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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

鳥取城三ノ丸高等学校プロジェクト(Ⅹ)

「たくみ21」6月例会 -予報2

 スペイン、ブラジル、イングランドなどの優勝予想が目立つなかで、ただ一人??(じつはあまり好きなチームではない)ドイツの優勝を予想した私ですが、ここに来て暗雲立ち籠めております。バラック(チェルシー)がFAカップ決勝で大けがしたようで、W杯は絶望・・・代表の第1ゴールキーパーも離脱だそうです。でも、いまさら優勝予想国を変えるわけにはいきません。プレミアを制したチェルシーの大黒柱が抜けるのはきついけれども、バイエルンはチャンピオンズ・リーグで準優勝しました。2年前のユーロでもドイツは準優勝ですからね。気が付いたら勝ち上がってきた、といういつものパターンで一泡吹かせましょうかね・・・

 というわけで、南アW杯の第1戦(vsカメルーン)が6月14日に迫ってきました。その翌日がまた大変です。まだまだ先と思っていた「たくみ21」での「鳥取城三ノ丸高等学校」の発表が6月15日夕刻におこなわれます。先週からチラシのための情報を整理しはじめ、代表Kさんに送信したところ、たちまちチラシが完成したので、下に貼り付けておきます。

たくみ21チラシ 「たくみ21」6月例会

  日時: 6月15日(火)  
      18:15 講師集合
      18:30 聴講者集合=開演
      18:45 講演(挨拶紹介5分・講演40分)
      19:30 懇親会
      21:00 閉会
             講師: 森・浅川
             演題: 鳥取城三ノ丸高等学校
                  -史跡と共存する校舎の設計-
             *「たくみ21」のブログは こちら をクリックしてください。
(↑画像をクリックするとチラシが大きくなります)

 上のチラシの写真に白い文字で「西高移転をめぐり昭和36年吉田璋也・川上貞夫は鳥取県文化財保護専門委員を辞任しました。(略)この度の鳥取西高の改築計画に対し鳥取県文化財保護審議会委員はそれに異議を唱え・・・」と上書してあります。これは代表Kさんの前言です。文化財保護審議会(専門委員会)について拘っておられるので、鳥取市文化財保護審議委員でもある私からひと言申し上げておきましょう。文化財保護審議会の委員は、真の「文化財の専門家」であるとは私は思っていません。委員の大半は歴史学や考古学や美術の大家であり、その見識が文化財保護に大きな貢献をもたらしていることは言うまでもありませんが、その一方で、委員の多くは「保存の理論」を本格的に学んだこともなければ、史跡整備・修復などの「実務」に携わったこともない人ばかりです。都市・地域計画や緑地・景観計画などの関係分野についての知識も十分あるとは言えません。だれしもそうですが、自分の専門領域に偏向したモノの見方しかできないのです。だから、歴史や考古の専門委員はしばしば「歴史至上主義」に陥ってしまう。「今」から遠い過去の遺産であればあるほど価値が高い、と思いこんでしまいがちなのです。


 ヨーロッパは真反対でしてね。「歴史の蓄積」をなにより尊重します。だから「復元」を拒否し、「現状保存」を理想とします。これがラスキン以来、ベニス憲章にいたる世界の保存理論の主流です。オーセンティシティという概念もこの思想の産物なのです。鳥取西高は、すでに130年の歴史をもちます。近代における城跡利用の歴史を示す貴重な遺産でもあるわけで、ヨーロッパ流にいうならば、城跡だけでなく、この歴史の重層性にこそオーセンティシティを認めなければなりません。それを全否定して、江戸時代の姿だけを重視するという思想に問題がある、ということに多くの歴史家は気づいていない。もちろん、だからと言って、三ノ丸遺構の上になんでもかんでも建ててよいというわけでは決してありません。残念ながら、教育委員会が文化財保護審議会を無視してまとめあげた4階建改修設計案は史跡上に建つ現代建築として良い例ではなく、ある人物のご尽力のおかげで、この案も風前の灯火だと複数の情報筋が知らせてくれています。

 最もよいサンプルは仁風閣ではないでしょうか。仁風閣は大正天皇御行幸にあわせて建設された明治40年の建築です。鳥取一中より新しい近代建築なのですが、この片山東熊の傑作(重要文化財)は鳥取城とまったく無縁でありながら、撤去・移築の声があがったことはないでしょう。今の西高校舎はたしかに醜い建築です。しかし、鳥取城跡の遺構を保存・表現しつつ久松山の景観に貢献するような校舎に改修できるならば、50年後には仁風閣と同等の評価を受け、文化財建造物に登録もしくは指定されるかもしれません。そのようなキャンパスを創ればよいのです。
 今回、わたしたちが提示する「鳥取城三ノ丸高等学校」は、上のような考えに導かれて、西高問題が顕在化する半年前から構想を練りはじめたものです。だから、自信満々の作品かと言えば、決してそんなことはありません。所詮は卒業設計です。大学4年生の力量で届く限界に近づいたとは思いますが、卒業設計とは、基本設計の前のアイデア・コンペの域をでないレベルのものです。だから、叩かれるでしょう。しかし、こういう「叩き台」が必要なのではありませんか。
 いま西高改修に係わる自由な発言が封じ込められています。わたしたちは、わたしたちのアイデアを聴衆に押しつけるつもりはさらさらありません。この案を叩き台にして、西高改修に係わる自由な意見が交わされるようになって欲しい。フリーディスカッションの口火を切りたい。そう思って、「たくみ21」に臨みます。
 なお、「たくみ21」は内部の勉強会であり、マスコミに公開はしません。ただし、月例会への参加は原則オープンであり、だれでも参加できます。取材と関係ない個人的立場での参加を拒むものではないとのことです。

 あぁぁ・・・ちょっと疲れましたね。ゲゲゲの女房さんに癒していただきましょうか。



 ガンバレなんて気安く言わないぞ。
 チェストだよ、チェスト!!
 

  1. 2010/05/27(木) 12:45:09|
  2. 史跡|
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