ふらふらだった木曜日の夕方、家に帰って眠っちまいました。目覚めたら、夜の11時。久しぶりに日の丸温泉に行って体をほぐし、カナイチヤへ。客はひいていた。そして画面には、南アフリカW杯3位決定戦のキックオフ直前の映像が流れていた。ドイツは黒、ウルグアイは水色のユニフォーム。
今大会最高の試合といわれた3位決定戦をどうしても視たかったので、カナイチヤさんに録画データの入手をお願いしていて、1週間ばかり前に届いたという報せがあったのだが、なにぶん忙しすぎて視にいく暇をつくれなかった。ところが、徹夜したおかげで、ビデオをみる時間が突然木曜の夜に転がり込んできたわけだ。なんたって、目覚めてすぐには眠れませんからねぇ。とりあえず電話したところ、カウンターに客が溢れているらしく、温泉に行く時間まで頂戴できた次第。
いつもようにギネスをすすりながら、画面を凝視した。凄い試合だった。両軍ともリラックスして試合に臨むのだが、時間が経つにつれ本気になっていく。ミューラーの得点から一気に試合が動きだし、1-0、1-1、1-2、2-2、3-2と試合が推移し、フォルランのフリーキックがバーを叩いた瞬間、フィナーレのホイッスルが鳴った。
改めてミューラーという選手の凄さがよくわかった。1歩1歩のストライドが長く、ボールと離れた位置にいても、あっというまに球際に絡んでくる。裏に抜けるスピードも速いし、パスも正確。ディフェンスも強い。エジルのエレガントさも光った。これだけ優雅なプレーをするゲームメーカーがドイツにあらわれたことが本当に嬉しい。かつてはいっぱいいたんだ。ベッケンバウアー、ネッツア、オベラーツ、フローエ・・・エジルやベッケンバウアーの身のこなしは「女性的」にみえるほどたおやかだ。ただ、エジルの場合、ミューラーと違って、ボールがない時間での運動量とスピードが乏しく、守備の諦めが早い。この点、中村俊輔と似ている。スペインの選手たちが、上手いだけでなく、恐ろしい運動量を誇り、プレッシングにも長けていることを考えると、エジルにはまだまだ進化の余地がある。エジルに運動量が伴うようになれば、ジダン以来のヨーロッパ最高のトップ下に成長するだろう。

一方、フォルランのプレーにも舌をまいた。あのボレーは凄い。ボレーシュートを地面に叩きつけるのは基本中の基本ではあるけれども、その見本をああいう舞台で実践してみせるところが凄い。GKは一歩も動けず。日本人なら、ライナーのボレーを狙って、結果が宇宙開発、というのが毎度のパターンだね・・・
ウルグアイの敗因はスアレスの不調のように感じた。3回ばかり得点可能なシーンがあった。いつものスアレスなら1点は取れていただろう。なにぶんハンドのバッシングに晒され(試合で戦っている選手ならあの場面で手が出るのは仕方ない)、おまけに得点王のプレッシャーもあったのだろう、いつもの冷静でずるがしこいプレーがみられなかった。
スポーツはライブで視るに限る。結果を知らなくても、録画ではライブの高揚感は得られない。しかし、今W杯の3位決定戦は録画でも十分楽しめる。というか、録画でこのレベルだったのだから、ライブで視ていたらどんなに興奮しただろうか。
- 2010/07/31(土) 23:10:15|
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