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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

不動院と若桜の街景-楊先生来日(Ⅱ)

100225不動院01内部


 2月25日(木)、奈良から鳥取まで移動してきました。早朝奈良を出発し、県教委2名&文化庁1名の待つ蕎麦切り「たかや」へ。奥様は「もりそば」、楊先生の「牡蠣なんばん」に舌鼓を打って・・・いたら、タイムリミットの13時を過ぎてしまい・・・急ぎ車を発車・・・県庁に。鳥取での活動のスタートは県教委教育長への表敬訪問です。当初は13時15分から15分間の挨拶を予定していましたが、ずいぶん話が弾みました。楊先生は教育長から贈呈された池本喜巳の写真集『三徳山 三佛寺』に魅入られ、思わず「ここは世界遺産に値する」のコメントが口から漏れてしまい、県教委の皆様から笑みがこぼれました。

100225教育委員会01


100225不動院02縦サムネイル その後、不動院岩屋堂へ。天気が良く、風景は爽やかそのもの。超俗的な岩窟と懸造の仏堂がすっかりお気に召したようです。当然のことながら、中国建築との比較になりまして、まず、よく似た建物として、福建省の甘露寺をあげられました。南宋の建築のようです。そして、岩屋堂の建築年代が室町初期(南北朝期、1340~)であることを伝えると、「建築は元の末期のようだが、様式的にみると宋代だね。各地の墓葬遺跡から出土している北宋の建築模型とよく似ている。楼造にして縁に欄干をめぐらし、屋根を入母屋造にするところはそっくりだ」とのコメントを賜りました。

100225街景01若桜

 ついで、若桜城下町のカリヤ通りと倉通りへ。ここもいたく気にいられてようで、なかなか動こうとされません。建築だけでなく、町のあちこちに流れる清流に感心され、「空気も綺麗で、水は清らか。ここは長寿の町だね」とのこと。山上の城郭に対して、山下の「城下町」にもずいぶん興味をもたれていました。わたしは「町並み保存」を中国語訳しようと思うのですが、なかなか適切な訳語が浮かびません。「町並み」という概念は、英語ではtownscapeが近いでしょうが、中国ではどういう言葉を使えばよいのか・・・楊先生から「街景(ジエジン)」という言葉を教えられました。なるほど、「町並み=街景」か・・・中国語を学び始めて30年近くになりますが、ようやく知るに至った術語です。

 100225たかや01 山陰中央新報_2_25



100225卒業研究展01

 若桜を離れて、とりぎんホールの「卒業研究展」へ。ガードの裏木戸は展示スペースの門として機能しておりました。結構、結構・・・「鳥取城三ノ丸高等学校」の完成模型をはじめて目にしました。細かく厳しい見方をすれば・・・特別教室と石垣の関係がよくないな。ここは地形の段差を利用して懸造風に造り、屋根を片流れにするはずだったのに、低い側に平屋の建物が建っている。石垣と建物の間にV字の谷間ができてしまっているのです。大雨が降ったら洪水ですわね。当初案のほうが良いと思いました。この日、新聞記事にしていただいてますが、公の場で設計内容を発表するとしたら、まだまだ手直ししなきゃいけないでしょう。でも、一時はどうなることかと心配したプロジェクトがなんとか日の目をみることができ、安堵の胸をなでおろしたのも事実です。みんな、よく頑張ってくれました。御礼は明日の「清水庵」でね。

 夕方は青谷上寺地関係のみなさん、市教委のみなさんとの会食。会場は「たくみ」です。楊先生の明るい人柄は、どこに行っても大日如来の光源のようで、そのオーラのなかに楽しい会話の花が咲きます。今のところ、まったくもって順調。明日もきっと楽しい一日になるでしょう!

100225たくみ01


  1. 2010/02/27(土) 00:00:01|
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