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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

壱岐・対馬を行くⅢ

 15時25分発、郷ノ浦港(壱岐)経由、博多港行きフェリーに飛び乗り、壱岐へと向かいます。まったくもってべたなぎの対馬海峡を航行しており、ひとまず安心です。何せ、対馬ではアップダウンの激しい道のため、車酔いに陥った次第です。17時25分、無事に郷ノ浦港に着き、交通手段を探しましたが、タクシーが無難であったのはいうまでもありません。宿泊先は湯本の「国民宿舎 壱岐島荘」です。壱岐北西部で、歴とした温泉が湧いています。翌朝、宿舎側のご好意で、「一箇所だけ送り届けてあげます。」とのことで、お言葉に甘えて、壱岐風土記の丘に送り届けてもらうことにした。ちなみに、ここも『離島の建築』に紹介されています。

 壱岐風土記の丘は、壱岐市勝本町布気触にあり、おおよそ壱岐中央部北側にあたります。湯本からは車で15分といったところでしょうか。ここには古墳と城跡、百姓武家の建物を移築・復元しています。オモヤ、インキョ、ホンマヤ、ウシノマヤと復元されている建物が4棟あり、そこに同様な形式で建てられた管理棟で古民家園が構成されています。すべて寄せ棟造麦藁葺きの建物で、屋根勾配が若干きつく感じます。また、棟飾りが特徴的で、掘立て柱建物の棟飾りを連想させます。
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壱岐風土記の丘 古民家園


 「原の辻遺跡を訪問したら?整備中です。」と昨晩に先生より電子メールが届きました。事前に午後の予定を組んでおらず、原の辻(はるのつじ)遺跡に足を運ぶことと相成りました。原の辻遺跡は多重環濠集落で、湿地帯の遺跡でもあります。そのため、根太とおもわれる部材1本が検出されています。また、石積み土手が検出されており、船着場跡とされています。遺跡周辺は田園が周囲を巡り、丘陵と赤い流線形屋根の展示館があります。展示館は遺跡調査事務所を兼ねており、建物規模は妻木晩田遺跡の展示室兼遺跡調査事務所を大きく凌ぎますが、売店はありません。展示館前面の広場には建物高床式倉庫、草葺きの平地式竪穴住居が復元されていますが、少し疑問符でてくる箇所があります。展示館から道を隔てた南東に、丘陵部があり、遊歩道、休憩所があり、遺跡を360度見渡せます。
 現在、整備事業よりは休耕期の合間に石積み土手、水路を把握するため、試掘を急いでいるようです。ですから、田んぼのあちこちに縦幅3m×横幅6m×深さ3mくらいの試掘溝をあちこちで見ることができます。これについては近々、発表があるそうです。
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原の辻遺跡 展示館

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原の辻遺跡 船着き場跡の屋外模型

 壱岐・対馬訪問はこれにて終了を迎えました。これから、約半日をかけて鳥取へと戻りました。訪れた場所は少ないかもしれませんが、対馬藩主宗家墓所、原の辻遺跡においてご丁寧に説明していただき、充実した情報をいただきました。この場をかりて、感謝申し上げます。(ホカノ・ピエール)




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原の辻遺跡 復元されている竪穴住居

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原の辻遺跡 復元されている高床倉庫
  1. 2005/11/10(木) 19:56:25|
  2. 史跡|
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