
NPOによる
文化財建造物活用モデル事業「セルフビルド&ゼロエミションによる民家の持続的修復」では、2回の公開ワークショップとともに、研究総会を開催する事業計画を文化庁に提出している。ほんらいならば、当然、加藤家住宅で研究総会を開催すべきなのだが、今年度修復に携わった大半の職人・委員が倉吉在住であるため、「大山・隠岐・三徳山」シンポジウム(@倉吉未来中心)レセプションの参加者とかなり重複している。この際だから30分だけ時間を頂戴し、今年度の加藤家住宅での活動を学生2名に発表してもらった(事業費がすでに枯渇していて、倉吉在住の皆様を鳥取にお呼びできないことも倉吉開催の一因)。黒猫は、来たる
3月17日、文科省で事業の成果を報告することになっている。以下、学生にバトンタッチ。(教師)
2月26日(金)。午前、環境大学にゼミ生全員が集まり、27日開催のシンポジウムの荷物を詰め込んで倉吉へ出発しました。アシガル、黒猫、ガードの3人以外は打ち合わせのため倉吉未来中心へ。残った3人で研究総会の会場となる清水庵の2階へ行き、会場設営を進めました。前夜、会場レイアウトを教授よりすべて任せられていたので気が抜けません。タクオさんにアドバイスをいただいて考えたレイアウトを頼りに設営していきました。途中、清水庵のご主人にも手伝っていただき、なんとか会場設営を終えることができました。ありがとうございました。
その後、黒猫、ガードともに発表の練習をおこない、準備は万端です。予定時刻が近づき、続々と私たちの発表を聞きにお客さんが清水庵に到着。来場者は23人までふくれあがりました。お客さまの増加に比例して、緊張のボルテージがマックスに近づいていきます。そして、いよいよ発表の時が・・・・。発表の順番は、ガード、黒猫の順です。この時の心境を下の感想に書いていますので、是非ご覧ください。発表も無事終わり、シンポジウムのレセプションが始まりました。ディナーはとても豪華な会席で、美味しくいただきました。これにて私たちは帰鳥です。明日、シンポで発表する人、サポートをする人も全員頑張って下さい。


・門脇史知「さおびきどっこ-古民家裏木戸の復元-」
満喫 加藤家住宅プロジェクトの「研究総会」。私はこの響きに少したじろきました。なんと言っても文化財の専門家が大勢来られるのですから、発表の時間が近づくにつれて「どきまき」してしまいました。もし質問されたら、きちんと答えられるのだろうか、その前にきちんと喋れるのか、本当に緊張していました。いざ発表が始まると、緊張のせいか、言葉が早口になってしまいました。しかし、徐々にその緊張にも慣れ、自分が早口であることにはっと気づき、落ち着いて発表ができたのではないかと思います。質問の場でもきちんと答えることができたのでホッとしています。その後の「清水庵」レセプションでの餅しゃぶも美味しく、とても豪華なディナーを満喫する事ができたので本当に満足のいく一日でした。明日は、とりぎんホールに展示してある裏木戸を解体しなければなりません。その後も残りの部材を加工し、加藤家住宅に良い裏木戸を建てたいと思います。(ガード)
緊張した… 倉吉市にある「清水庵」で、シンポジウム・レセプションの前座?として、加藤家住宅修復プロジェクトの「研究総会」がおこなわれた。聴衆の方がたのポストを考えるだけで、「嗚呼、生まれてくるんじゃなかった」と、それはもう何度も思いました…。というのも、学校での卒業研究公聴会とは違って、文化財のプロの前で発表するわけですから、ごまかしは一切通用しないと思っていたからです。発表前から緊張し、いざ本番中も、心臓が止まるのではないかと思うほどバクバクが鳴る。発表中も早くしゃべりすぎてないか、声は小さくないかと考えながら、エンターキーを押す。しかし、卒業研究発表の公聴会で使用した(何度も練習した)パワーポイントであったため、大きなミスなく、発表が終了。緊張のため、しっかりお客様の様子を見ることはできなかったけれど、ちらっと見たときには、真剣に聞いてくださっていました。発表後のご飯はもうそれは、おいしゅうございました。緊張から解き放たれた後だからかどうかわかりませんが、食事をより深く味わえたように思います。とくに、しゃぶしゃぶの出汁が非常においしく、蟹付きの豪華なディナーだった。次の発表に向け、資料作りをしていかなければならない。次というのは、3月17日にある文科省第2ビルでの発表です。東京まで出向き、学生を代表して、私が発表することになりました。このことを考えるとまた緊張が…。自分の大学生活の締めくくりとして、いままでの糧を生かした発表にしたい。まずは、発表資料作りから始めていきます…。(黒猫)

・宇田川恭平「建具と内装の修復 -加藤家住宅修復プロジェクト The LAST-」
【附記】 外からみていて、二人とも緊張しているとは全然思いませんでしたよ。あぁ、いつものとおり、うまくしゃべってくれたな、というのが教師の感想です。評判も良かったです。楊先生は「レベルの高い研究だ」と会場でコメントされましたが、宴席では「あれで学部4年生かい? 素晴らしいじゃないか。中国の修士課程や博士課程の学生よりずっと良い研究をやっている」ともおっしゃいました。また、日頃はわたしと同じで辛口の平澤室長も「いい仕事してますね」と感心してくれました。わたしが何が言いたいか、分かってくれてるのかな、二人は?? 君たちがやった卒業研究は大したものなのですよ。賞がもらえるとか、もらえないとか、そういうことはどうでもいいんだ。とても良い卒業研究をしたんです。指導教員だけがそう思っているのではなく、多くの文化財スペシャリストがそう思ってくださった発表でした。文科省では、発表時間が半分になるけれども、綺麗にまとめようぜ!
- 2010/03/02(火) 00:01:12|
- 講演・研究会|
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