来たる11月19日(木)、末広温泉町の白兎会館で平成21年度全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会(第22回研修会 鳥取大会)が開催されます。テーマは「弥生建築研究の現在」でして、わたしが「弥生時代の建築-青谷上寺地から纒向まで」と題する特別講演をします。今年度は「縄文・弥生の仕事はしない」と春から公言しておりましたが、この仕事は1年前から依頼されていたもので、5月の大阪府立
弥生文化博物館での講演とともに「二つの例外」だと決めていました。
そこに纒向遺跡で姿をあらわした推定「
卑弥呼の館」復元の仕事が割り込んできました。まさに降って湧いたような仕事に研究室一同、七転八倒。その余波は今も続いております。公立埋文協の「弥生の建築」と題する講演がこの大波から逃れられるはずはありません。予稿集の内容を大きく改変するつもりはありませんが、講演の後半は「青谷上寺地遺跡の部材を用いた纒向遺跡大型建物群の復元」に割く予定です。
ちなみに、11日の
報道後もオファーが押し寄せており、超大型建物1棟だけでなく、纒向遺跡で発見された4棟すべての復元にむけて疾走中でして、その最新の成果を、どの媒体よりも早くご披露することになるでしょう。
日本中の瞠目をあつめている最新の研究成果を発表するわけですから、ひろく一般市民にご聴講いただきたいところですが、あくまで全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会のための講演であり、一般公開されていないのが残念です。ですが、県内で埋蔵文化財に係わるお仕事をされている技師さんたちにはできるだけたくさんご聴講いただきたいと願っております。
以下、会の概要と次第をお知らせしておきます。
平成21年度 全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会 第22回研修会 鳥取大会 次第◎研修テーマ「弥生建築研究の現在」
趣 旨
平成20年3月に国史跡に指定された青谷上寺地遺跡は、「地下の弥生博物館」と呼ばれるほど保存状態の良い多種多様な遺物が出土し、弥生時代の生活や技術について数多くの情報を我々に提供している。現在、鳥取県埋蔵文化財センターでは青谷上寺地遺跡出土品の調査研究を進めているところである。
中でも大量に出土した木製品の大部分を占める建築部材の調査研究では、約7mの長さを持つ弥生時代最長の柱材や約4m の垂木材、弥生時代中期に遡る「蟻棧」技術が施された板材といった新知見が得られ、また全国でも先駆けて「青谷上寺地遺跡出土建築部材データベース」を構築し、遺物情報を積極的に公開活用している。こうした調査研究成果は、妻木晩田遺跡や松江市田和山遺跡での史跡整備における復元建物に活かされており、従来の建物像に比べ、より実証的な復元整備に大きく寄与している。
今回の研修会では、弥生建築研究の最新状況について、建築部材や建築遺構の様相など様々な角度から検討する。
◎第1日目 研修会
日 時 平成21年11月19日(木) 13:10~17:30
会 場 白兎会館(鳥取市末広温泉町556)
1 受付開始(12:30~)
2 開会行事(13:10~13:30)
(1)全国公立埋蔵文化財センター連絡協議会会長あいさつ
山梨県埋蔵文化財センター 所長 小野 正文
(2)幹事県あいさつ
鳥取県教育委員会 教育長 中永 廣樹
3 特別講演(13:30~14:40)
演題「弥生時代の建築-青谷上寺地から纒向まで-」
講師:鳥取環境大学大学院 環境情報学研究科 教授 浅川 滋男
4 休 憩(14:40~14:50)
5 事例報告(14:50~16:30)
(1)報告1 「青谷上寺地遺跡出土の建築部材」
鳥取県埋蔵文化財センター 文化財主事 茶谷 満
(2)報告2 「登呂遺跡の建物」
静岡市文化財課 副主幹 岡村 渉
(3)報告3 「北陸地方の建物」
(財)石川県埋蔵文化財センター
企画部資料管理グループリーダー 久田 正弘
6 質疑応答(16:30~17:20)
7 事務連絡(17:20~17:30)
8 閉会の辞(17:30)
9 情報交換会(18:30~)
◎第2日目 出土品の見学
日 時 平成21年11月20日(金) 8:00~12:10
7:50 集 合(JR鳥取駅南口)
8:00 出 発
8:10 鳥取県埋蔵文化財センター秋里分室(鳥取市秋里)
9:40 鳥取県埋蔵文化財センター青谷調査室(鳥取市青谷町)
10:40 青谷上寺地遺跡展示館(鳥取市青谷町)
12:10 解 散(JR鳥取駅)
詳細は事務局(鳥取県埋蔵文化財センター)にお問い合わせください。
- 2009/11/17(火) 00:27:38|
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