わたしは、ひと月以上、校正マシーンと化しています。昨年12月の初旬に某大著の初稿を執筆者に送付し始めまして、当然のことながら、初校が断続的に戻ってくる。これをそのまま出版社に転送できる方は結構なのですが、著者校正後の原稿を読んでみて、どうしても手を入れざるをえないと判断する場合が3割弱あります。著者本人の原稿が編者によって手直しされるわけですから、著者に対してはまことに申し訳ないのですが、このまま出版した場合、著者も出版社も評価を下げるにちがいない。そう判断されるものには手を入れます。これは、編者の責務として仕方のない作業だと割り切るしかありませんね。
一方、わたし自身の原稿も書かなければならない。拙著『出雲大社』(
日本の美術476号、2006)の内容に加筆転載と思って気楽にかまえていたのですが、いざ書き始めると、そう簡単には終わらない。とくに「結論」は長いながい論文になって、冬休みが終わっても、なお擱筆できませんでした。年末年始のあいだ、出版社は休んでいる。編集事務の補助スタッフも休んでいます。その間、わたしは膨大な校正原稿・執筆原稿を両者に送信し続けました。
年があけて、メールを読んだ誰かに言われた。
「正月休みにずいぶん働かれてたんですね!」
そうなのよ、ただテレビに出てただけじゃないんですからね。授業も会議も出張もない、このヴァケーションが勝負のときなのです。授業が再開しても、バトルは終わらない。終わるはずはないのです。今度は学生の指導。昨年、あれだけ苦労した「纒向遺跡大型建物群の復元」について建築学会の中国支部大会(広島)で発表しようということになって、年末に以下の4篇の発表論文を登録しました。
○吉川、清水、岡垣、今城、浅川
纒向遺跡大型建物群の復元研究(1)
-青谷上寺地から纒向へ:復元の方法-
○岡垣、今城、吉川、清水、浅川
纒向遺跡大型建物群の復元研究(2)
-建物Dの復元-
○清水、岡垣、今城、吉川、浅川
纒向遺跡大型建物群の復元研究(3)
-建物A・B・Cの復元-
○今城、岡垣、吉川、清水、浅川
纒向遺跡大型建物群の復元研究(4)
-建物配置と景観の復元-
この提出〆切が1月18日(月)でした。推定「卑弥呼の館」講演が17日(日)で、上の執筆者は全員講演を聞きにきて打ち上げもやったので、実質的な〆切は16日(土)だったですね。○印をつけた学生が論文の発表者=原稿執筆者で、わたしが全文を校正/推敲するわけ。1本ならまだしも、4本はきつい。ただ、わたしが校正/推敲に時間を費やしているあいだ、学生諸君は講演のパワーポイントの準備をしてくれて助かりました。
これで一息ついたと思ったら、大間違い・・・こんどは大学の紀要(開学十周年記念論文集)です。うちの研究室から2名の学生がエントリーしていて、査読付論文提出の〆切がじつは先週末だったのですが、今週末まで延期されたとの知らせあり。いずれもわたしとの共著ですから、ほったらかしにできるはずはありません。まずはレベルの高い院生の論文から手をつけました。いや、しんどかった。テキストの校正/推敲にまる3日。レイアウト後にもう一度推敲しようと思っています。さらにもう1本のことを思うと頭が痛い。ともかく時間がないので、来年度に見送るかどうかを検討中です。情けない、とほほ・・・
- 2010/01/27(水) 00:03:20|
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