火と水のウッドデッキ1.雨水の貯蔵と再利用 自然エネルギー活用の一環として、雨水の循環利用を考えた。トチ葺屋根の軒先に金属製の樋をめぐらせる。金属製の樋は意匠上やや無粋なので、箱状の「樋隠し」をパーゴラの天井に置く。雨水は二方向に流し、一方はウッドデッキの貯水タンク、他方はパーゴラ西北隅の貯水タンクに溜める。ウッドデッキの貯水タンクには濾過装置をつけて飲用水を蛇口から出す。オーバーフロウの水と排水はビオトープの水路に流す。パーゴラ西北隅の貯水タンクに蛇口はつけるが、濾過装置はつけない。パーゴラ植栽への水撒き用水として利用する。オーバーフロウの水と排水は礫敷暗渠を通してビオトープの水路に流す。
2.山田式カマドの再生活用計画 暖炉は学内に設置された「山田式カマド」(↓プロジェクト研究で学生が自主制作した中央アジア型ストーブ)を解体移築し、材料の瓦や粘土はもちろんリユースし、設計し直してて比例拡大し使用する。焚き口はホール側とデッキ側の両方に設けことで暖炉に「二つの顔」を与える。室内側の「暖炉」は展示スペースの中央奥に設置し、だんらんの中心に据える。外側の「竃」は
水と火のウッドデッキでパーティなどを行う際、温もりと調理火の恩恵を与えてくれる。燃料にはもちろん間伐材を用いる。暖炉や竈は間伐材の持続的な消費に大きく貢献する。こうしてみると、トチ葺きの材料としての間伐材も、一定の年限(10~20年)で葺き替えが必要であり、間伐材の持続的使用に貢献するだろう。燃料としての間伐材と屋根葺き材としての間伐材はほとんど同じ意味をもつのである。(武蔵)

3.火と水のウッドデッキ ホール背面のウッドデッキは研究所拠点施設のなかで、とくに重要な意味をもつ。ビオトープに面し接続するばかりか、ビオトープの水路がデッキ簀子縁の下を通っている。ウッドデッキは懸造のようにして水路に張り出す舞台のような空間になるだろう。ウッドデッキの中心には山田式ストーブ(中央アジア型カマド)が配される。カマド前の灰床を利用すれば、バーベキューができる。また、デッキの南側には雨水を集めた濾過装置付貯水タンク(↓)を置く。蛇口からでる水は清潔な飲用水である。緑と水に囲まれたウッドデッキでは、火を燃やすことができ、濾過された雨水を飲むことができる。おそらくバーベキュー・パーティなどで頻繁に活用されるようになるだろう。なお、パーゴラの植栽は基本的に多年生植物だが、ウッドデッキのみ一年生植物のゴーヤやヒョウタンとする。また、柱間に間柱も立てない。パーゴラからビオトープへの眺望を妨げないようにするためである。
- 2010/06/16(水) 00:00:50|
- 研究室|
-
トラックバック:0|
-
コメント:0