2010年度鳥取県環境学術研究費助成研究のための打ち合わせ これまでの倉吉探訪は町並みをざっとみてあるく予備的踏査でしたが、8月4日(水)、県環境学術研究費に採択された「倉吉重要伝統的建造物群保存地区拡大にむけての実践的研究 ―看板建築の復原・活用と<昭和レトロ街>構想―」(1,564千円)のための打ち合わせを正式に倉吉市教育委員会でおこないました。参加者は教授・武蔵くん・どんべえこと私の3人です。
報告が遅れましたが、武蔵くんと私は、過ぎる7月30日にそれぞれ卒業研究題目を申請し、晴れて倉吉に係わる卒業研究に取り組むことと相成りました! 不安もありますが、いまは4年間の集大成である卒業研究に向けた希望でいっぱいです。研究を締めくくるころになってもこの気持ちを忘れずにいられるよう、「楽しむ」ことを忘れずに、ベストを尽くしたいと思います。
さて、今回は摩尼寺「奥の院」発掘調査、8th ISAIAに向けた論文執筆などなど、それぞれ各自のミッションに取り組むため、わずか3人での倉吉訪問です。発掘調査組の苦難を考えると贅沢は言えませんが、倉吉組も暑さに呻いていました……。いずれのメンバーも、今後の活動はフィールドワーク中心になることが予想されますから、みなみなさま、どうか身体にだけは気をつけて…とか書くと、自分が一番にダウンしそうですね。
まず向かったのは倉吉市教育委員会事務局文化財課。レトロ街構想および看板建築修景に向けて、担当者さまと打ち合わせをするのが今日の大きな目的の1つです。看板建築修景では、旧市街地に建つ実際の建物を修復するうえ、まずは対象となる家を探し出す必要があるので、文化財課との連携なしには実現しえません。
文化財課にてSさんとMさんに迎えていただき、いざ打ち合わせ開始。追記にて内容を整理しました。
------打ち合わせ内容要旨------
■今年度の研究概要について
・看板建築修景、昭和レトロ街構想という2つの柱から、倉吉市旧市街地の町並み整備、
および商店街の活性化をねらう。
・特に看板建築修景については、今年中に実際の建物修復を目指す。
■看板建築修景について
・重伝建拡張に向け、今後の修景ケーススタディとして、今回の復元的修景をおこなう。
・パイロットケースであるため、重伝建地区(あるいは拡張予定地区)ではない地区の
建物で修景をおこなうのも一つの手。看板を外したあと、再び元の状態に戻すという
方法も考えられる。
・修景対象とできる建物があるかどうか、これから具体的に検討していく。
■そのほか
・「看板建築」という用語が住民に受け入れられていないとの情報がある。「パラペット」
と呼ぶ人もあらわれ始めているが、教授によれば、その呼称もおかしいとのこと。
住民から歓迎される新しい呼称を考案する必要がある。
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計画の大まかな流れを確認したあと、まちの視察へ。
看板建築は、何度見ても見飽きません。横顔を覗くと、本当に正面の箱状の構造物以外は町家そのままなのが一目瞭然で、上手に時代に対応してきた証なんだろうなあ、としみじみと思います。修景の候補となりそうな看板建築をいくつかピックアップし、小休憩のため喫茶店へ。ところで、お盆明けから看板建築を修復する工事が本町通の一角で始まるとのこと。自分たちで修景することを見据え、是非とも偵察しに行きたいと思います。

喫茶店「サダル・チョーク」にて、冷たい飲物を飲んで一服。チャイ、ほろ甘くて美味です。
文化財課のお二人には、これほど暑いなか、まちを案内していただき、ありがとうございました。今後もなにとぞよろしくお願い致します。お二人と別れたあと、私たちはまっすぐ大学に帰…りませんでした。ついつい足は、前回も訪れたジェラート屋さんへ。そして帰り道のコンビニで冷たい飲物。発汗が尋常ではないのです。
発掘調査組はみるみる痩せているようですが、倉吉組はデザートの食べすぎで太るかも…? 夏の終わりに恐怖のビフォーアフターを公開しようと思います。乞うご期待!(きっかわ・ドゥンビア・どんべえ)
- 2010/08/05(木) 03:46:02|
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