただくと、よい編曲とは思えませんでしたね。クラプトンのルーツはブルースなんだから、いくらクラッシック用のアレンジだと言っても、ブルースを放棄してはいけない。あれじゃ別の曲だ。ヨークの「マーリーの亡霊」の底流にレゲエが決して消えないような仕掛けをここでもやっておかないと、「ティアーズ・イン・ヘブン」ではなくなってしまう。これは編曲のせいであって、村治さんのせいではないと言えるかもしれないけれども、選曲は村治さんですからね。


 体は疲れ切っていて、眠くて仕方なかったのですが、ユンケルのおかげもあり、なんとか眠らずに聴いていました。いちばんつらかったのは7と8。ショパンとシューマンのスローな子守歌を聴かされ、あと一歩で深い眠りの底に落ちるところでした。こういう音楽を聴いてうっとりできる人が羨ましい。
 10から少しずつ覚醒してきました。やはり武満は神経に響いてくる。スローテンポの曲ですが、耳なれない不協和音を使っていて、とても弾きにくそうにみえました。実際、「サマータイム」ではミストーンが2、3回あった。武満徹編『ギターのための12の歌』の楽譜集は、わたしだってちゃんともっていて、いつかビートルズあたりから始めようと思っていたんですが、今年はクラシック離れしていて、またいずれ時間をみつけて挑戦しましょうかね。難しいんだろうなぁ・・・
 11は抜群の演奏でした。この日いちばんのパフォーマンスに拍手喝采! ブラジル人作曲家のサンバです。ボサノバ的なコードが連続し、途中からパーカッシブ奏法がはじまります。村治さんのような美しい女性に優しく叩かれればギターも本望でしょう。ほんとうにエレガントな叩きかたでした。
 12はLAGQのビル・カネンガイザーに捧げられた「イントロダクション」からスタート。「イントロダクション」は全然難しくないのですが、途中からメロディが消えてコード・アルペジオの反復になり、その順番を覚えるのがちょっとつらい。村治さんの場合、ものすごくゆったりとした演奏で、これがクラシックらしいところかな?なんて感じながら聴いてました。そして、「サンバースト」から高速になります。わたしはヨーク自身が演奏する「サンバースト」を東京で聴いているので、どうしても両者の比較になってしまうのですが、やや不満が残りました。5弦と6弦が鳴っていないんだもの。あの早弾きのところなんか、もっと爆発的な音を出してくれないとね。「イントロダクション」とはちがって「サンバースト」はエレガントであることを許されないとわたしは思います。前にも書いた記憶があるのですが、この曲は村治さんにはあわないんじゃないでしょうか。

 おもしろかったのはアンコール。意外と速く舞台に戻ってこられました。で、わたしは思わず呟いた。

  「あっ、ギターを変えた」

 ギターがブラウンから少し白っぽい色に変わったのです。村治さんのトークを再現しますと、

  「前にお坐りの方はお気づきかと思いますが、ギターを変えてもって
   きたんです。今日はギター製作者の方も客席でお聴きになってるん
   ですが、このギターは純粋の日本産でして、表の板が杉、裏の板が
   竹なんです・・・日本のギターだから日本の曲を演奏してもよいのです
   が、日本とスペインの融合ということでアルハンブラを・・・」

 驚きましたね。杉と竹でできたギターなんて見たことも聞いたこともない。柔らかい音がよく響いてました。

 そして、最後(13)は再びギターを持ち替え、「タンゴ・アン・スカイ」。すごい速弾きなの。ディアンスやパパンドレウよりもずっと速くて、まるで木村大の演奏を聴いているようでした。ディアンス自身がいうように、この曲はダンス音楽だから、もっと楽しげに艶っぽく弾いたほうがよいのではないか、とも思いましたが、なんか意地を示すかのようなスピード感のある演奏でしたね。技術は正確無比。わたしたちが失敗しやすいところをすらすら弾いてました。「イントロダクション・トゥ・サンバースト」のような簡単な曲ではミストーンもあったのに、「タンゴ・アン・スカイ」は完璧でした。

 グッズ売り場のCDは買いませんでした。楽譜があれば買おうと思ったのだけれども、なかったんです。ヨークの演奏会なんか、楽譜が飛ぶように売れていたのにね。
 サイン会もあったのですが、どの面さげて50過ぎのオヤジがCDやら写真集にサインしてもらうんだって、ね・・・それになにより村治さんのCDは高いですね。大学に戻って、アマゾンを検索したら、『ポートレーツ』の中古品がもうでていて、しかもDVD付のほうが安かったりして、さっそく購入ボタンを押した次第です。

 余談ながら、東京・札幌・福岡・大阪にはトミー・エマニュエルが来ていたようですね。残念ながら足を運ぶ時間がなかった。ただし、5年連続の来日だそうだから、また来年も来てくれることを祈ってます。

  1. 2009/10/25(日) 00:22:08|
  2. 音楽|
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