2月24日の短い記録「
うららかな平城宮」の文末に、「ヨナと真央とロシェットの戦いに溜め息が漏れた一日でもありました。さんざん愚痴をこぼしたプルシェンコとは対照的に、不平不満を言わない真央に脱帽。見習わないといけませんね」と書いた。バンクーバー五輪フィギュアスケート・ショートプログラムのジャッジはだれもが仰天するほど不公平な結果であり、激昂したのはタラソワ・コーチだけではない。家中に落胆がひろがり、その余波は娘と友人たちのメールを介して全世界に波及していった。あの日の、あの不信感をいまも忘れることができない。その悔しさを抑えようとして書いたわずか2行の文章に強烈なコメントが入った。「通りすがりですが・・・」と題する拍手コメントなので、ブログの表側には出ていない。以下に引用しておこう。
一スケートファンとしては、こういう記事を拝見してしまうと残念です。プルシェンコの戦い
については語ると長くなるので止めておきますが、日本のマスコミの恣意的な「潔くない」
「負け犬」報道にどうか惑わされないで下さい。この数年採点のオカシさは、選手もファンも
ずっと心に秘めていて悶々としていたことなのです。(選手は特に下手に発言すると審判の
心象が悪くなるので何も言えないんです)一般にどう思われていても、プルシェンコは
その才能と功績においてフィギア界では圧倒的な地位にいます。だからこそああやって発言を
してくれているのです。彼は数年前から今の採点のあり方にずっと疑問を呈していました。
勇気ある一部の選手も。けれどそれらの声が届くことはありませんでした。今のスケート界は、
一旦現役から退いていた彼が3年経って復帰して、「今までの栄光ともしかして引き換えに
なるかもしれない状況になってでも、現役として同じ土俵で言わなければならない」ほど、
深い闇の中にあるのです。やり方に疑問がある方もイルでしょうが。彼は自分のメダル云々より、
これからのフィギア界のために戦っていること。それだけはわかっていただきたいです。
トリノ五輪でプルシェンコの演技をみたとき、フィギュアスケートの世界でただひとり四次元にいるアスリートだと実感した。こんな選手は2度と出てこないだろうし、五輪連覇は確実だろうとも思った。予想どおり、プルシェンコはバンクーバーの半年前に復帰してきた。結果は銀メダルだった。4回転を2回成功させたが、着氷にぶれがあり、ステップにも4年前の切れがない。プルシェンコは3次元世界に舞い降りて技を競い合っていた。もっともっと高い異次元の世界で滑っていた鉄人がライサチェクごときに敗れるなんて・・・しかし、上のコメントにみるように、プルシェンコがこの世に戻ってきたのは「暗い闇のなかにあるフィギュア界」にもの申すためだったとしたら、むしろ「銀メダルに終わった」という事実が大きな意味をもつことになるかもしれない。
昨夜、ユーチューブを中心にフィギュア関係のサイトを漁った。「回転不足」をキーワードに検索すると、信じられないほど多くの画像とコメントを閲覧できる。興味深いのは、今回の五輪以前から不公平なジャッジに異議申し立てする記事が溢れていたことである。すでによくご存じの読者も少なくないだろうから、冗長な説明は控え、要点のみ箇条書きにしておきたい。
)2008ソウルのグランプリ・ファイナル以後、とくに採点の風向きが変わった?
)キムの3回転+3回転では回転不足と判定すべきジャンプが少なくない。安藤も同様だが、
微妙なジャンプの場合、前者はすべてクリア、後者はすべて減点されている。
)演技に加点が与えられるのは、事実上、キムだけ。しかも、フリーの場合、加点の平均点
が20点に及び、男子のメダリストよりも高い得点になっている。ちなみに、他の女子選手
の加点平均点は0.5点前後。
)手をついたり転んだりする減点よりも、回転不足の減点のほうが高くなる場合が
しばしばある。
)真央の3回転半+2回転に対して、加点するどころか、2点減点した審判がいた。
)国際スケート連盟の副会長が韓国人で、カナダフィギュア協会の会長が韓国系カナダ人
であるとの情報がまことしやかに囁かれているが、それを否定する情報も流れている。
)ここ数年、日本の女子フィギュア陣は異常に強かった。村主、荒川、恩田、中野、鈴木、安藤、
浅田と続く驚異的な人材輩出・・・バンクーバーでは金・銀・銅のうち2枚のメダル
獲得が有力視されていたが、これを阻止したい勢力が協力しあった? つまり、浅田も
被害者だが、安藤はもっと悲惨な被害者ではないか??
興味深いのは、プルシェンコが日テレ系「バンキシャ」の独占インタビューで真央を異常に高く評価していること。「世界で初めて、オリンピックの舞台でトリプルアクセルを3回も飛んだんだよ。世界で初めて・・・それなのになぜ加点されないのか、まったく理解できない。採点基準がおかしい」。4年前には荒川静香の金メダルを揶揄して顰蹙をかったキャンデロロもまた「真央の3回転半は素晴らしい」と絶賛している。
蓋し、浅田も安藤もこうなることを覚悟していたのではないだろうか。穏やかな真央ちゃんが、フリー決戦前日の公開記者会見で珍しく強気の発言をした理由を計りかねていたのだが、上の事情を前提にすれば、それは審判団に対する抗議のようにも受け取れるからだ。
「普段はショートプログラムで10点以上離されるのに、今回は5点足らずの差です。
明日は得意のフリーなので逆転できるチャンスは十分あると思っています。やはり、
金メダルが欲しいですね・・・」
この発言を隣で聞いていたキムが目を剥いた。決戦前夜の火花散る舌戦のように受け取れる発言だが、その真意はもっと深いところにあったのではないか。昨夜、多くのサイトを漁り、そう感じるようになってきている。
そして、残念なことに、上に述べた一連の疑惑の黒幕は、どうやら日本のマスコミ界を牛耳る最大手広告会社であり、その手先となって動いているのが、真央叩きで有名な8チャンネルのTV局であるらしい。広告会社の顧問は、2002年W杯の日本単独開催を阻止し、日韓共催に持ち込む原動力となった人物ということまでネット上では常識になっている。
勝てるはずのない「体制」との戦いに、浅田は、プルシェンコとともに挑んだ。本国にまで巣くう巨悪に立ち向かい、自分を潰しかねない逆風に耐えて掴んだ銀メダルであった。
- 2010/03/08(月) 00:00:53|
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