
昨夜作った金柑ジャム第2弾は好評でございました。前回に比べると、苦みがやや強くなりましたが、それは金柑の風味というべきものです。パンにもクラッカーにもよくあいます。
で、家族の一人が言うのです。
「こっちは、マーマレードにするんでしょ?」
(はぁっ!?)
彼女の目線は籠に入った伊予柑の皮に向いている。たしかに、昨夜、校正をしながら、伊予柑をたくさん食べたんだけど、剥いた皮をマーマレードにするつもりなどまったくありませんで・・・なぜ、わたしが平福の「道の駅」で伊予柑10個ばかりの袋を買ったのかと言うと、「
四国の文化的景観」シリーズの(Ⅱ)を書こうと思っていたからです。その書き出しのフレーズはずいぶん前から次のように決めておりました。
「伊予柑を食べると(宇和島の)三浦半島を想い出す・・・」
しかし、このシリーズ第2作を書けないまま時が過ぎ、この週末もまた断念せざるをえませんでした。奈良の家に帰ると、某大著の校正がどさっと届いておりましてね。しかも、今回はわたし自身の執筆担当部分で、どうにもこうにも逃げられません。毎夜、朝まで校正マシーンと化しております。老眼鏡なくして仕事が進まなくなった今日このごろ・・・

と言いながら、籠にたまった大量の伊予柑の皮をみていると、たしかに捨てるのがもったいなくなってしまいましてね。まず、この皮を煮込みます。湯通しというレベルではなくて、しっかり熱と水分を通さなければいけません。こうしないと、皮の裏側にくっついている白い「綿」がきっちり取れないのです。ご存じのように、「綿」は苦い。この苦さは「風味」などという良質のものではありません。
「綿」を包丁で剥ぐ作業はやっかいですね。そのあとの千切りもしんどい。正直、ちょっと皮が多すぎた。食べないまま残しておいた伊予柑は2つしかなくて、その実を袋から取り出し、千切りにした皮の一部とあわせてフードプロセッサで攪拌。千切りした皮はたくさん残っていますが、ゲル状のものとあわせて鍋で煮込みます。われらがホカノのグラッパはすでに使い切ってしまったので、今日は白ワインでぐつぐつと。途中、試食したのですが・・・うぅぅぅ、苦いぞ、これは・・・それに千切りした皮の形が崩れなくて、外観は人参の細切り煮込みのようではないか。
いったん火をとめた。しばらくテレビをみてました。龍馬から行列法律相談所。外務省を辞めてスーダンで働く日本人医師の話には胸を動かされましたね。やればできるんだ、やればできるんだぞ、おい!
そうこうしているうちに、鍋が冷えたので、鍋の中の7割の具を再度プロセッサに。そして、また鍋に戻し、煮込みを開始。でも、苦みは消えない。ここで良いものをみつけました。息子が買い込んでいたカシスのリキュールがあるではないの。これを惜しげもなく投入して、またとろ火で攪拌しつつアルコールを飛ばしていった。おかげで、ずいぶん苦みは薄らいだ。
でも、まだ苦いな・・・いや、塩味のクラッカーにつけたらなかなか美味い。
明日の朝、カリカリのパンとの相性が楽しみだね。
さて、今夜も校正マシーンです。おやすみなさい。

↑煮込み攪拌中。完成品ではありません。
- 2010/02/09(火) 00:00:01|
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