セミナー「浦富海岸の石を見分けよう!」 13日(木)のプロジェクト研究1&3で山陰海岸学習館を訪れた際、一枚のチラシが掲示されており、5月1日~16日の2週間、「ジオキャラバンin浦富海岸」と題するさまざまなイベントが開催されることろ知りました。さっそく15日(土)にはセミナーと島めぐり遊覧に参加することにしました。全員の予定は合わなかったため、参加できる環境マネジメント学科1年S.Kくんと建築・環境デザイン学科のN.Nさん、さらに研究室からMr.エアポート、部長、3年生のM.Hさんが参加しました。教授は浜松に行かれるそうで今回は不参加ですが、代わりにランドスケープの専門家N先生に後引率いただきました。
当日は朝9時に大学集合。10時のセミナーに間に合うよう、一路会場の山陰海岸学習館へ。講師は兵庫県立人と自然の博物館の先山先生です。今回のテーマは「浦富海岸の石を見分けよう!」でした。まずはパワーポイントや館内の展示物をみることで、山陰海岸の成り立ちなどを説明していただきました。その中で興味深かったのは、1500万年以前の石と1500万年以降の石とでは、磁力の向きが異なっているということです。これは1500万年以前は日本はまだ大陸にくっついていて、その当時の地球の磁力の向きが石に記録されているため、その後日本の形になってからできた石とは磁力の向きが異なることです。大正15年(1926)、京都大学の松山基範博士が玄武洞(兵庫県豊岡市)の玄武岩に、現在の磁力とは反対の南を向く磁性を持っていることを発見し、石の磁性は北向きと南向きの2つに分けられることがわかったのです。
セミナーの後、予定では実際に浦富で石を拾いつつ石種と年代を見分ける予定だったのですが、ほとんど石が転がっていないため、今回は講師の先生が持ってきた石で、見分け方を教わりました。石に含まれる粒が見えるか見えないか、色の具合やしま模様、硬さなどさまざまな点で見比べながら同定するとのこと。ただ、石のある場所によって、同じ種類の石でも見え方が違うことも多々あるとのことでした。

↑ルーペを使って細かな粒を観察
風は激しく-島めぐり遊覧 なるほどなぁ、とうなずきながら話を聞いていると、またたくまに2時間が過ぎ、セミナーは無事終了しました。次は島めぐり遊覧です。遊覧船の発着場に向かい昼食を済ませると、いよいよ午後2時から1時間半の島めぐり。
この日は晴れていましたが、少し風があり、船が発着場から入江を抜けると大きな波が遊覧船をこれでもかと揺らしてきました。それでも順調に千貫松島や鴨が磯、菜種島などを船から眺めていきました。本来ならその後、熊井浜や龍神洞まで向かうはずでした・・・が、やはり波が強いためあきらめて引き返すこととなってしまいました。少し残念に思いつつも、普段の遊覧船では行かない駟馳山(しちやま)の方向へ向かい、横向きに連なる柱状節理(下写真の左)やほかの海岸とは違って黒っぽく見える砂浜の海岸(下写真の右)なども見ることができました。
波に揺られながら、予定より少し短く、しかし普段よりも長い1時間の遊覧を無事終えて、充実した気持ちで今回のイベントを全て終えました。私たちの他にも多くの人たちがイベントに参加したり、山陰海岸学習館や遊覧船に訪れていたので、ジオキャラバンは16日で終わりのようですが、まだまだこれからもこのようなイベントがたくさん開催されることを願っています。(部長)

- 2010/05/17(月) 13:10:13|
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