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鳥取環境大学 環境情報学部 建築・環境デザイン学科 浅川研究室の記録です。

摩尼寺「奥の院」発掘調査日誌(Ⅱ)

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発掘調査にむけての下準備

 8月4日(水)。まさに目の覚めるような青空です。日中の最高気温は37度。昨日より3度も高いそうです。それでも発掘現場は緑豊かで、近くを流れる小川のせせらぎが清涼感を与えてくれます。本日は、追加の発掘道具の搬入、除草作業、トレンチ用の縄張りをおこなう予定でしたが、除草までで手一杯でした。
 今日はクーラーボックスを用意し、1人2リットルの飲み物を詰め込み準備万端です。参加メンバーは以下のとおり。教授と武蔵、きっかわさんは倉吉に向かいました。

 参加者
  エアポート・轟・ナオキ 計3名

 昨日同様、8時半に大学に集合し、追加の発掘道具を車に積み込んで摩尼寺へ。9時半に住職に挨拶をすませ、搬入準備に取り掛かります。車から発掘道具を降ろしていると、参道沿いの喫茶店のマスターが興味深そうに寄ってきました。「金でも掘りにいくんか」なんて冗談話に始まり、最終的には搬入の荷造りまで手を貸してくださいました。わざわざお店から荷造り紐やタオルまで持ってこられ、搬入の装備はより完璧なものに。これでは、あとでお店に寄らないわけには行きません。
 悪路に少し慣れたのか、昨日よりも早いペースで登山道を上がり、10時半には現場に到着。まずはしっかりと水分を補給し、いざ除草作業開始です。写真をご覧いただくとわかるように現場は草木が茂りに茂っており、どこからどこまでが奥の院の平坦地かわからないほどです。そもそも平坦地であることすら目視できない状況に一同驚愕。昨年、黒帯たちと礎石配置を測量する際、気にもならなかったほどの草木が、この一年で見事に成長したわけです。測量で確認した礎石の大半は草の中に埋もれており、作業は予想以上に難航。

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↑Before                ↑After

 結局、昼休憩を30分に縮め、ひたすら草むしりです。草を抜いた地面は少し湿っており、現場の湿度を一気に上げます。気づけば2リットルの水はもうあとわずか。これはもう節水です! 黙々と作業を続け、16時にはようやく地表土が顔を出しました。予定のトレンチ用の縄張りは明日に延期です。明日は轟と武蔵が期末考査なので、エアポートとナオキしか現場に行けません。なんとかドゥンビア(きっかわ)さんや部長さんに応援を要請しなければ。


 下山後、住職に挨拶を済ませマスターの店を訪れました。奥さんと2人で経営されており、とても仲がよさそうです。奥さんとも話が合い奥の院の話をしていると、午前中にマスターから聞いた冗談話がまた出てきました。どうやらただの冗談ではなく、昭和の一時にひろまったウワサ話で、それにつられて実際に「金を」掘りに来る人がいたそうです。そんな時、あるキーワードが頭をよぎります。以前から気になって仕方なかった、奥の院のランダムな礎石配置、容易に動く平坦な石や竹やぶの中に投棄された石。みんなの脳裏に同様の不安が横切ります。どのような結果が待ち受けているのか、不安と興奮が入り混じる今日一日でした。明日はついに先生が現場に登場し、遺構検出が始まります。
 縄張りを急げ!!(Mr.エアポート)

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↑搬入前、マスターに縛られる轟


  1. 2010/08/04(水) 12:02:36|
  2. 史跡|
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