対馬にて二日目となったこの日は、少しですが時間に余裕ができたので、先日から借りていたレンタカーにて、対馬西南岸の厳原町椎根にある石屋根倉庫を見学に行きました。石屋根倉庫は、大学の講義でも紹介されたことがあり、その独特の外観から、対馬にいった際には、ぜひ拝見したいと思っていたものでした。石屋根に用いる石には、対馬で採れる堆積岩(板状に剥離する粘板岩や砂岩、頁岩)が用いられ、瓦が普及しなかった藩政末期まで、住居は茅葺きか板葺きだったが、倉には板状の石を用いることが流行していたそうです。昭和57年頃から瓦に葺き替えられ、現在は、瓦葺きのものの方が多いのですが、それ以前には、石屋根であったと言われています。

厳原町椎根には、石屋根の倉庫が最も顕著に残っていて、身舎部分の四隅を25㎝前後の角柱、他の柱は約45㎝×12㎝の平柱が使われている石屋根の倉庫群には、見るからに重厚感がありました。石屋根の倉庫は、家(住居)とは離れて群を成して建っているのが対馬の古いしきたりらしく、現在もその様子はうかがえました。倉庫内部は三室に分かれ、衣類、穀物、什器などを収納しており、住居から離すのは、防火対策のためであるという。

対馬では、「石」という素材が多くの個所で使われており、島内を探索している間も、たくさんの石垣を発見しました。それでも、かつてあった多くの石垣は、道幅が広がるという理由からコンクリート壁に取って代わられているようです。それでも、本当に多くの石垣があり、驚きました。「石」を用いることは、対馬の歴史において、重要な文化なのだと感じました。 (ホカノ・ぴえーる)
- 2005/11/09(水) 17:17:04|
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