
わけあってエコロジカル・ランドスケープとか環境共生住宅に関係する書籍をまとめ買いしていたところ、『パッシブハウスはゼロエネルギー住宅』という単行本(農文協、2009)が検索でヒットした。まず驚いたのは「竪穴住居に学ぶ住宅の未来」という副題で、さらに目をみはったのがその表紙である(↑)。こういう表紙をネットに転載するのは、著作権上問題があるかもしれないけれども、とりあえず本の宣伝になるし、おそらくわたしに限っては許していただけるだろうという楽観的な予感がある。
お付き合いのある考古学関係者なら、すぐに分かるのではないかな。研究室ではエアポートが真っ先に気づいた。
「これ、先生のやられた・・・」
「そう、・・・御所野の復原住居さ!」
30代後半から40代前半にかけて心血を注いだ
御所野の復原住居が、エコ建築本の表紙になる。こういう時代を迎えたんですね。土で覆われた縄文時代の竪穴住居がゼロエネルギー住宅の原型であるのは間違いない。なにより民家がエコハウスなんだからね。そういう当たり前のことがようやく建築デザインの世界で語られるようになってきたことを嬉しく思うと同時に、環境大学に所属する建築研究者は、世の潮流に流されることなく、本物の環境共生住宅とは何か、真摯に考えなければいけません。
御所野といえば、整備委員長だった
林先生が3月16日に逝去されたばかりですが、3月末で縄文博物館の高田館長が一戸町教委を退職されました。パッシブハウス本の通販入手と相前後して、岩手県からもお便りがあり、5月29日(土)に「高田さんを囲む会」を開催するとのお知らせでした。1月末の
兵庫県立考古博物館でのフォーラムが、わたしにとっての高田さんの退官記念講演会でした。時間にも縛られている今日このごろ、一戸まで駆けつけることはできませんが、おそらくこれからも御所野を何度か訪れるでしょうから、その機会にお祝いさせていただこうと思っています。
本当にお疲れさまでした。ゆっくり休んでくださいと言いたいところですが、暫定リスト入りした「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録は、御所野が核になって推進するしかありません。このご時世、還暦ではまだまだ休めませんね!
- 2010/05/02(日) 12:10:02|
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